報道発表

セントクリストファー・ネーヴィスに対する無償資金協力「水産関連機材整備計画」に関する書簡の交換

平成27年6月15日

1 6月12日(現地時間同日),アンティグア・バーブーダのボランズで開催された東カリブ漁業大臣会合の冒頭,宇都隆史外務大臣政務官立ち会いの下,我が方手塚義雅駐セントクリストファー・ネーヴィス大使(トリニダード・トバゴにて兼轄)と先方ユージーン・ハミルトン農業・保健・国民健康保険・人間居住・コミュニティ開発・ジェンダー・社会サービス・国土・協同組合大臣(The Hon. Eugene Hamilton, Minister of Agriculture, Health, National Health Insurance, Human Settlements, Community Development, Gender Affairs, Social Services, Land and Cooperatives)との間で,1億8,400万円の水産無償資金協力「水産関連機材整備計画」(the Project for Improvement of Fishery Equipment and Machinery in Saint Christopher and Nevis)に関する書簡の交換が行われました。

2 セントクリストファー・ネーヴィスは,2005年,欧州連合の提言に基づき,それまで同国経済が大きく依存してきた砂糖産業を完全閉鎖しました。これを受け,同国は,将来の経済的独立を確立するために策定した適応戦略の中で,砂糖産業に代わり今後開発を進めていく分野の1つとして水産業を位置付け,主要漁業拠点における施設整備等を進めていくことを掲げています。水産資源の持続的利用のためには,資源管理型漁業の導入に加え,漁獲した水産物を最大限流通させることが重要ですが,同国の水産流通関連施設では冷却設備等の機材の老朽化が進み,鮮度劣化等による流通上の損失が生じています。

3 今回の協力は,セントクリストファー・ネーヴィス国内2か所の水産センター(バセテール及びオールドロード)において,過去に我が国が供与した水産関連機材の一部及びそれに附帯する設備の更新を行うことで,水産関連施設の機能を回復させ,流通上の損失を低減するとともに,資源管理型漁業の導入のため,漁場としての浮漁礁を設置し,多目的船を供与するものです。この協力により,水揚量の増加,水産物流の円滑化及び漁業管理の強化を図り,同国の水産業の持続的発展に寄与することが期待されます。また,エネルギー効率の良い機材及び冷媒を導入することにより,省エネを通じた温室効果ガス排出削減への貢献も期待されます。

4 我が国は,2014年7月に開催された日・カリコム首脳会合及び同年11月に開催された第4回日・カリコム外相会合において,我が国の対カリコム政策の第一の柱として「小島嶼開発途上国特有の脆弱性克服を含む持続的発展に向けた協力」(PDF)別ウィンドウで開くを掲げ,我が国の技術や知見を活かし,防災,環境・気候変動,エネルギー,廃棄物処理,水産等の分野においてカリコム諸国への支援を継続していくことなどを表明しています。今回の協力は,このような対カリコム諸国支援の一環として行われるものです。

5 なお,この案件は,我が国の気候変動分野における途上国支援策の一環(PDF)別ウィンドウで開くとして実施するものです。我が国としては,全ての国による公平かつ実効性のある国際枠組みの構築に向け,セントクリストファー・ネーヴィスと引き続き気候変動分野で連携していきます。

(参考)セントクリストファー・ネーヴィス基礎データ
 セントクリストファー・ネーヴィスは,カリブ海東部の小アンティル諸島に位置する,面積約262km2(西表島とほぼ同じ),人口約5.4万人(2013年,世界銀行)の小島嶼国。人口1人当たりの国民総所得(GNI)は13,460米ドル(2013年,世界銀行)。


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