岸田外務大臣

平成25年3月27日
第7回日・インド外相間戦略対話(概要)1
第7回日・インド外相間戦略対話(概要)2
第7回日・インド外相間戦略対話(概要)3

 3月26日(火曜日)、岸田外務大臣は、来日中のクルシード・インド外相と、外務省飯倉別館において第7回日インド外相間戦略対話を実施したところ、概要は以下のとおり。今回の外相間戦略対話では,前半部分で二国間関係に関し約1時間15分間意見交換を行い,その後,対インド円借款交換公文署名式及び共同記者発表を挟み,後半部分では,ワーキング・ディナー形式で約1時間,主に地域情勢に関し意見交換を行った。
(注)日インド外相間戦略対話は,2007年以降,毎年日インド交互に実施されており,昨年は4月にデリーで実施した。

1 二国間関係
(1)政治・安全保障,人的交流
(ア)岸田大臣から,シン・インド首相訪日の成功に向け引き続き準備を進めたい旨述べた上で,政治・安全保障分野で両国の対話と協力が進展していることは喜ばしく,この観点から,次官級「2+2」対話や局長級日米印三カ国協議等の政治対話を充実させたい旨述べた。また,海洋に関する対話とサイバー協議の第2回会合を本年中に開催したいとの考えを伝えた。
これに対しクルシード外相から,インド側も「2+2」対話や日米印協議,海洋に関する対話,サイバー協議を進め,日本との政治対話を一層深化させていきたい旨述べた。

(イ)日インド防衛協力・交流に関し,岸田大臣から,インド海軍と海上自衛隊の二回目の共同訓練等が実現することを期待する,また,「戦略的グローバル・パートナーシップ」に基づき,国連協議やTICADVのフォローアップとしてアフリカ政策協議を実施したい旨述べた。
 これに対しクルシード外相から,日インド両国の安全保障協力が深化していることは喜ばしい,インド海軍と海上自衛隊の共同訓練については,アントニー国防相に伝えたいと述べた。

(ウ)青少年交流に関し岸田大臣から,「JENESYS2.0」を通じて今後約1200名のインド人青年を日本に招待したいと述べたのに対し,クルシード外相から,青年交流は重要であり,深く感謝する旨述べた。

(2)経済・経済協力
(ア)貨物専用鉄道建設計画,インドの高速鉄道構想,チェンナイ・バンガロール間産業回廊構想に関する協議を進捗させていくことについて両外相間で一致した。

(イ)経済協力分野では,4件の円借款に係る交換公文(E/N)(総額約2200億円)の署名が行われた。これに対しクルシード外相から,深甚な謝意が示された。

(ウ)さらに岸田大臣から,来年度の円借款案件として,ムンバイ地下鉄建設計画への総額710億円の供与の意図表明を行ったのに対し,クルシード外相から,インド側が待ち望んでいた案件であり,心から感謝すると述べた。

(エ)岸田大臣から,日本からインドへの民間投資活発化の観点から,インドにおけるビジネス環境の整備,特に金融規制緩和について一層の努力を要請したのに対し,クルシード外相から,これまでのインド側の取組について説明し,引き続き相談していきたいと述べた。

(3)民生用原子力協力
日インド両国間で話を引き続き進めていくことを確認した。

2 地域情勢等
ワーキング・ディナーでは,中国,北朝鮮,アフガニスタン,及びスリランカ等の地域情勢等について意見交換を行い,両外相は,これらの点についても日インドの「戦略的グローバル・パートナーシップ」を一層強化していくことで一致した。
 


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