報道発表
宇宙に関する包括的日米対話第3回会合の開催(結果)
1 本11日,東京において,宇宙に関する包括的日米対話第3回会合が開催されました。この会合には日本側から中山泰秀外務副大臣や内閣府を始めとする各省庁の関係者が,米国側からキャロライン・ケネディ駐日米国大使(H.E. Ms. Caroline Kennedy, Ambassador to Japan)や大統領府を始めとする各省庁の関係者がそれぞれ出席しました。
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(1)この対話の冒頭,中山副大臣より,まず台風18号の影響に伴う大雨による被災者にお見舞いを申し上げ,救助活動にあたっている関係機関への敬意を表するとともに,宇宙分野の技術は防災にも資するものであることから,本日の議論が人の命を救う議論になることを希求することが述べられました。続いて,(ア)日本と米国との宇宙協力は両国にとって不可欠なものとなっていること,(イ)今回の会合では,新しい時代の日米宇宙協力にふさわしい衛星測位や地球観測,国際宇宙ステーション等について活発な議論がなされることを期待するとともに,衛星破壊実験や宇宙ごみの増大といった状況を踏まえ,国際的なルール作りについても,議論を深めていく必要があること,(ウ)本会合を通じて日米の協力関係が深化することを祈念する,との挨拶がありました。
(2)また,ケネディ大使より,台風18号による被災者及び関係者に心を寄せていることが述べられたのち,(ア)日米両国は50年以上にわたって宇宙における揺るぎないパートナーであり,その協力は,新たな課題に立ち向かうために全く新しい分野にも拡大していること,(イ)地球観測,有人探査,宇宙状況把握(SSA)及び海洋状況把握(MDA)等の様々な分野において日米が共同で取組みを行っていること,(ウ)本日の対話により,これらの分野で進展が見られることに期待する,との挨拶がありました。
3 今回の対話では,民生分野及び安全保障分野の両面における幅広いテーマについて,包括的に宇宙協力に関する意見交換を行い,その成果として共同声明(仮訳(PDF)/英文(PDF))が発出されました。
共同声明のポイントは以下のとおりです。
- 本会合は世界で最も進んだ宇宙利用国である日米両国が現在及び未来の世代のために宇宙空間の持続的かつ安定的な利用を確保するために国際社会と緊密に連携して貢献していく強固な意志を示すものであること
- 宇宙空間の安全保障に関する協力について議論し,重要な宇宙システムの抗たん性に資する強靱な宇宙産業,科学技術の発展を維持するための強化された協力を確認すること
- 双方向の宇宙状況監視(SSA)情報の共有が着実に進展していることを歓迎
- 海洋状況把握(MDA)のための宇宙の利用に関して協力の機会を追求することを確認
- 米国GPS及び日本の準天頂衛星システム(QZSS)の連携,並びに地球観測及び宇宙科学に関する更なる協力について確認
- 国際宇宙ステーション(ISS)の戦略的・外交的重要性,並びに地上における科学的・社会経済的利益のため,そして未来の宇宙探査活動への一里塚としてのISSの継続的で協力的な運用の重要性を認識
- 第2回国際宇宙探査フォーラム(ISEF)の準備が進捗していることを確認
- 「宇宙活動に関する国際行動規範」(ICOC)交渉に関連する事項について次のステップを模索することの重要性に合意
- 第4回会合を2016年にワシントンDCにおいて開催