外交講座

令和8年2月10日

 2025年12月22日(月曜日)、香川大学において外交講座が開催されました。

中村地球規模課題審議官がホワイトボードに書きながら解説する様子
教室内のモニタに映し出された資料を見ながら外交講座を受けている学生の様子

テーマ及び講演内容

 中村地球規模課題審議官が、「地球規模課題とグローバル・ガバナンス」をテーマに、具体的な事案の紹介を交えながら解説しました。

参加学生の感想

  • 今回の外交講座を通して、国際交渉が科学的知見や各国の利害関係を踏まえて進められていることへの理解が深まった。中でも、ウナギをめぐるCITES(注)での議論が印象的だった。資源保護の必要性と、食文化や産業への影響との間で各国の立場が分かれる点に、外交の難しさを感じた。身近な食材であるウナギが国際外交の議題となっていることに関心を持ち、今後の動向も注視したいと思った。
  • グローバルサウスやCOPなど馴染みのある単語の解説の一方で、AZECという機関について新たに知ることができた。急激な制限を行うのではなく、様々な方法をとって解決していこうとする日本の姿勢は賛同できるものであると感じた。地球規模の問題を解決するためには世界中の国々との協力が必要となってくるが、各国がそれぞれ異なる思惑を抱いているため、完全な協力が難しいと感じた。
  • 「グローバル・ガバナンスの危機」について興味を持った。冷戦後の国際情勢が揺らぎ、主要先進国の停滞とグローバルサウスの台頭が相反していることや、米国の開発政策の転換や中国の影響力の拡大がグローバル・ガバナンスに影響を与えているという視点は非常に重要であると感じた。また、日本でも、人口減少と少子高齢化、経済の成長停滞等により、相対的な国力が急速に減少していくという指摘は、自分自身にとって身近な問題であり、逼迫感を感じた。
  • 最近、ニホンウナギの国際的な取引規制強化に関する提案が否決されたというニュースを目にしていたため、その交渉に実際に関わった方から直接話を聞くことができたのは、とても貴重な経験だった。日本の国力が低下していると言われる中でも、各国の利益と日本の利益が重なる点を丁寧に示し、重要人物と粘り強く交渉することで否決に至ったという話は、外交の現場での臨場感を強く感じさせるものだった。外交では、事前の入念な準備が重要であることはもちろんだが、その場の状況を見極めながら、自国の利益にかなうよう柔軟に対応する力も必要なのだと学んだ。
  • 講師が入省後に外交の現場がどのように変化してきたのかという話が興味深かった。1990年代の入省当時は、冷戦終結直後で、世界は協調へ向かうという期待があったものの、現実には国際情勢はより複雑になっていったという指摘には説得力があった。それでも、人類は確実に進歩しており、各国と協力していく姿勢が重要であるという言葉からは、日本外交の基本的な考え方が感じられた。日本が国際社会から一定の信頼を得ている背景には、日本の国としての姿勢や、日本人の誠実さが評価されていることがあるのだと理解した。
  • 会議や交渉では、思い立ったら即時に発言をしないと、交渉が有利に進まなかったり話がどんどん進んでいってしまったりすると聞き、話したいことを整理し説得力ある発言をできることも大事だが、発言のタイミングを伺うスキルも必要だとわかった。

(注)CITES(Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora):絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約。通称「ワシントン条約」。

外交講座へ戻る