カナダ
(Canada)
カナダにある学校を見てみよう!
トロント編
カナダの教育制度はどうなっているんだろう?
カナダの教育制度は、各州の教育省によって定められるため、州によって異なります。カナダでもっとも人口が多いオンタリオ州では、公立校は州内の各都市・地域毎に設置された教育委員会にそれぞれ属しています。一般的に小学1年生から中学2年生までは初等教育(Elementaryエレメンタリー)、中学3年生から高校3年生までは中等教育(Secondaryセカンダリー)として分けられています。中等教育を終了すると、州の高校卒業資格が得られます。オンタリオ州の義務教育期間は18歳までで、20歳以下であれば中等教育機関への入学・在籍が認められています。
中等教育制度は単位制となっていて、卒業するには30単位修得しなければなりません。単位を修得するには、各コース110時間の授業を受け、テストの結果や出席率・課題提出や授業態度などを考慮した総合成績が50%以上(通知表5段階評価で3以上)である必要があります。必須科目は18科目あり、残りの12科目は自由に選択できます。
通常、生徒は年度ごとに8科目受講し4年間で修了しますが、留学や諸事情により20歳までであれば、卒業を延期したり学期を追加することも可能です。
ウォーミンスター小学校
今回ご紹介するのは、オンタリオ州シムコ地区教育委員会が管轄する公立校ウォーミンスター小学校です。トロント市より北に車で約2時間、シムコ湖に程近いウォーミンスター町にあり、併設された幼稚園から中学2年生までの約200名が在籍しています。都市部の学校に比べると全校生徒数も少なく、各学年1クラスずつで、各クラスの児童数は20名くらいです。

学校正面玄関
教室は明るく自由な雰囲気で、先生が割り振った4名程度のグループに分けられ、ほとんどの科目でグループ学習(グループ内で助け合ったり、共同で研究課題に取り組む)を行い、協調性を高められるように工夫されています。
時間割は1時間目は9時10分から10時50分、2時間目は11時30分から1時10分、3時間目は1時50分から3時30分と、1回の授業時間は100分とされています。

自由な雰囲気のクラスの様子
休み時間
休み時間は外で遊ぶことが決められていて、暖かい時期はスポーツなどをして過ごします。この地域は冬の間は雪が多いので、休み時間はスキーウェアに着替え、雪合戦や雪だるまを作って遊びます。
学校の周りは畑や牧場が広がっていて、児童の一部はスクールバスを利用して登下校していますが、雪の多い日はバスが安全のため運休するので、自宅待機となる日も少なくありません。

紙相撲で遊ぶ児童
ほとんどの児童が携帯電話を持っており、学校への持ち込みは可能ですが、授業中や休憩・昼食時間での使用は禁止されています。また、使用する場合も家族からの連絡のみに限定するなど厳しいルールがあります。
ほとんどの児童の家庭が牧場や農場を経営しており、都心部と違って3世代の親族で生活している家庭が多く、放課後は家族の手伝いをして過ごします。

学校付近の風景。畑や牧場が広がる
10の心得
ウォーミンスター小学校は、国際的に通用する共通感覚を身につけることを目標とし、「キャラクター教育(Character Education)」を実施しています。これは日本の学校の校則に近いもので、10の心得を普段の学校生活に取り入れています。具体的には、
規則(Integrity)、
責任(Responsibility)、
協力(Cooperation)、
思いやり(Caring)、
敬意(Respect)、
楽観(Optimism)、
誠実(Honesty)、
共感(Empathy)、
勇気(Courage)、
包括(Inclusiveness)のうち、1か月に1つの心得を取り上げ、課題をつくり、その課題の実施に取り組むことになっています。
また、トロント市の郊外にあるこの学校は、チャリティーイベントなどのコミュニティー活動の中心となっており、地域の相互扶助に根差した学校作りを積極的に行っています。

ウォーミンスター校の先生たち(左)、校章(カラーは赤とネイビー)」(右)
学校の様子を見てみよう!