報道発表
中東非大量破壊兵器地帯構想に関する意見交換
平成28年12月14日
1 12月14日,外務省は長崎において,関係国の政府関係者や有識者を交えて,中東非大量破壊兵器地帯構想に関する非公式の意見交換会を実施しました。
2 昨年行われた2015年核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議は,中東非大量破壊兵器地帯の設置構想を巡る意見の対立もあり,最終文書が採択されることなく終了しましたが,我が国としては,中東非大量破壊兵器地帯設置及び同地帯設置のための関係国の対話再開に向けた取組を引き続き支持しています。今後とも,地域の平和と安定,そして「核兵器のない世界」に向けて貢献していきます。
(参考)中東非核兵器地帯・中東非大量破壊兵器地帯
(1)1974年の国連総会においてエジプトが提案した中東非核兵器地帯構想を歓迎する決議が採択されて以来,毎年,この構想を実施するために必要な措置をとるよう求める決議がコンセンサス採択されてきている(ただし,2009年の第64回国連総会では一部分割投票)。しかし,事実上の核兵器保有国と国際的にみなされているイスラエルのNPT未締結やイランの核問題などを背景として,今のところ本構想が実現される見通しは立っていない。
(2)1995年のNPT運用検討・延長会議において,NPT寄託国である米国,ロシア及び英国の共同提案による中東地域における核兵器などの大量破壊兵器のない地帯(非大量破壊兵器地帯)の創設を目指す中東決議が採択された。しかし,アラブ諸国とイスラエルの立場の違いもあり,これまで目立った実質的進展はなく,この問題はNPT運用検討プロセスにおける議論の焦点の一つとなっている。