国際法

令和7年9月2日

 8月4日から8日、外務省は、東京(国連大学)において、第3回「東京国際法セミナー」を開催しました。

1 目的

  1. アジア・アフリカの行政官等に実務者向けの国際法研修を提供し、国際法の知識を高め、交流を促進することにより「法の支配」に導かれた平和の実現に貢献する。
  2. 日本の弁護士や若手国際法研究者にも参加の門戸を開くことで日本における国際法分野の人材育成を図る。

3 結果概要(PDF)別ウィンドウで開く

  1. アジア・アフリカ諸国の行政官等53名(アルジェリア、オーストラリア、バーレーン、バングラデシュ、ブルネイ、カンボジア、ジブチ、エジプト、インド、インドネシア、カザフスタン、ケニア、クウェート、キルギス、ラオス、マレーシア、モーリシャス、モンゴル、モロッコ、ネパール、ナイジェリア、フィリピン、カタール、サウジアラビア、セーシェル、シンガポール、トンガ、トルクメニスタン、タンザニア、ウガンダ、ウズベキスタン、ベトナム、アジア・アフリカ法律諮問委員会(AALCO)、アフリカ連合委員会(AUC)(含:日本の大学院で修士・博士課程に在学中のJICA長期研修員20名))、日本の協賛法律事務所所属弁護士・若手国際法研究者等51名の計104名がセミナーに参加しました。セミナー期間中、著名な外国人国際法専門家、日本人国際法学者等により、国際法実務で特に重要な各分野や国際裁判実務等について講義を実施しました。
  2. 8月4日の研修冒頭、今次セミナーの開催にあたって岩屋外務大臣によるビデオメッセージを放映しました。
  3. セミナー初日にあたる8月4日、歓迎レセプションを国連大学で実施しました。
  4. 講義一覧
    1. 「国際訟務」ポール・ライクラー11KBW法律事務所弁護士
    2. 「国連国際法委員会(ILC)の国際法の法典化及び漸進的発展における役割」フィービー・オコワ ロンドン大学クィーンメアリー校教授、ILC委員
    3. 「国家・政府職員の免除、外交特権」フィリッパ・ウェッブ オックスフォード大学教授
    4. 「海洋法」ニルファー・オラル シンガポール国立大学国際法センター所長、ILC委員
    5. 「気候変動の国際法への影響」ニルファー・オラル シンガポール国立大学国際法センター所長、ILC委員
    6. 「サイバー空間に適用される国際法」モハメド・ヘラル オハイオ州立大学モリッツ法科大学院教授
    7. 「国際刑事法と国際刑事裁判所」山内由光 国連アジア極東犯罪防止研修所(UNAFEI)所長
    8. 「投資家と国との間の紛争解決(ISDS)」キャサリン・アミルファー Debevoise & Plimptonパートナー、米国国際法学会(ASIL)前会長
    9. 「国際法と武力行使」黒﨑将広 防衛大学校教授
    10. 「ビジネスと人権」ヴィレン・マスカレンハス Mascarenhas法律事務所設立パートナー
    11. パネルディスカッション「AIと国際法 未踏の領域を拓く」
    <パネリスト>
    アミルファー弁護士、ヘラル教授、オコワ教授、ウェッブ教授、佐藤健 情報・システム研究機構人工知能法学研究支援センター長
    <モデレーター>
    御巫智洋 国連代表部次席常駐代表
  5. 8月8日、修了式が実施され、外務大臣名の修了証書が修了者に手渡されました。
  6. 本件セミナーの関係団体は以下のとおりです。
    主催:
    外務省
    共催:
    日本弁護士連合会、国際法学会、法務省
    後援:
    国連大学、アジア・アフリカ法律諮問委員会(AALCO)
    協賛:
    TMI総合法律事務所、アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業、西村あさひ法律事務所・外国法共同事業、長島・大野・常松法律事務所、渥美坂井法律事務所・外国法共同事業、森・濱田松本法律事務所外国法共同事業、ベーカー&マッケンジー法律事務所(外国法共同事業)、シティユーワ法律事務所、弁護士法人 北浜法律事務所、古賀総合法律事務所、桃尾・松尾・難波法律事務所、弁護士法人大江橋法律事務所、弁護士法人淀屋橋・山上合同、法律事務所XAI、池田総合法律事務所、弁護士法人御堂筋法律事務所、おばら総合法律事務所、白鳥法律事務所、山本特許法律事務所

4 国際法模擬裁判「アジア・カップ」の開催

 このセミナーの開催に当たっては、アジア諸国の学生を対象として、平成11年から毎年日本で開催している国際法全般を扱う模擬裁判の国際大会として、アジア最大規模の国際法模擬裁判「アジア・カップ」も開催し、フィリピンからのチームが優勝しました。


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