外務大臣談話

令和8年7月12日
  1. 本日、南シナ海に関する比中仲裁判断の発出から10年を迎えました。国連海洋法条約(UNCLOS)の規定に基づき、仲裁判断は最終的なものであり、紛争当事国であるフィリピンと中国を法的に拘束するものです。したがって、両国は仲裁判断に従う必要があります。
  2. 日本は、仲裁判断で明確に示されているとおり、南シナ海における中国の拡張的な海洋権益に関する主張には法的根拠がないことを再確認します。また、仲裁判断を受け入れないという中国の主張は、UNCLOSに反映されている国際法に従った紛争の平和的解決の原則に反し、国際社会における法の支配を損なうものです。
  3. 日本は、一貫して比中仲裁判断に従い、南シナ海における紛争の平和的解決にコミットメントを示しているフィリピン政府の立場を高く評価しています。
  4. 一方で、南シナ海においては、この10年にわたり、地域の平和と安定を脅かす力又は威圧による一方的な現状変更の試みが継続・強化されています。日本は、こうした試みに強く反対するとともに、航行・上空飛行の自由を脅かす危険な行動や、係争地形の軍事化及び「自然保護区」の一方的な設定といった地域の緊張を高める行為に改めて深刻な懸念を表明します。
  5. 日本は、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化が全ての国の利益になるという強い信念に基づき、政府開発援助(ODA)や政府安全保障能力強化支援(OSA)等を通じた海洋協力を拡充し、関係国の防衛当局及び海上保安機関との連携を強化してきました。南シナ海をめぐる問題は、地域の平和と安定に直結する国際社会全体の正当な関心事項であり、日本は、南シナ海を利用する正当なステークホルダーとして、引き続きASEAN諸国や米国を始めとする国際社会と連携しながら、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化していきます。

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