アメリカ合衆国
(United States of America)
米国にある学校を見てみよう!
ニューヨーク編
ニューヨークの学校はどんなところ?
ニューヨークというと、アメリカの経済・文化の中心地で、そびえ立つ摩天楼を想像されるかと思いますが、今回はニューヨーク市の郊外にある高校を紹介します。
ベルビル高校は、ニューヨークの中心マンハッタンから約20kmのニュージャージー州エセックス郡ベルビル町にある公立高校で、9年生から12年生まで約1,500人の生徒が学び、約100名の教師が教鞭をとっています。1クラスは進学状況によっても異なりますが、10~30名の人数編成です。生徒の人種構成は、この地域の特性を反映して実に多様です。
ベルビル高校
授業は1日1時限44分単位の5時限です。月曜日から金曜日の午前7時50分から午後2時30分まで授業があり、年間183日の通学日数で、夏休み期間は8週間となっています。

ベルビル高校校舎外観
科目は数学、国語(英語)、科学、外国語、芸術、金融知識、社会、保健体育、車輌運転教育が必修科目で、選択科目は(テレビ)番組制作、化粧品学、コーラス、バンド、料理法、裁縫、ダンス、コンピュータ・アニメ・デザイン、コンピュータ修理、印刷デザインとユニークで実用的なものが多くあります。

寸劇準備のためのグループ討論
またベルビル高校では、生徒の制服着用を奨励しています。これは生徒同士のファッションでの過剰な競争防止や、学校内での連帯感を感じることで風紀問題の減少に繋げることを目的としています。
通学する生徒の家庭状況・所得水準を反映して、生徒の50%以上が昼食代の無料または減額の援助を受けています。

中庭
ベルビル高校のユニークな活動として、生徒が運営するWBHSと呼ばれるテレビ局があります。本格的なスタジオを持ち、百万人以上に放映可能ですが、校内でも朝のニュースショーを放映しています。また、毎週水曜日は、通常の授業時間を短縮して、午後1時46分から午後2時30分の間、生徒が個人授業を受けたり、講演会に出席したり、クラブ活動に参加したり自分で選ぶことができるプログラムを設けています。さらには、生徒が半日学校で勉強して、残りの時間に地域で働くことを認める転用プログラムがあります。
放課後の過ごしかた
放課後は、スポーツをしたり、勉強をしたり、アルバイトをしたり、弟や妹の世話などをする生徒もいれば、コンピュータや携帯電話を使ったソーシャルネットワーキングで時間を費やしている生徒もいます。スポーツは盛んで、アメリカンフットボール、バレーボール、サッカー、レスリング、バスケットボール、テニス、陸上競技、野球、ソフトボール、ゴルフ、ボート、チアーリーディング、ボーリングなどの競技で活躍しています。

アメリカンフットボール部練習風景
週末は、生徒の多くは、近くの公園や、ジャージー海岸の砂浜に行ったり、地元のショッピングモールで買い物をしたりしています。また夏休みには、何人かの生徒が自分のルーツである、中南米やアジアの国々を訪問したりしています。

男子バレーボール部
多様性と学びが広がる環境
今回取材をしたベルビル高校のゲーリー・クロッキン先生は、9年生の担当で教科は世界史を教えており、フルブライト奨学生として日本に住んだ経験があります。その先生に生徒達の日本への関心について聞いたところ、生徒達は日本が大好きで、日本の音楽、文化、武道、ファッション、侍、ポップカルチャー、ビデオゲーム、ゲームショーといったものから、地理、歴史、政治、経済、教育についても、関心があるとのことでした。
また、ベルビル高校では交換留学生プログラムとして、日本の高校生を受け入れ、日本の高校にベルビル高校の生徒を派遣しています。

ゲーリー・クロッキン先生による授業(左)、
輪になってのグループ討論授業(右)
学校の様子を見てみよう!