報道発表
国際刑事裁判所(ICC)被害者信託基金(TFV)に対する我が国の拠出
平成26年5月7日
- 今般,日本政府は,国際刑事裁判所(ICC)の被害者信託基金(TFV)に対して,約60万ユーロの拠出を初めて行うこととなりました。
- 6日,北大西洋理事会に出席した安倍晋三内閣総理大臣が演説にて言及したとおり,我が国は戦争犯罪などの重大な犯罪を行った個人を国際法に基づいて訴追・処罰するICCの役割を重視しており,今般の拠出を通じて,紛争下の女性の保護を始めとした被害者支援をICCと連携して行う考えです。
- なお,今般拠出する60万ユーロのうち,40万ユーロは性的暴力の被害者保護対策に充てられます。
(参考1)国際刑事裁判所(ICC)
国際社会全体の関心事である最も重大な犯罪(集団殺害犯罪,人道に対する犯罪,戦争犯罪,侵略犯罪)を犯した個人を,国際法に基づき訴追・処罰するための,史上初の常設の国際刑事法廷。設立条約たるICCローマ規程は,1998年7月に採択され,2002年7月1日に発効。我が国は,2007年7月17日に加入書を寄託し,同年10月1日に105番目の加盟国となった。2014年5月現在の締約国数は122。裁判所はオランダのハーグに所在。
(参考2)ICC被害者信託基金(TFV)
ICCの被害者信託基金(TFV)は,ICCローマ規程に基づき,ICC第1回締約国会議において設立された。TFVは,ICCの管轄権の範囲内にある犯罪の被害者及びその家族のために,(1)裁判所の有罪判決に基づき被害者賠償を行うこと,及び(2)ICCが管轄権を行使している事態において,被害者及びその家族に物理的リハビリテーション,物資供与及び精神的リハビリテーション等を供与することを任務とし,その資金は,国家,団体,個人等からの任意拠出金等によって賄われる。
TFV理事会は,個人資格で行動する5名の理事(5地域グループから各1名。任期3年。1回のみ再選可。)で構成され,現在の理事長は我が国から選出された野口元郎理事長(最高検察庁検事)が務める。