国際組織犯罪に対する国際社会と日本の取組

国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約

(略称:国際組織犯罪防止条約)

平成30年6月19日

1 背景

 近年,交通や通信手段の高速化,金融,ITサービスその他のネットワークの広がりに伴い,急速に複雑化,深刻化している国際的な組織犯罪に効果的に対処するために,各国が自国の刑事司法制度を整備・強化し,国際社会における法の抜け穴をなくし,国際的な組織犯罪の防止のための国際協力を推進する必要性が高まり,国際的な規範作りが求められるようになりました。

2 国際組織犯罪防止条約

  • (1)国連においては,前述のような国際的な要請を背景に,国際組織犯罪対策のための条約作成交渉が1999年に開始され,2000年11月15日に国連総会において「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約(略称:国際組織犯罪防止条約)」が採択されました。2000年12月には,イタリアのパレルモにおいて同条約の署名会議が行われました。この条約は,2003年9月29日に発効しました。
  • (2)この条約は,重大な犯罪の実行についての合意,犯罪収益の資金洗浄を犯罪化すること,条約の対象となる犯罪に関する犯罪人引渡手続を迅速に行うよう努めること,また,捜査,訴追,及び司法手続において最大限の法律上の援助を相互に与えることなどを規定しています。
  • (3)我が国は,上記のイタリア・パレルモにおける署名会議に参加し,署名を行い,この条約を締結することについて,2003年5月に国会の承認を得ました。そして,2017年6月15日に条約を実施するための国内法別ウィンドウで開くが国会で可決成立し,同年7月11日に本条約を締結しました。これにより,本条約は同年8月10日に我が国について効力が発生しました。なお,国連薬物・犯罪事務所(UNODC)のフェドートフ事務局長は,日本が本条約を締結したことへの祝意を表明しております別ウィンドウで開く
  • (4)2018年6月18日現在の締約国は,189の国・地域となっています。
(参考)
国際組織犯罪防止条約(和文テキスト・英文テキスト・条約説明書)
米国の留保についての政府の考え方
国連人権理事会の「プライバシーの権利」特別報告者による公開書簡に対する日本政府見解
国連人権理事会の「プライバシーの権利」特別報告者の指摘に対する回答

3 条約締結の意義

 我が国は,これまで国際的な組織犯罪に対処するための国際協力に積極的に参加してきており,深刻化する国際的な組織犯罪に対する国際的な取組において引き続き主導的な役割を果たすことが重要です。

 この条約を締結したことにより,国際社会における法の抜け穴をなくし,また,国際的な組織犯罪の防止のための国際協力を促進することを通じて,深刻化する国際的な組織犯罪に対する国際的な取組の強化に寄与することができると考えています。

4 条約を補足する3つの議定書

 なお,国際組織犯罪防止条約の内容を補足する条約として,「人身取引議定書」,「密入国議定書」及び「銃器議定書」の3つの議定書(以下(注))が作成されています。我が国においては,「人身取引議定書」及び「密入国議定書」を締結することについて既に2005年6月に国会の承認が得られており,2017年7月11日にこれら2つの議定書も締結しました。

(注)国際組織犯罪防止条約を補足する3つの議定書
1. 人身取引議定書(正式名称:国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補足する人(特に女性及び児童)の取引を防止し,抑止し及び処罰するための議定書)(和文テキスト・英文テキスト・条約説明書)
 人身取引を防止し,これと戦うための協力を促進するため,国際的な法的枠組みを構築することを目的とした議定書であり,人身取引行為を犯罪とすることを締約国に義務付けた上で,人身取引の被害者の保護と送還,出入国管理に関する措置等について規定しています。

2. 密入国議定書(正式名称:国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補足する陸路,海路及び空路により移民を密入国させることの防止に関する議定書)(和文テキスト・英文テキスト・条約説明書)
 移民を密入国させることを防止し,これと戦うため国際的な法的枠組みを構築することを目的とした議定書であり,移民を密入国させること,移民を密入国させることを可能にする目的で不正な旅行証明書等の製造等を犯罪とすることを義務付けた上で,海路で移民を密入国させることを防止するための協力,出入国管理に関する措置,対象移民の送還等について規定しています。

3. 銃器議定書(正式名称:国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補足する銃器並びにその部品及び構成部分並びに弾薬の不正な製造及び取引の防止に関する議定書)(英文テキスト(PDF))別ウィンドウで開く
 銃器等の不正な製造及び取引を防止し,これと戦うための協力を促進するため国際的な法的枠組みを構築することを目的とした議定書であり,銃器等の不正な製造及び取引という行為を犯罪とすることを締約国に義務付けた上で,そのような行為を防止するための製造時及び輸入時における銃器の刻印,記録保存,情報交換等について規定しています。


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