報道発表

アンゴラにおける地雷除去に関する日英連携の実施

平成29年6月16日

 6月15日,アンゴラにおける地雷除去支援に関する,英国とNGO「ヘイロー・トラスト」の間の契約の署名式がアンゴラで執り行われたことを受け,日本が実施中のヘイロー・トラストに対する支援と併せ,アンゴラにおける地雷除去のための日英連携が実現しました。

1 日英両国は,ヘイロー・トラストによるアンゴラのウアンボ州での地雷除去事業に対し,必要な資金協力を共に実施します。我が国は,同事業に必要な人件費及び機材費等のため,本年3月に草の根・人間の安全保障無償資金協力を通じて550,000米ドルを支援しています。一方英国は,今般同事業に50,000ポンドの支援の実施を決定しました。

2 アンゴラでは2002年に内戦が終結しましたが,その内戦中に敷設された地雷が国土の約30%に残存しており,同国の経済・社会発展の障害となっています。こうした背景を踏まえ,日英間での調整の結果,アンゴラにおける地雷除去支援を日英で連携して実施することになりました。この日英の支援により,地雷の不発弾による犠牲者を減らし,安全な土地を確保し,食糧生産その他の社会経済開発事業への土地の有効利用を推進すると共に,アンゴラにおける平和の定着を促進することが期待されます。この事業を通じ,合計191,692m2の土地における地雷が除去され,2,490人以上の地域住民が裨益することになります。なお,日英は昨年も,NGO「ノルウェジャン・ピープルズ・エイド(NPA)」によるアンゴラのマランジェ州での地雷除去事業への支援で連携しました。

3 本件連携は,昨年1月の第2回日英外務・防衛閣僚会合に際し,平和維持・平和構築における連携を含むアフリカでの共同協力事業を追求することで合意したことを受け,その取組の一環として実現したものです。日英両国は,法の支配を始めとする基本的価値を共有し,国際社会の平和と安定に責任を有するグローバルな戦略的パートナーであり,またアジア及び欧州において,それぞれ最も緊密な安全保障上のパートナーです。日英両国は,国際社会の諸課題に対し,アフリカを含め,地球規模で引き続き緊密に連携して対応していく考えです。

(参考1)第2回日英外務・防衛閣僚会合(「2+2」)共同声明(PDF)別ウィンドウで開く(2016年1月8日:関連箇所抜粋)

 8.四大臣は,ソマリア沖海域及びアデン湾での海賊対処行動における国際的な協力を歓迎した。四大臣はまた,海賊対処行動のための第151連合任務部隊(CTF151)の司令官を日本が務めていた際の二国間協力を認識した。四大臣は,平和維持・平和構築における連携を含む,アフリカでの共同協力事業を追求することを事務当局に指示した。

(参考2)「ウアンボ州地雷除去計画」(平成28年度草の根・人間の安全保障無償資金協力)

事業概要ウアンボ州のうち計191,692m2の地雷除去
被供与団体ヘイロー・トラスト
供与限度額550,000米ドル
署名日平成29年3月9日
署名者我が方 澤田 洋典 駐アンゴラ特命全権大使
先方  ゲルハード・ザンク プログラム・マネージャー(Gerhard Zank, Programme Manager)
事業実施期間平成29年3月9日~平成30年3月8日

(参考3)ヘイロー・トラスト

 国際的に地雷除去活動に取り組むNGO。1988年設立。20年前の1997年に英国のダイアナ妃が,今回の連携案件が実施されるウアンボ州の地雷原を訪問した際の現地での受入れを担当した。


報道発表へ戻る