報道発表

コンゴ民主共和国におけるエボラ出血熱の流行に対する
国際緊急援助隊・感染症対策チームの帰国

平成30年7月2日

1 コンゴ民主共和国におけるエボラ出血熱の流行に対し,同国政府からの要請を受けて6月11日に派遣された国際緊急援助隊・感染症対策チームは,現地での任務を6月28日に終了し,6月30日に帰国しました。

2 同チームは,キンシャサにおいてコンゴ民主共和国政府や国際機関等と協力し,サーベイランス(検疫体制及びデータマネジメントの強化)分野及び検査診断分野の支援を実施しました。具体的には,1日あたり約1,000人の渡航者を検疫するマルク・ベンデベンデ臨時検疫所の設置支援や収集データの管理,また30名の検疫官と10名の疫学者に対する指導を支援した他,国立生物医学研究所ラボにおいて,3名のスタッフに対するトレーニングを含め,検査方法の改善や診断の質の向上のための支援を行いました。

3 同チームの支援に対しては,コンゴ民主共和国政府等から累次に渡り謝意が表明されています。

[参考1]
 2018年5月以降,コンゴ民主共和国赤道州の都市部を含む3つの保健圏(ビコロ保健圏,イボコ保健圏,ワンガタ保健圏)においてエボラ出血熱が流行。WHOのまとめによると,4月4日から6月28日までに,出血性発熱事例55例が報告され(うち確定例が38例,エボラの可能性が高い事例が15例,疑い事例が2例),29の死亡例が確認されている。
 ジュネーブにて5月18日(現地時間)にIHR(国際保健規則)緊急委員会が開催され,WHOは,現時点では「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態(PHEIC)」に達していないと発表しつつ,急速に感染が拡大するリスクを指摘。WHO,コンゴ(民)政府保健省及び関係国際機関・NGOは,感染拡大防止のため,現地の医療従事者や接触者へのワクチン投与等の封じ込め対策を実施中。

[参考2]
 国際緊急援助隊・感染症対策チームは,外務省員,感染症専門家,JICA職員等で構成される。

[参考3]
 感染症対策チームの派遣による人的貢献に加え,6月19日,我が国政府は,コンゴ民主共和国におけるエボラ出血熱流行に対して,世界保健機関(WHO),国連児童基金(UNICEF)及び国際移住機関(IOM)を通じ,計300万ドル(約3億3,600万円)の緊急無償資金協力を実施することを決定


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