国連外交

平成26年9月20日

 9月19日(金曜日)午後14時過ぎから約4時間,国連本部(於:NY)にて,イラク情勢に関するハイレベル安保理会合が開催され,我が国からは薗浦外務大臣政務官が代表としたところ,概要以下のとおり。
 なお,同会合には,安保理常任・非常任理事国に加え,ドイツ,イタリア,カナダ,サウジアラビア,トルコ,エジプト,イラン,シリアを含む計40か国及び1国際機関が参加しました。また,薗浦政務官はスピーチにおいて,ISIL対策として新規に2,550万ドルの人道支援を行うことを決定した旨表明しました。

1 概要

(1)本ハイレベル安保理会合は,現下の緊迫するイラク情勢を踏まえ,ケリー米国務長官の呼びかけによって開催され,同国務長官が議長を務めました。

(2)会議冒頭,ムラデノフ国連事務総長イラク特別代表からイラク情勢の現状に関する説明が行われた後,ジャアファリー・イラク外相及びケリー米国務長官がスピーチを行いました。

(3)ケリー米国務長官からは,ISIL対策にはグローバルな対応(global campaign)が必要であり,軍事的貢献のみならず,人道支援が重要との発言があるとともに,その文脈において,日本を含む域外国からの支援に感謝するとの明示的な言及がありました。

(4)その後,日本を含む出席各国によるスピーチが行われました。また,同会合において,イラク情勢に関する安保理議長声明が採択されました。

(5)薗浦政務官は,会議のマージンで以下の各国外相等と立ち話を行った他,同日,潘基文国連事務総長や邦人国連職員とも意見交換を行いました。

  • ケリー米国務長官
  • ジャアファリー・イラク外相
  • ファビウス仏外相
  • シュタインマイヤー独外相
  • ビショップ豪外相
  • シュクリ・エジプト外相
  • アッティーヤ・カタール外相
  • アブダッラー・アラブ首長国連邦外相
  • エルウッド英外務政務次官

2 薗浦外務大臣政務官によるスピーチ骨子(日本語(PDF)PDF

 ISILの存在は,国際秩序を揺るがす深刻な脅威です。 イラクにおける,包括的な新政府発足を歓迎します。新政府による国民和解と国家的統一に向けた取組が進展することを期待します。今後も日本は,イラクにおける新政府を支えていきます。
 ISILの脅威に対抗するため,日本は,軍事的な貢献はできませんが,人道支援やテロ対策に積極的に取り組んでいきます。今般,日本は,新規に約2550万ドルの支援を行うことを決定しました。
 日本は,過激主義が定着することを阻止するため,イラクや周辺国がガバナンスを効果的に行えるよう,今後も積極的に貢献していきます。

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