カナダ

平成28年4月9日
日加外相会談

 本9日午後8時40分から約85分間,岸田外務大臣は,G7外相会合出席のため広島を訪問中のディオン・カナダ外務大臣と日加外相会談(ワーキング・ディナー)を行ったところ,概要は以下のとおりです。

1 岸田大臣から,地元広島にお迎えでき光栄である,明日からのG7外相会合では,軍縮・不拡散,テロ対策等のグローバルな課題や地域情勢について胸襟を開いて議論したい旨,広島宣言は,核兵器のない世界に向け,現実的かつ実践的な取組を通じた核兵器国と非核兵器国の協力のあり方を世界に示すものであり,G7として被爆地広島から力強いメッセージを発出できることは感慨深い旨述べました。

2 ディオン大臣から,今回3回目の外相会談となる,岸田大臣の地元広島で温かく迎えていただき感謝,緊密な日加関係を今後更に強化していきたい,トルドー首相は5月の伊勢志摩サミットで訪日することを大変楽しみにしており、サミットの成功に向けても広島外相会合でしっかりとした成果を出したい旨述べました。

3 岸田大臣から,ディオン大臣の外交政策の指針「責任ある信念」(注)と日本の国際協調主義に基づく積極的平和主義により,地域と世界の平和と繁栄に共に一層貢献したい,安全保障分野での協力を含め,二国間関係を更に強化していきたい旨述べました。これに対してディオン大臣から,岸田大臣の発言全てに同意する旨述べました。両大臣は,次回の日加次官級2+2を4月19日に東京で開催することを確認するとともに,安保協力を日加協力の重要な柱の一つとして進めていくことで一致しました。

(注)3月29日,ディオン大臣は「世界におけるカナダの指針:責任ある信念」と題する演説を行い,カナダ外交は価値観と信念には責任も含まれることを意味する「責任ある信念」を指針とし,カナダは公正で決意を持った平和の構築者となるべきである旨述べた。

4 また,両大臣は,経済対話の強化に向けた取組及び民間交流の活発化を通じた経済関係の更なる強化で一致しました。特に岸田大臣からは,我が国へのカナダ産LNG輸出の早期実現に向けた環境整備,日系企業関係者の査証問題を含むビジネス環境改善で更なる取組を求めたのに対し,ディオン大臣から,前向きな結果が得られるよう引き続き努力したい旨の発言がありました。

5 TPPについて,岸田大臣から,その戦略的意義について議論していきたい,自由貿易を支持する国同士,国民の理解を深め早期発効に向け共に努力していきたい旨述べ,両大臣は,今後両国で国内の議論を進めていくことを確認しました。

6 さらに,両大臣は、アジア太平洋を含む地域情勢についてやり取りし,北朝鮮の核・ミサイル開発は地域と国際社会の平和と安全への重大な脅威であり,安保理決議の厳格な履行確保のため協力すること,また,一方的な現状変更の試みは国際社会の懸念であることなどにつき,両国の認識が一致していることを確認しました。


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