アメリカ合衆国
(United States of America)
米国にある学校を見てみよう!
マイアミ編
マイアミの教育制度はどうなっているんだろう?
アメリカ合衆国の教育制度は、各州によって異なります。フロリダ州の場合、義務教育期間は、小学校5年、中学校3年、高校4年といった制度が一般的です。この義務教育期間中、公立高校の場合、授業料と教科書は無償で提供されます。
幼稚園は4才からです。私立やチャータースクール(州や学区からの認可を受けて、公費の補助を受けつつも、各学校の独自の理念・方針に基づく教育を提供する学校)など、学校によっては幼稚園から高校まで一緒の学校があります。
6月中旬~8月は夏休みです。その期間中は、サマースクールの一環として、いろいろな活動に参加しています。
ガリバー校
今回は、フロリダのマイアミ市近郊にあるガリバー校を紹介します。ガリバー校は、幼稚部及び小、中、高の一貫校で、南フロリダの地元では有名な私立学校であり、卒業後はハーバード大学やプリンストン大学、コロンビア大学といったアイビーリーグの有名校に進学する生徒もいる学校です。

マイアミ中心部の風景
設立年は1926年で、もともとはアメリカ北東部のニューイングランド地方に住む人々が、厳寒の冬に南フロリダで一時的に過ごす間に通うための学校でしたが、設立者のMarian Krutulis氏が購入し、現在のガリバー学校の土台を造りました。
高校生に相当する9年生から12年生には、約650人が在籍しています。

ガリバー高等部の校舎
カリキュラムは、英語、数学、科学、社会科学、外国語が必須です。各科目の履修を進め、後半の学年になると、大学での授業に相当する内容も学ぶようになります。
なお、フロリダでは高校全般に言えることですが、カリキュラムの編成は各学校、特に校長先生に大きな権限があるのが特徴的です。

授業で意見を出し合う様子
ガリバー高校の日本語コース
今回は、ガリバー高校で教えられている外国語の日本語コース(アドバンストプレイスメントコース)を紹 介します。
この授業では、日本の学校のように起立・礼からはじまります(普通、他のクラスではこのようなことはしません)。
授業は毎回新聞等の記事を題材にテーマを変えて学びます。今回のテーマは「環境問題」です。最初に、日本語で環境問題に関するニュース記事を読み、基本的な知識を学びます。その後、二つの視点「公共交通機関」と「自分の車」という観点から互いのメリットについて意見を出し合います。その後に、互いのデメリットについても議論し、それぞれが環境に与える影響について理解を深めます。
授業の後半には、日本語の語彙力を高める工夫があります。日本の単語とそれに対応する意味が別々のカードで画面に表示され、それらをゲーム感覚で組み合わせて、より短時間で覚える様子は楽しみながらも効果的でした。

単語を覚える様子
授業で使うのは、スマートボードといって、ホワイトボードのように使いながらパソコン上で保存できるものです。数年前に保護者が学校に1セット寄付し、その使い勝手の良さから校内全体に広がり、全クラスに設置されるようになったそうです。
この学校は課外活動にも熱心で、放課後はスポーツに励む生徒に加え、動物愛護団体や障害者に向けてのボランティア活動や、環境問題にも取り組み、近くの海岸を掃除するなど、地域と密着した活動に力を入れる生徒もいます。マイアミ市との姉妹都市交流で鹿児島の生徒が訪問する際には、ホームステイ等で協力している生徒もいます。

マイアミ港を一望
学校の様子を見てみよう!