報道発表
マイケル・ロッジ国際海底機構副事務局長兼法律顧問による黄川田外務大臣政務官表敬


本18日,黄川田仁志外務大臣政務官は,外務省主催の「第2回海洋法に関する国際シンポジウム」に参加のため訪日したマイケル・ロッジ国際海底機構(International Seabed Authority:ISA)副事務局長兼法律顧問(Mr.Michael LODGE, Deputy to the Secretary-General of the ISA and Legal Counsel to the ISA)の表敬を受けたところ,概要は以下のとおりです。
1 冒頭,黄川田政務官から,ロッジ副事務局長兼法律顧問が長年に亘ってISAの運営に多大な貢献をしていることを高く評価する旨述べるとともに,「海における法の支配」を推進する観点からも,我が国として人的・財政的側面でISAの活動に引き続き積極的に関与し,深海底に関する法秩序の強化に貢献していきたい旨を述べました。
2 これに対し,ロッジ副事務局長兼法律顧問から,ISAの活動に対する日本の貢献に謝意が示され,深海底鉱物資源の国際的管理のためにISAが果たす役割が増していることから,日本の引き続きの協力に期待が示されました。
3 この他,ロッジ副事務局長兼法律顧問から,ISAにおける現状と課題についての説明があり,有意義な意見交換が行われました。
(参考1)第2回海洋法に関する国際シンポジウム
2月16~17日,外務省は,東京(三田共用会議所)において,海洋法に関する国際シンポジウム「海洋資源の国際法:知の拡充・環境の保全・利益の衡平」を開催した。昨年に続き2回目となる本シンポジウムでは,「深海底の鉱物資源」,「大陸棚(200海里以遠の大陸棚を含む。)の資源」及び「国家管轄権外区域の海洋生物多様性」という3つをサブテーマとして,「海における法の支配」に関する議論が活発に行われた。ロッジISA副事務局長兼法律顧問は,第一部「深海底の鉱物資源」において,深海底鉱業のための規制レジームの発展につき報告を行った。
(参考2)国際海底機構
ISAは,国連海洋法条約(UNCLOS)に基づき,同条約のすべての締約国を構成国として,1994年11月16日に設立された。事務局はジャマイカの首都キングストンに置かれている。ISAは,UNCLOSが「人類の共同の財産」と規定した深海底の鉱物資源の管理を主たる目的とし,UNCLOS及び同条約の実施協定の規定に従って,深海底における活動を組織・管理する。
(参考3)マイケル・ロッジISA副事務局長兼法律顧問(イギリス出身)
1995年,ロンドン大学海洋政策修士課程修了。1991~1995年まで太平洋漁業機関法律顧問を務めた後,1996年からISAにて法務部長,法律顧問を歴任。2011年から現職。
(参考4)我が国とISAとの関係
(1)我が国からは,株式会社深海資源開発(DORD)及び独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が,ISAの概要調査・探査規則に従い探査活動中。
(2)我が国は,深海底鉱物資源に携わる国として,ISAの設立以来,一貫して理事国に選出されている。また,理事会の機関である法律・技術委員会及び財政委員会でも一貫して我が国指名の委員が選出されている。
(3)我が国は,ISAの最大の分担金拠出国であり,2015年は約84万米ドルを拠出した。