報道発表
シリアに対する無償資金協力「危機の影響を受けたシリアのコミュニティにおける緊急の人道的必要性に対応するための電力安定供給計画(UNDP連携)」に関する書簡の交換
1 4月15日(現地時間同日),国連開発計画(UNDP)本部のあるニューヨークにおいて,吉川元偉国連代表部大使とシマ・バホスUNDP総裁補兼アラブ局長(Ms. Sima Bahous, Assistant Administrator and Regional Director, Regional Bureau for Arab States, UNDP)との間で,「危機の影響を受けたシリアのコミュニティにおける緊急の人道的必要性に対応するための電力安定供給計画(UNDP連携)」に対する13億円(約1,100万ドル)の無償資金協力に関する書簡の交換が行われました。
2 この計画は,シリア国内の2か所の発電所(バニアス火力発電所及びアルザラ火力発電所)において,老朽化した同火力発電所の調査を行い,最低限必要な部品の供与及び修理を実施することにより,安全かつ安定的な電力の継続提供を図り,もってシリアの人々の厳しい生活環境の改善に寄与するものです。
3 我が国は,シリア危機発生以降,総額約16億ドルのシリア・イラク及び周辺国への支援を行ってきました。これに加え,我が国としては,先般決定したシリア国内の包囲された地域等に対する緊急無償資金協力500万ドルの緊急人道支援及び本件支援の実施を通じて,シリアの人々の人道状況の改善に引き続き取り組んでいきます。
(参考)シリア・アラブ共和国基礎データ
シリアは,面積約18.5万平方キロメートル(日本の約半分),戦闘状態が長期間継続した結果,これまでの死者がシリア全土で25万人以上とも言われ,国内避難民は660万人以上,国外に流出した難民は約480万人に及ぶ。
シリアでは,長期化する戦闘状態による発電所を含むインフラへの被害は多大で,特に電力不足によって教育施設,医療施設,上下水道等の運用が困難になっている。市民生活は劣悪な状況に陥っており,人道上の問題が生じているほか,国内避難民の帰還も困難となる状況が続いている。