報道発表

バングラデシュに対する円借款に関する書簡の交換

平成28年6月29日

1 6月29日(現地時間同日),バングラデシュの首都ダッカにおいて,我が方渡邉正人駐バングラデシュ大使と先方カジ・ショフィクル・アザム財務省経済関係局次官補(Mr. Kazi Shofiqul Azam, Additional Secretary, Economic Relations Division, Ministry of Finance)との間で,合計1,735億3,800万円を限度額とする円借款に関する書簡の交換が行われました。

2 円借款対象案件の概要(位置図(PDF)別ウィンドウで開く

(1)ジャムナ鉄道専用橋建設計画(調査・設計のための役務)(Jamuna Railway Bridge Construction Project(Engineering Services))(24億6,400万円)
 この計画は,ジャムナ川流域において既存のジャムナ多目的橋と並行して新たに鉄道専用橋を建設するものです。これにより,将来の鉄道輸送需要への対応及び安全性の向上を図り,バングラデシュ及び近隣諸国との物流ネットワークの効率化を通じて,もって中所得国化に向けた,全国民が受益可能な経済成長の加速化に寄与することが期待されます。

(2)クロスボーダー道路網整備計画(バングラデシュ)(Cross-Border Road Network Improvement Project (Bangladesh))(286億9,800万円)
 この計画は,バングラデシュ国内において主要な国際幹線道路網を整備するものです。これにより,主要都市区間の交通・物流ネットワークの改善を図り,周辺国との貿易の促進を通じて,もって中所得国化に向けた,全国民が受益可能な経済成長の加速化及び社会脆弱性の克服に寄与することが期待されます。

(3)ダッカ都市交通整備計画(II)(Dhaka Mass Rapid Transit Development Project (II))(755億7,100万円)
 この計画は,ダッカ市内に軌道系大量輸送システムである都市高速鉄道を建設するものです。これにより,ダッカ都市圏の輸送需要に対応するとともに,交通混雑の緩和を図り,もってダッカ都市圏の大気汚染抑制及びバングラデシュ全体の経済発展を通じて,中所得国化に向けた,全国民が受益可能な経済成長の加速化及び社会脆弱性の克服に寄与することが期待されます。

(4)マタバリ超々臨界圧石炭火力発電計画(II)(Matarbari Ultra Super Critical Coal-Fired Power Project (II))(378億2,100万円)
 この計画は,バングラデシュ南東部チッタゴン管区マタバリ地区に定格出力1,200MW(600MW×2基)の高効率の超々臨界圧石炭火力発電所を建設するものです。これにより,同国における電力需要の急増に対処するとともに,温室効果ガスの排出抑制を図り,同国における経済全体の活性化及び気候変動の緩和を通じて,もって中所得国化に向けた,全国民が受益可能な経済成長の加速化及び社会脆弱性の克服に寄与することが期待されます。

(5)省エネルギー推進融資計画(Energy Efficiency and Conservation Promotion Financing Project)(119億8,800万円)
 この計画は,経済成長に伴いエネルギー需給が逼迫しているバングラデシュにおいて, ツーステップローンによる譲許的融資等を通じて省エネルギー機材の導入を促進するものです。これにより,エネルギーの利用効率の向上を図り,エネルギー需給の安定及び温室効果ガスの削減を通じて,もって中所得国化に向けた,全国民が受益可能な経済成長の加速化及び社会脆弱性の克服に寄与することが期待されます。

(6)災害リスク管理能力強化計画(Disaster Risk Management Enhancement Project)(169億9,600万円)
 この計画は,自然災害の頻発するバングラデシュにおいて, 自然災害で被災した脆弱なインフラの復旧・復興,情報伝達機器や救援用機材の整備,災害復旧・復興の仕組み構築及びその実施を行うものです。これにより,政府の総合的な災害リスク管理能力の強化を図り,災害に強靭な社会の構築など同国の持続的開発を通じて,もって社会脆弱性の克服に寄与することが期待されます。

3 供与条件

(1)金利年0.01%
(2)償還期間 40年(10年の据置期間を含む。)
(3)調達条件一般アンタイド

4 なお,上記(2),(3),(4),(5)及び(6)の案件については,我が国の気候変動分野の途上国支援策の一環として実施するものです。我が国は,2015年11月に「美しい星への行動2.0(ACE2.0)(PDF)別ウィンドウで開く」を発表し,2020年に官民合わせて約1兆3千億円の気候変動対策支援を実施することを表明したところです。我が国としては,温室効果ガスの削減と気候変動の影響の最小化のため,バングラデシュと引き続き連携していきます。

(参考)バングラデシュ人民共和国基礎データ
 バングラデシュは,面積約14万7千平方キロメートル(日本の約4割),人口約1億5,940万人(2015年,バングラデシュ統計局)であり,人口1人当たりの国民総所得 (GNI)は1,080米ドル(2014年,世界銀行)。


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