外務大臣談話
グロッシー在ウィーン・アルゼンチン大使の
国際原子力機関(IAEA)事務局長選出について
(外務大臣談話)
1 10月29日(現地時間)のIAEA理事会(於:ウィーン)において次期IAEA事務局長選挙の投票が行われ,グロッシー在ウィーン・アルゼンチン大使(H.E. Rafael Mariano Grossi, Ambassador, Permanent Representative of Argentina to the International Organizations in Vienna)がIAEA事務局長選出に必要な支持を獲得したことに,日本政府として祝意を表します。
2 グロッシー大使がIAEA総会で承認された後,新事務局長として,北朝鮮やイランの核問題への対応や,「平和と開発のための原子力」の利用の下での開発途上国の生活水準の改善に向けた取組など,IAEAが直面する様々な課題に対応し,その責務を十分に果たされることを期待します。
3 我が国としても,グロッシー新事務局長の取組を最大限支援しつつ,他の加盟国と協力してIAEAの役割の強化に引き続き取り組んでいく考えです。
4 また,この機会に,フェルータ事務局長代行が,突然の天野事務局長逝去という困難な時期において,顕著なリーダーシップを発揮し,卓越した手腕でIAEAを円滑に運営されてきたことにも深い敬意と謝意を表します。
【参考】
(1)IAEAは,原子力の平和的利用の推進及び原子力の核兵器への転用防止のための保障措置の実施を任務として1957年7月に設立された国際機関。加盟国は171か国。
(2)天野前IAEA事務局長の逝去(本年7月)に伴い,10月中の次期事務局長選出を目指し,選挙が行われ,10月29日,グロッシー大使が24票を得票し当選(理事国35か国の有効投票の3分の2の票(24票以上)を得る必要がある)。事務局長の任期は4年。
【参考】グロッシー在ウィーン・アルゼンチン代表部大使(略歴)
1985年 | アルゼンチン外務省入省 | |
2002年 | から2007年 | 化学兵器禁止機関(OPCW)官房長 |
2010年から | 2013年 | IAEA官房長 |
2013年から | 在ウィーン代表部アルゼンチン大使 | |
2014年から | 2015年 | 原子力供給グループ(NSG)議長 |
OPCW技術事務局において官房長を務める等(2002年から2007年),軍縮・不拡散分野の国際機関での経験が豊富なアルゼンチンの外交官。2020年核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議の議長に立候補(内定)。