国際組織犯罪に対する国際社会と日本の取組

腐敗防止

平成29年7月20日

1 背景

 公務員に係る贈収賄,公務員による財産の横領等腐敗に関する問題は,グローバル化の一層の進展に伴い,持続的な発展や法の支配を危うくする要因として,もはや地域的な問題ではなく,全ての社会及び経済に影響を及ぼす国際的な現象となっています。また,腐敗行為とその他の形態の犯罪(組織犯罪等)との結び付きも指摘されるようになり,効果的に腐敗行為を防止するためには国際協力を含め包括的かつ総合的な取組が必要であるとの認識が共有されるようになりました。

2 「腐敗の防止に関する国際連合条約」(略称:国連腐敗防止条約)

(1)条約作成背景

 このような状況の下,平成12年(2000年)11月に国際連合総会において採択された「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約」に,腐敗問題に対処するための簡潔な規定が盛り込まれましたが,同規定の作成交渉において一層効果的に腐敗問題に対処するために,別途,包括的な国際文書の作成を検討することが提唱されました。これを受けて,平成12年(2000年)12月,腐敗行為の防止に関する包括的な条約を起草するための政府間特別委員会が国際連合総会決議によって設立されました。

 政府間特別委員会は,平成14年(2002年)1月に審議を開始し,平成15年(2003年)9月に開催された第7回特別委員会において,この条約の案文についての合意が成立しました。この条約は,平成15年(2003年)10月31日に国際連合総会において採択されました。

(2)条約のポイント

 この条約は,腐敗行為を防止し,及びこれと戦うため,公務員に係る贈収賄,公務員による財産の横領等一定の行為の犯罪化,犯罪収益の没収,財産の返還等に関する国際協力等につき規定しています。具体的な条約のポイントは以下の通りです。(資料(PDF)別ウィンドウで開く

  • (ア)腐敗行為の防止のため,公的部門(公務員の採用等に関する制度,公務員の行動規範,公的調達制度等)及び民間部門(会計・監査基準,法人の設立基準等)において透明性を高める等の措置をとる。また,腐敗行為により不正に得られた犯罪収益の資金洗浄を防止するための措置をとる。
  • (イ)自国の公務員に係る贈収賄,外国公務員及び公的国際機関の職員に対する贈賄,公務員による財産の横領及び犯罪収益の洗浄等並びに,これらの犯罪に関する手続における証人買収等の司法妨害行為を犯罪とする。
  • (ウ)腐敗行為に係る犯罪の効果的な捜査・訴追等のため,犯罪人引渡し,捜査共助,司法共助等につき締約国間で国際協力を行う。
  • (エ)腐敗行為により不正に得られた犯罪収益の没収のため,締約国間で協力を行い,公的資金の横領等一定の場合には,他の締約国からの要請により自国で没収した財産を当該他の締約国へ返還する。

(3)条約締結の意義

 腐敗行為は,持続的発展,法の支配等を危うくする要因として,あらゆる社会・経済に影響を及ぼしかねない国際的な問題です。この問題に有効に対処するためには,この条約が定める包括的な国際協力の枠組みが不可欠であり,国際社会の主要メンバーである我が国としての貢献が期待されています。

(4)締結状況等

 2005年12月14日に発効,G8諸国を含む140か国が署名しています。我が国は,2003年12月に署名し,2006年に締結につき国会の承認を得ました。そして,2017年6月15日に条約を実施するための国内法が国会で可決成立し,同年7月11日に本条約を締結しました。これにより,本条約は同年8月10日に我が国について効力が発生する予定です。

 2017年7月19日現在の締約国は,182の国・地域となっています。



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