安倍総理大臣
日米首脳電話会談(概要)
3日午後9時30分から約30分間,安倍内閣総理大臣はオバマ米大統領と電話会談を行ったところ,概要以下のとおり。
1.冒頭,オバマ大統領から,シリア情勢に関し,日本のとっている立場に感謝の意が示された上で,8月21日にアサド政権が化学兵器を使用した明確な証拠がある,化学兵器等の大量破壊兵器が使用されてはならないとの国際的な規範について国際社会が声を一つにして明確なシグナルを出していくことが重要であり,アサド政権は化学兵器を使用したことについて責任を持たなければならない旨述べた。また,オバマ大統領は,化学兵器の将来の使用を抑止しなければならず,化学兵器禁止の体制を強化しなければならない旨述べた。
2.安倍総理からは,我が国の立場,すなわち,(1)シリアで化学兵器が使用された可能性が極めて高い,化学兵器の使用は人道上,いかなる場合も許されない,(2)シリア情勢の悪化の責任は人道状況の悪化を顧みないアサド政権にある,(3)日本政府は事態改善のため国際社会と緊密に連携していく,という点を改めて説明した。また,安倍総理は,国連安保理における努力も含め,国連や各国との連携が重要であると指摘し,国際社会が声を一つにしていくことが重要であるとのオバマ大統領の意見に賛意を示した。また,安倍総理は,化学兵器は二度と使われてはいけない旨述べ,両首脳は,このことは大量破壊兵器を開発しているイラン,北朝鮮や他の国との関係でも重要であるとの点で一致した。
3.さらに安倍総理より,8月31日の声明はオバマ大統領の重い決意の表明であったと受け止めており,今後の米国議会におけるプロセスを注視していきたいと述べた。その上で,両首脳は,G20サミットの機会でシリアの問題について議論を行うことは有意義であるとの点で一致し,引き続きシリア情勢への対応において緊密に連携していくこと等を申し合わせた。
4.シリア情勢以外では,オバマ大統領は,安倍総理就任以来の日米同盟強化のための総理のリーダーシップを賞賛していると述べ,今後TPPや地域情勢などの重要課題についてじっくり意見交換していくことでも一致した。