外務大臣談話

平成29年11月1日
  1. 本1日(現地時間10月31日)、ニューヨークにおいて我が国がコロンビア及び南アフリカとともに主導し、国連総会第一委員会に提出した小型武器非合法取引決議案がコンセンサスにより、また、我が国が次回締約国会議の議長国として提出した武器貿易条約決議案が圧倒的賛成多数により、それぞれ採択されました。
  2. 小型武器非合法取引決議案は、小型武器のテロリスト等への移転を含む非合法な取引を根絶するために、各国が国連小型武器行動計画(POA)に基づいて国内的な規制に一層取り組むべく、第3回履行検討会議を来年6月にニューヨークにおいて開催することを決定すると共に、 POAの履行が持続可能な開発目標達成のために重要であることを強調するものです。
  3. 武器貿易条約(ATT)決議案は、本年9月に開催されたATT第3回締約国会議の決定を歓迎し、第4回締約国会議が来年8月に日本において開催される予定であることに留意するとともに、条約の実効的な履行と国内措置の実施状況に関する報告の奨励、条約の非締約国に対する早期の条約締結等を呼びかけるものです。
  4. 今後、これらの決議案は、12月初旬に国連総会本会議において採決にかけられる予定です。これらの決議案の内容が密接に関連していることを考慮しつつ、我が国は、国際社会の平和と安全に資する通常兵器分野での軍縮の国際的取組に引き続き主導的かつ建設的な役割を果たしていく考えです。また、我が国として、ATT第4回締約国会議を来年8月に日本で開催するための準備を進めていく考えです。
(参考1)国連小型武器行動計画(Programme of Action (POA)

 小型武器の無秩序な取引や拡散の規制に関して講ずべき国内、地域、国際の各レベルの具体的措置として以下を列挙。2001年7月の国連小型武器会議において、政治文書として採択。

  • 小型武器非合法取引を規制するための法制度整備
  • 法執行機関等による情報共有
  • トレーシングのための措置
  • 小型武器の回収・破壊等を含む武装解除・動員解除・社会復帰(DDR)の実施
  • 被害国における法執行等の分野における能力構築のための国際協力
(参考2)武器貿易条約(Arms Trade Treaty (ATT)

 2001年7月に小型武器行動計画が採択された後、通常兵器の国際貿易を規制する法的枠組に関する市民社会の声に応じて国連での議論が開始され、2013年4月、国連総会において採択(2014年12月に発効)。2017年10月末現在、締約国数は92。
 締約国は、通常兵器を輸入する際は流用の防止措置を講じる義務を負い、通常兵器を輸出する際は、安保理決議等に違反する場合又は国際人道法若しくは国際人権法の重大な違反等に使用される著しい危険性がある場合に移転を不許可とする義務を負う。
 我が国は、条約の策定を目指した関連国連決議に主導的に関与し、条約の策定後は2014年5月9日にアジア大洋州地域における最初の締約国となった。2017年9月に開催された第3回締約国会議において、髙見澤將林(たかみざわ のぶしげ)軍縮代表部大使が、第4回締約国会議議長に選出された。任期は、2018年8月の第4回締約国会議終了までの約1年間。


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