気候変動

気候変動サミット(One Planet Summit)(結果)

平成29年12月12日

英語版 (English)

 12月12日,河野外務大臣は,フランス・パリで開催された気候変動サミット(One Planet Summit)に出席しました。今回のサミットはフランスが国連及び世界銀行と共催した会合であり,(1)パリ協定採択2周年を記念し,同協定への支持拡大のモメンタムを維持する,(2)気候資金の重要性を確認し,公的資金及び民間資金のグリーン化を図る,(3)各国・様々な主体が低炭素で強靱な経済に向かうべく,グッドプラクティス・教訓を共有する,という3つを目的としたものです。 同サミットの概要及び評価は以下のとおりです。

1 共催者及び参加国

(1)共催者

マクロン大統領(フランス),グテーレス事務総長(国際連合),キム総裁(世界銀行)

(2)参加国(120か国程度)

首脳級英国,ガボン,スウェーデン,スペイン,デンマーク,ノルウェー,ハンガリー,バングラデシュ,フィジー,ボリビア,マダガスカル,メキシコ,モロッコ等
閣僚級インド,インドネシア,カナダ,カンボジア,キプロス,ギリシャ,中国,ブラジル,ベトナム,南アフリカ,EU等
我が国からの参加河野外務大臣,とかしき環境副大臣

2 議論の概要

(1)パネルセッション1「公的資金の介入による気候変動対策のための資金の拡大」

 パリ協定下での公的資金のための新しい枠組や,気候変動のための公的介入の増加及び機会の創出,公的資金を介した民間資金の動員といった投資の加速化といったテーマで,3つのセッションに分けてパネルディスカッションが行われました。公的資金は今後も重要な役割を果たすものの,気候変動に強靱でありかつ持続可能な社会の開発を支えるためには,公的資金のみでは不十分であり,長期的な気候変動対策を行うためには民間資金の動員が重要であるといった指摘がありました。特に,パリ協定における公的資金の役割や民間資金の重要性について積極的な議論が行われました。

 パネリストとして参加した河野大臣より,日本は先進的な技術力を生かしたイノベーションの力を気候資金のスケールアップに活用することで世界をリードしていくという決意を示し,そのためにも官民パートナーシップを強化していくべきとの考えを表明しました。より具体的には,企業版2度目標といわれるScience Based Target (SBT) への日本企業の登録における支援を表明し,2020年3月までに100社の認定を目指すことを公表しました。

 第二に,イノベーションと科学技術を創造的に活用して世界の気候変動対策に貢献していく考えを表明しました。具体的には,気候変動対策への科学技術とイノベーションの関係を強化します。フランス主導の気候変動リスクに関する早期警戒システム(CREWS)のプロジェクトへの参画、観測衛星「しきさい」,「いぶき2号」の打ち上げや,水素エネルギー関連技術等を通じて世界をリードしていくことを表明しました。更に,2020年の東京オリンピックを水素社会のショーケースとし,燃料電池車の導入や更なる水素ステーションの拡充についても日本の取組を紹介しました。このような取組は出席者の多くから歓迎・評価されました。

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(2)パネルセッション2「持続可能なビジネスのための資金のグリーン化」

 気候変動に向けた資金の役割の加速化、気候変動に関するリスクと機会のとらえ方,低炭素社会の実現のための投資家の革新的行動やコミットメント,といった3つのテーマでパネルディスカッションが行われました。

(3)パネルセッション3「地域のための気候アクションの加速」

 都市連携といった国際的ネットワークの重要性,地域の気候変動へのアクションを支援するための革新的なパートナーシップ,企業や地域政府が協力する必要性,という3つのテーマでパネルディスカッションが行われました。パリ協定の実施や各国の温室効果ガスの削減目標(NDC)の達成のために官民連携を促進するための方法や,国家や地域など異なるレベルの政府間の連携の方法について意見交換が行われました。

(4)パネルセッション4「環境に配慮した,かつ包括的な移行を加速させるための公的政策のあり方」

 強靱性を強化するための投資の加速化や,炭素中立化のための行動が必要であること,持続可能であり包括的な成長のための公的政策の重要性,といった3つのテーマでパネルディスカッションが行われました。

(5)ハイレベルセグメント(午後)

 マクロン大統領,グテーレス国連事務総長,キム世銀総裁を中心とする議論の中で,各国の首脳が発言し,3つのトピック((1)適応と強靱性向上のための資金のスケールアップ,(2)低炭素経済への転換の加速,(3)資金システムにおける主要課題としての気候変動問題とマルチステークホルダーの意思決定)について議論が行われました。これらに関する様々なコミットメントやイニシアティブが表明されました。

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3 会合の意義と評価

 パリ協定採択2周年の節目に,国際社会が一致して同協定の着実な実施への決意を表明したことはとても有意義であったと評価できます。
 今回の気候変動サミットは,気候変動対策に不可欠な気候資金の動員を図る方途に焦点が当てられましたが,日本としても,金融市場の活用だけでなく,企業との連携やイノベーションを通じた技術力も活用して気候資金のスケールアップを図る積極的な姿勢を示すことができました。
 しかし,パリ協定の目的を達成するためには,各国が更なる努力をすることが不可欠であり,日本も長期戦略の策定等,気候変動問題に更に積極的に取り組んでいきます。


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