安倍総理大臣
安倍総理大臣のラスムセン事務総長との会談及び北大西洋理事会出席(概要)



なお、安倍総理は2007年1月に日本国総理として初めてNATO本部を訪問しており、今回が日本国総理として2回目のNATO本部訪問となります。
1.ラスムセンNATO事務総長との会談
(1)日・NATO関係
冒頭、ラスムセン事務総長より、1年ぶりの再会と安倍総理のNATO本部訪問を歓迎し、日本とNATOの関係強化が進んでいることを歓迎するとの発言がありました。
これに対し、安倍総理からは、地球儀を俯瞰する日本は、NATOの「必然のパートナー」であり、「積極的平和主義」の実践の観点からもNATOとの協力を重視している、IPCPに基づき、具体的行動に裏付けられた信頼できるパートナーとして、日NATO協力を具体的に進めていきたい旨述べました。
さらに、安倍総理から、アデン湾で海賊対処に取り組む自衛隊部隊とNATOオーシャンシールド作戦部隊との共同訓練の実施及び女性分野での連携を強化するため日本からNATO本部への女性職員の派遣を提案したところ、ラスムセン事務総長は、本提案を歓迎するとともに、日本とのパートナーシップをさらに強化していきたい旨述べました。
(2)共通の関心地域の情勢
ラスムセン事務総長は、ウクライナ情勢が欧州の安全保障に中・長期的に及ぼす影響、NATOが現在行っているウクライナ支援、2014年以降のNATOによるアフガニスタン支援について述べたのに対し、安倍総理より、ウクライナ情勢は、東アジアの安全保障にも影響を与えるグローバルな課題であり、国際秩序や法の支配が尊重されるべき、力を背景とした現状変更は許されない、日本としてNATOやG7各国とも連携していく旨述べました。
また、安倍総理から、ロシアが責任あるプレイヤーとして役割を果たすよう促していくことが重要であり、NATOとも協力していく旨述べました。
2.北大西洋理事会(NAC)
本理事会には、首脳会談の出席者に加え、NATO側より、バーテルズ軍事委員長、加盟28か国常駐代表及び同軍事代表が出席しました。
(1)安倍総理による演説(和文(PDF)
/英文仮訳(PDF)
)
安倍総理は、約20分間演説を行い、過去の7年を振り返りながら、日本の新たな安全保障政策とNATOの「包括的アプローチ」の親和性が高く、NATOは「積極的平和主義」を実践する最適なパートナーであること、そして地球儀を俯瞰する日本にとって、NATOは具体的行動に裏付けられた「信頼できる必然のパートナー」であり、IPCPに基づき具体的協力を進めていきたい旨述べました。
ラスムセン事務総長をはじめとする出席者は終始熱心に演説に聴き入っていました。
(2)NATO加盟国常駐代表との意見交換
安倍総理の演説に続いて、約30分間、安倍総理とNATO加盟国常駐代表との意見交換が行われました。各国常駐代表より、安倍総理の2回目のNATO本部訪問を歓迎し、演説の内容を高く評価する旨の発言が相次ぎました。また、多くの常駐代表より日本の積極的平和主義の下での取組への評価、アフガニスタンにおける協力への謝意と期待、海賊対処を含む海洋安全保障における協力の継続・拡大への期待、IPCPに基づく日NATO関係の拡大への期待が表明されました。最後にラスムセン事務総長より、北大西洋理事会で2回目の演説を行うことは、安倍総理ご自身の日NATO関係強化に対するコミットメントの現れである旨述べて北大西洋理事会を終了しました。