報道発表

インドの鉄鋼製品に対するセーフガード措置についてのWTO協定に基づくパネル設置

平成29年4月4日

1 4月3日(現地時間同日),世界貿易機関(WTO)紛争解決機関(DSB)は,インドの鉄鋼製品に対するセーフガード措置について,我が国の要請を受け,WTO協定に基づきパネルを設置しました。

2 本件では,インドが鉄鋼製品に対して課しているセーフガード措置について,「千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定(GATT)」及び「セーフガードに関する協定」との整合性が問題となっています。

3 我が国政府は,本件がWTOのルールに従って適切に解決されるよう,今後の手続を進めていく予定です。

(参考1)WTO紛争解決制度におけるパネル(小委員会)について
 他の加盟国による協定非整合的な措置によって不利益を被ったとする加盟国は,当事国間での協議を要請できる。協議を通じて通常60日以内に紛争が解決されない場合,パネルに紛争を付託し,問題とされる措置と協定との整合性についてパネルで争うことができる。パネルによる法的判断に不服のある当事国は,最終審に相当する上級委員会に対して申立てを行い,同判断を争うことができる。

(参考2)本件の経緯と概要
 インドは,輸入される鉄鋼製品について,平成27年9月14日から2年6か月間の追加関税措置を実施。追加関税率は,最初の1年間は20%,その後18%,15%,10%と半年毎に逓減。また,平成28年2月5日から一部製品に最低輸入価格を設定し,この価格を下回る製品の輸入を禁止・制限する措置を実施した。こうした措置がWTO協定上の義務に違反しているおそれがあり,平成28年12月,我が国はインドに対して協議を要請し,本年2月6日及び7日に協議を実施した。なお,最低輸入価格措置は本年2月4日で失効したため,現在は設定されていない。

(参考3)臨時DSB会合
 DSB会合において1回目のパネル設置要請が決定されなかった場合,WTO紛争解決了解(DSU)第6条1及び同注5により,申立国が要請する場合には,紛争解決機関(DSB)の会合はその要請から15日以内にこの目的のために開催される。またこの場合には,少なくとも会合の10日前に通知が行われる。


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