報道発表

ラカイン州における人道状況への対応計画(4件)
ラカイン州における包摂的な開発と女性のエンパワーメント計画(1件)
(ミャンマーに対する無償資金協力に関する書簡の交換)

平成30年2月22日

1 本22日(現地時間同日),ミャンマー連邦共和国の首都ネーピードーにおいて,樋口建史駐ミャンマー大使と各国際機関代表者との間で,無償資金協力以下5件(供与総額18億7,000万円)に関する交換公文の署名が行われました。

2 対象案件の概要

(1)ラカイン州における人道状況への対応計画(4件分合計供与額:11億円)案件位置図(PDF)別ウィンドウで開く
 昨年8月末にミャンマー・ラカイン州で発生した襲撃事件直後から,当該地域においては国際赤十字委員会(ICRC)等による緊急支援が実施されているものの,ミャンマー国内に留まっている国内避難民(国連人道問題調整事務所(OCHA)によればラカイン州の国内避難民は昨年12月時点で128,420人)や地元住民は,長引く避難生活や,経済活動等が著しく停滞した生活環境下にあって,彼らの栄養,保健衛生,住環境は悪化しており,一層の支援が必要な状況となっています。特に,今後,国内避難民やバングラデシュに逃れた難民(難民支援調整グループISCGによれば,2月11日時点でバングラデシュに流出した避難民は約688,000人)の帰還が本格的に始まれば,同州内の住民の生活困窮は更に深刻化すると想定され,人道上必要な食糧,保健・衛生や住環境,コミュニティ間の理解促進に資する支援は死活的に重要となっています。
 この計画は,国際連合世界食糧計画(WFP),国際連合児童基金(UNICEF),国際連合難民高等弁務官事務所(UNHCR),国際連合人口計画(UNFPA)の4機関を通して,治安部隊襲撃事件の影響を受けた人々やコミュニティに対し,食料配給,児童保護支援,避難民の保護,シェルターの補修・管理運営,児童教育,保健の分野等における人道支援を行うことで,当該地域の安定化,人道状況の改善を図り,襲撃事件の影響を受けた人々の生活状況,就学率,児童保護,女性や少女への心理的ケア等の改善に寄与するものです。

(2)ラカイン州における包摂的な開発と女性のエンパワーメント計画(1件分供与額:7億7,000万円)
 この計画は,国際連合開発計画(UNDP)を通して,2012年以降のコミュニティ間の衝突や治安部隊襲撃事件の影響を受けた人々,また関係行政官等に対し,地方行政のガバナンス能力強化,人権啓発・女性の法へのアクセス向上のための地域コミュニティや法務関係者の技術や知識の向上,コミュニティのインフラ整備等の支援を行うことで,当該地域の中長期的な生活状況の改善,行政関係者の能力強化を図り,襲撃事件の影響を受けたコミュニティの中長期的な再建に寄与するものです。


報道発表へ戻る