報道発表
原子力エネルギーに関する日仏委員会第4回会合の開催(結果概要)
1 9月1日,パリにおいて,原子力エネルギーに関する日仏委員会第4回会合が開催されました。この委員会は,2011年10月の東京での日仏首脳会談における両国首脳の主導により設置されたものです。両国の原子力協力については,昨年6月のフランソワ・オランド仏大統領の訪日及び本年5月の安倍晋三内閣総理大臣の訪仏の際にも支持が表明されています。
2 この会合では,引原毅外務省軍縮不拡散・科学部長及びベルナール・ビゴ仏原子力・代替エネルギー庁長官の共同議長の下,日仏間の協力を更に強化するため,高速炉,東京電力福島第一原子力発電所事故に関連した廃炉,除染及び環境調査並びに高い安全性を有する原子炉に関する産業協力の各分野における進捗について検討しました。また,両国の原子力エネルギー及び核燃料サイクルに係る政策や原子力安全規制に係る二国間の協力についても情報交換を行いました。
3 双方は,本年5月5日に署名された第四世代のナトリウム冷却高速炉の協力に係る取決めを作成するために日仏両国の関係者が払った努力を評価しました。この取決めに基づいて,ASTRIDの研究及び設計の協力を進める意図を共有しました。日本側は,もんじゅ及び常陽の再開に向けた計画について報告し,仏側は,可能になった段階でこれらの施設を使用するとの見通しが得られたことを歓迎しました。
4 福島第一原発の廃炉に向けた前例のない取組について,日本側は,国際的な専門的知見を活用することへの期待を表明しました。仏側は,廃炉・汚染水対策の進展に高い関心を表明するとともに,これに関連して日本側を支援する意向を示しました。双方は,調査研究,合弁会社の設立,諮問機関へのフランス人専門家の任命等の協力を通じてこれまでに達成された前向きな進展を歓迎するとともに,こうした協力は更に拡大・深化させることができるとの認識を示しました。日本側からは,「廃炉国際共同研究センター」計画を紹介しました。
5 双方は,責任ある,持続可能な核燃料サイクルの重要性について認識を共有し,この分野における協力を強化していくこととしました。仏側の経験は,日本側にとって,特に六ヶ所村の再処理施設の始動の際には,直ちに利用可能となるものです。廃棄物の最終処分に関して日本及びフランスそれぞれにおいて現在進展している状況もまた,更なる協力強化の機会をもたらすものです。
6 双方は,トルコ(シノップ原子力発電所プロジェクト)やその他の国に対して高い安全性を有するATMEA原子炉を提供する双方の企業による共同事業を支援するため,緊密な協力関係を維持していくこととしました。また,双方は,この共同開発の原子炉に関心を有する国における能力構築及び制度的な支援を進めるための協調を強化していくこととしました。
7 これまでの会合における議論を踏まえ,仏側は,原子力損害賠償に関する国際条約を締結するとの日本側の意思を歓迎しました。
8 次回の会合は,2015年に日本で開催される予定です。