報道発表
日・エチオピア外相会談


本18日,午前10時15分頃から約35分間,岸田文雄外務大臣は,国際会議「新たな開発目標の時代とユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)」及び世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバル・ファンド)第5次増資準備会合出席のため訪日中のテドロス・アダノム・エチオピア外務大臣(H.E.Dr.Tedros Adhanom, Minister of Foreign Affairs of the Federal Democratic Republic of Ethiopia)と会談を行いました。概要は以下のとおりです。
1 冒頭
(1)岸田大臣から,会議参加のための訪日への謝意と本年10月に発足したエチオピアの新内閣での外務大臣再任に祝意を表明しました。また,エチオピアで干ばつにより深刻な被害が生じていることへのお見舞いと支援の意向を述べるとともに,来年,初のアフリカ開催が予定されているTICADを見据え,両国関係を一層進展させていきたい旨述べました。
(2)テドロス大臣からは,グローバル・ファンドの生みの親である日本の貢献に感謝するとともに,来年のG7サミットの議長国として,UHCの推進に向けた日本の取組への期待が述べられました。
2 第6回アフリカ開発会議(TICADVI)
(1)岸田大臣から,TICADVIを,アフリカ側から要望が高い人材育成や質の高いインフラ投資を強化し,アフリカが進めるアジェンダ2063を後押しするための会議としたい旨述べました。
(2)テドロス大臣からは,TICADVIを楽しみにしており,その成功に向けて協力していきたい旨述べました。
3 二国間関係
(1)岸田大臣から,本18日にアディスアベバへの日本貿易振興機構(JETRO:ジェトロ)事務所の設置合意に係る署名式が実施されることを歓迎し,投資環境の整備への協力を求めました。また,エチオピアの工業化への経済構造転換のため協力していきたい旨述べました。
(2)テドロス大臣からは,日本企業のエチオピアへの投資に関する関心の高さを認識している,ジェトロ事務所開設への署名は歴史的であり,日本の民間セクターのエチオピア進出,両国間の貿易投資の後押しになることを期待する旨述べました。
【参考1】新たな開発目標の時代とユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)国際会議
明年のG7サミットに向けて,国際保健システムを強化し,エボラ出血熱のような公衆衛生危機に対応できる強靭で持続可能な保健システムを構築するために,ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)が果たす役割を議論する会議で,12月16日に東京で開催された。UHCを目標の一つとする「持続可能な開発目標(SDGs)」採択(2015年9月)後,初めての国際会議。公益財団法人日本国際交流センター,外務省,財務省,厚生労働省,独立行政法人国際協力機構(JICA)主催。
【参考2】アジェンダ2063
アフリカ連合(AU)の前身であるOAU(アフリカ統一機構:1963年設立)設立50年に際し策定が決定された,今後50年を見据えたアフリカの統合と開発に関する大綱。2015年1月のAU総会で採択された。貧困削減,教育改革,イノベーションの推進,経済改革,農業の近代化等幅広い分野における取組が規定されている。