報道発表
バハマに対する無償資金協力に関する書簡の交換
1 本11日(現地時間10日),バハマの首都ナッソーにおいて,坂井学財務副大臣及びフィリプ・E・デイビス・バハマ副首相兼事業・都市開発大臣(The Honourable Philip E. Davis, Deputy Prime Minister & Minister of Works and Urban Development of the Commonwealth of The Bahamas)立ち会いの下,我が方中野正則駐バハマ大使(ジャマイカにて兼任)と先方フレデリック・ミッチェル外務・移民大臣(The Honourable Frederick A. Mitchell, MP, Minister of Foreign Affairs & Immigration of the Commonwealth of The Bahamas)との間で,我が国の防災機材を活用した供与額2億円の無償資金協力(経済社会開発計画)(The Economic and Social Development Programme)に関する書簡の交換が行われました。
2 カリブ海上の700余りの小島から成るバハマは,国民一人当たりの所得水準が高いものの,外部経済の動向や気候変動・自然災害の影響を受けやすいという小島嶼開発途上国特有の脆弱性を有しています。特に,頻発するハリケーンによる被害は深刻です。2015年10月には,同国をハリケーン「ホアキン」が通過し,5つの島を中心に,インフラ等に甚大な被害をもたらしました。
今回の協力は,ハリケーン「ホアキン」がもたらした被害からの復旧と自然災害による被害緩和に取り組むバハマに対する初の本格的な無償資金協力として,我が国で生産される防災分野の機材・製品等を供与するものです。これにより,同国の復興,災害対策及び経済社会開発を支援するとともに,それらの機材・製品等に対する認知度の向上を図り,継続的な需要を創出し,日本経済の活性化に貢献することが期待されます。
3 我が国は,2014年7月に開催された日・カリブ共同体(カリコム)首脳会合及び同年11月に開催された第4回日・カリコム外相会合において,我が国の対カリコム政策の柱の一つとして「小島嶼開発途上国特有の脆弱性克服を含む持続的発展に向けた協力」(PDF)を掲げ,一人当たりの所得水準とは異なる観点から支援が重要との認識の下,バハマを含むカリコム諸国に対して,防災・環境等の分野で必要な協力を実施していく方針を表明しました。今回の無償資金協力は,このような対カリコム諸国支援の一環として行われるものです。
また,今回の無償資金協力は,我が国の気候変動分野の途上国支援策(PDF)の一環として実施するものでもあります。我が国は,2015年11月に「美しい星への行動 2.0(ACE2.0)」(PDF)
を発表し,2020年に官民合わせて約1兆3千億円の気候変動対策支援を実施することを表明したところです。我が国としては,温室効果ガスの削減と気候変動の影響の最小化のため,バハマと引き続き気候変動分野で連携していきます。
(参考)バハマ国基礎データ
バハマは,カリブ海上の700余りの小島から成る,面積約13,880km2(福島県とほぼ同じ),人口約38万3,000人(2014年,世界銀行)の小島嶼開発途上国。人口1人当たりの国民総所得(GNI)は20,980米ドル(2014年,世界銀行)。