国際保健

平成27年12月16日

 本16日午前8時57分から約10分間,安倍晋三内閣総理大臣はジム・キム世界銀行総裁(Dr. Jim Yong Kim, President of the World Bank)の表敬を受けたところ,概要は以下の通りです(萩生田光一内閣官房副長官,世耕弘成内閣官房副長官ほかが同席)。

1 安倍総理大臣から,日本は,これまで保健システム強化,ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を推進(PDF)別ウィンドウで開くしており,持続可能な開発のための2030アジェンダにも盛り込まれた,来年日本が議長国となるG7伊勢志摩サミットとアフリカで初めて開催されるTICADVIにおける保健分野の議論を重視しており,公衆衛生危機への対応も重要である,世界銀行のパンデミック緊急ファシリティの構築は重要でありWHOとの連携を期待する旨を述べました。また,日本は世銀と協力して世界経済に貢献する考えである,2030アジェンダとの関係で世界銀行の役割は重要であり防災や質の高いインフラについての一層の貢献を期待している旨を述べました。

2 これに対してキム総裁から,世界銀行はUHCを重視しており,日本でのG7が成功するよう支援する,TICADVIについても協力したいとした上で,パンデミック対応,防災,質の高いインフラの重要性についても同感であるとの発言がありました。

(参考)

(1)ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)
 世界中の全ての人が生涯を通じて必要な時に基礎的な保健サービスを負担可能な費用で受けられること。

(2)持続可能な開発のための2030アジェンダ(2030アジェンダ)
 2001年に策定されたミレニアム開発目標(Millennium Development Goals: MDGs)の後継として国連で定められた,2016年から2030年までの国際目標。MDGsの残された課題(例:保健,教育)や新たに顕在化した課題(例:環境,格差拡大)に対応すべく,新たに17ゴール・169ターゲットからなる持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)を策定。7回に及ぶ政府間交渉を経て,本年8月に実質合意,本年9月の国連総会の際に採択(PDF)別ウィンドウで開くされた。

(3)パンデミック緊急ファシリティ
 世界銀行は,保険スキームを活用した,パンデミック対応のための新たな資金メカニズムを検討中。本年6月のG7エルマウ・サミット首脳宣言では,当該ファシリティの検討についての進捗を歓迎し,サポートする旨言及。


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