岸田外務大臣
岸田外務大臣とヘーゲル米国防長官の会談


米国時間7日(金曜日)午後5時25分から約30分間,米国訪問中の岸田外務大臣は米国防省において,ヘーゲル米国防長官と会談したところ,概要以下のとおり(米側:リパート首席補佐官,マグサメン筆頭国防次官補代理,ヘルビー国防次官補代理,ズムワルト国務次官補代理他,日本側:佐々江駐米大使,伊原アジア大洋州局長,冨田北米局長他同席)。
1 日米安保協力
岸田大臣から,我が国が推進する積極的平和主義の下での取組等について説明したのに対し,ヘーゲル長官は,米国としても防衛大綱等の日本の防衛政策を評価・支持している旨述べた。また,両大臣は,本年末までのガイドライン見直し作業を進め,強固な日米同盟を内外に示すことで一致した。
在日米軍再編に関し,両大臣は,昨年末,普天間飛行場移設に関して大きな進展がみられたことを歓迎した。岸田大臣から,米国における在沖縄海兵隊のグアム移転関連予算に関する進展を歓迎した。また,岸田大臣から,仲井眞沖縄県知事からの要望について説明するとともに,沖縄の負担軽減に向け,引き続き米側の協力を要請した。これに対しヘーゲル長官から,負担軽減に関する日本政府の努力を引き続き支持・協力していく旨述べた。
岸田大臣から,2月11日に日米地位協定の環境補足協定の交渉を開始することを歓迎する旨述べ,両大臣は協定の早期妥結に向けて日米で協力していくことで一致した。
2 アジア太平洋地域情勢
岸田大臣から,米国が従来から中国による「東シナ海防空識別区(ADIZ)」の設定を決して受け入れないこと,米軍の運用の態様を変えないこと,日米安保条約第5条が尖閣諸島に適用されるとのコミットメントを明確に表明していることを評価し,同様の措置の南シナ海への拡大の可能性を含め,一方的な現状変更の試みには反対する旨述べた。岸田大臣から,地域における力による現状変更の試みには冷静かつ毅然と対応する旨述べるとともに,強固な日米同盟と米国のアジアへのコミットメントが引き続き不可欠である旨指摘し,日米,日米韓等が日頃から連携していくことが重要である旨述べた。ヘーゲル長官から,北朝鮮や東シナ海を含む地域の諸課題に取り組む上でも,日米韓の結束が重要である旨述べた。
また,岸田大臣は,東南アジア諸国との関係を強化するとともに,民主主義や平和主義といった共通点を持つ豪州やインドとの三カ国協力も重要である旨述べた。