(1) ここにいう東アジア地域は、中国、韓国、モンゴル、ASEAN(東南アジア諸国連合、Association of Southeast Asian Nations)10か国(インドネシア、ヴィエトナム、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、マレイシア、ミャンマー、ラオス、カンボディア)の各国を含むが、我が国も同地域の一員としてこれら諸国との政治・経済・文化等あらゆる面で長年にわたる緊密な相互依存関係を有している。また、我が国を含めた東アジア地域は世界人口の約3分の1(中国は単独で約5分の1)を有している。
(2) この地域には、近年飛躍的な経済発展を遂げてきた東南アジア諸国、市場経済の導入に取り組んでいる「移行国」であるインドシナ諸国やモンゴル、更に中国など、経済の発展段階が大きく異なる様々な国が混在しているが、特に近年、地域内における貿易、投資を通じた経済的な相互依存の進展が見られてきた。世界銀行の「世界開発報告1998」によれば、1人当たりGNP年平均増加率(96~97年)でみると、低中所得国全体の平均が49%であるのに対し、東アジア及び大洋州地域の低中所得国の平均は、68%となっているなど(世界全体では32%)、先発ASEAN諸国やアジアNIEsを中心に、経済的に世界で最も活力ある成長を遂げていた。
国名 |
人口 |
一人当たり |
対日輸出 |
対日輸入 |
在留邦人 |
在日外国人 |
1997年 |
1997年 |
1998年 |
98.10.1 |
98.12.31 |
||
インドネシア |
200,390 |
1,110 |
1,416,287 |
560,059 |
14,112 |
14,962 |
(注)1.人口、一人当たりGNPは世銀アトラスによる。
2.輸出入統計は、日本側通関統計(対日輸出はCIF価額、対日輸入はFOB価額)による。
3.在留邦人数は外務省調べ、在日外国人は法務省調べ。
4.在日外国人の韓国の欄は、北朝鮮も含む。
図-1 東アジア地域
(3) しかし、97年7月のタイ・バーツ下落に端を発した東アジア地域の通貨・金融危機が発生し、タイ・バーツに続きインドネシア・ルピア、フィリピン・ペソ、マレイシア・リンギット、韓国・ウォンが下落した。各国は民間部門の債務問題、物価上昇、失業問題等に直面した。いわゆるアジア経済危機である。これにエル・ニーニョ現象による干魃や森林火災等が拍車をかけ、この地域全域にわたる経済・社会困難を生み出した。
これらの諸国においては、経済構造改革等の各国の自助努力や国際社会の支援により、現在、総じて言えば通貨金融市場での落ち着きやマクロ経済指標の一部改善も見られ、通貨危機の影響を克服しつつある。落ち込んでいた実体経済も99年に入って明るい兆しも見られ始めている。
しかしながら各国の本格的な経済成長の回復と安定的な発展のためには、実体経済の回復のための基盤の再構築や民間資本の呼び戻し等が必要であり、そのためには国内金融制度改革や不良債権処理、人材育成、産業育成に加え、社会的弱者救済や貧困対策のための制度整備や資金不足への対応、及び国際金融システムの強化等通貨の安定と危機の予防のための新たなシステム作り(地域内で相互に資金支援を行うメカニズム設立の検討など)が大きな課題となっている。これらの課題への対応には、当事国の努力が前提となるが、国際社会の支援も必要である。また、現下の危機は、近年の急速な経済発展の過程で生じた歪みにより生じた側面があり、これら諸国の基礎的諸条件(ファンダメンタルズ)に鑑みれば、各国の必要な改革及び国際社会の適切な支援が得られれば、中長期的に再び成長軌道に戻る潜在力があると考えられている。
(4) 東アジア地域における地域協力に向けた最近の動きとして、97年に「ASEAN+日中韓首脳会議」が初めて開催され、98年12月には、ASEAN+日中韓首脳会議を定例化することが合意されており、東アジア諸国間の対話が深化しつつある。
ASEANについては、99年4月30日にカンボディアが第10番目の国として加盟し、創設32年目にして「ASEAN10」が実現した。ASEANは、90年代に入り、首脳及び閣僚レベルでの対話のスキームを維持・強化するとともに、域内協力も強化しつつある。97年には、アジア経済危機の深刻な影響下にありながら、総合的中期目標である「ASEANビジョン2020」が、また98年には同ビジョンの実現のための6カ年計画として「ハノイ行動計画」が策定され、現在、同計画に従い各種プロジェクトが推進されつつある。一方、これに先立ち、92年の第4回ASEAN公式首脳会議においては、域内の経済関係の強化を図るべく、「ASEAN自由貿易地域(AFTA)」の創設が合意された。AFTAの実現は、農産品を含む産品に対する域内関税を0~5%に引き下げることなど共通実効特恵関税(CEPT)協定(93年発効)において規定されている措置を通じて推進されることとなっており、これを受けてAESAN各国において域内貿易自由化、投資促進に向けた努力がなされている。
(5) 同地域は地域外との協力も積極的に展開してきている。アジア太平洋地域における各国・地域の急速な経済発展を背景として、89年豪州・キャンベラにおいてアジア太平洋経済協力(APEC)の第1回閣僚会議が開催された。以後、94年11月にはインドネシア・ボゴールでAPEC非公式首脳会議が開催され、域内の貿易・投資の自由化、経済・技術面での協力強化につき方向性が示された(「ボゴール宣言」)。また、95年には我が国が議長国を務め、大阪でAPEC閣僚会議と非公式首脳会議を開催し、ボゴール宣言を具体化する「行動指針」を取りまとめ、APECとして初めて中長期的観点から総合的かつ具体的な行動の大きな枠組みをうち立てた。そして、98年11月にクアラルンプールで開催された第10回APEC会合では、経済危機下のアジアの経済状況、貿易投資の自由化・東アジア地域円滑化、経済技術協力、衝平な多角的原則について議論がなされた。
また、ASEANは「ASEAN地域フォーラム(ARF)」の設立など積極的な外交イニシアティブを発揮している。1996には、ASEANのメンバーの1つ、シンガポールがアジアと欧州との関係強化を目的に提唱して「アジア欧州会合(ASEM)」が設立された。98年4月には、ロンドンにおいて第2回アジア欧州会合(ASEM2)が開催され、経済困難に直面しているアジアにおける金融・経済情勢の改善に高い重要性を置き、協同してこれに取り組んでいくとの決意を再確認し、貧困層への対策、地球規模の課題、持続可能な経済成長の促進、環境問題などについて意見交換を行った。ASEMはアジア・欧州間の対話と協力のフォーラムとしての礎を固めつつあり、2000年には韓国で第3回アジア欧州会合(ASEM3)の開催が予定されている。
(6) 我が国もこの地域の一員としてこれらの諸国との政治・経済・文化等あらゆる面で長年にわたる緊密な相互依存関係を保ってきている。
98年12月の「日・ASEAN首脳会議」の際には、小渕総理より、21世紀に向けた日・ASEAN協力のための我が国のイニシアティブ((1)21世紀に向けての対話と協力の促進、(2)アジアの経済危機克服のための協力、(3)人間の安全保障のための協力、(4)知的対話と文化交流の推進)を表明し、ASEAN側首脳より大きな評価を得た。また、97年12月に行われた日・ASEAN首脳会議において橋本総理(当時)が表明した「日・ASEAN開発ラウンドテーブル」を98年月22日に沖縄で開催し、同地域に共通する開発課題につき政策対話を行った。98年6月には、第16回「日・ASEANフォーラム」がヴィエトナムのハノイで開催され、アジア経済危機、日・ASEAN協力、地域・国際情勢について意見交換が行われた。
(7) インドシナ情勢の安定化に伴い、近年、メコン河流域開発への国際的関心の高まりを受け、95年の第回ASEAN公式首脳会議(バンコク)においてASEANがメコン河流域開発に積極的に参加していくこが合意され、96年6月に当時のASEAN7か国とメコン河流域国(カンボディア、ラオス、ミャンマー、中国)による閣僚会議が開かれた。
我が国はメコン河流域開発に従来より積極的に取り組んできており、地域全体の調和のとれた開発につき幅広い討議・意見交換を行う場として、95年2月にインドシナ総合開発フォーラム閣僚会合を東京で開催した。その後、流域各国は97年半ばに始まったアジア経済危機により大きく影響を受けたが、我が国は経済危機の時にこそ開発のモメンタムを維持し、将来展望を示すことが必要との観点から98年11月にメコン河流域開発に関するワークショップを東京で開催し、開発戦略とプライオリティの明確化、広域開発のフラッグシップ・プロジェクトの推進等について流域6カ国、ドナー国・国際機関からの合意が得られた。更に99年4月には、流域の総合開発にかかる諸問題につき民間部門の認識を高めることを目的として、学界、関係国政府、国際機関、NGO、産業界よりオピニオンリーダーを招いて、メコン河流域総合開発シンポジウムが我が国後援の下、バンコクにて開催された。
メコン河流域地域におけるフラッグシップ・プロジェクトとして、タイ、ラオス、ヴィエトナムを東西に結ぶ東西回廊の整備が進められている。我が国は右回廊の運輸インフラ整備の主要部分を担っている他、99年月、ADBと協力して沿道地域の実体経済開発のための援助促進・調整の第一段階として東西回廊に関する会合を開催している。
(1) 東アジア地域に対する二国間ODAは、98年における我が国の二国間ODA総額の424%を占め36億4,876万ドル(支出純額ベース、以下同じ)であった。なお、97年においては19億4,598万ドル(総額の29.4%)であり、アジア経済危機に対応するための支援強化を反映し、約82%増となっている。
(2) 我が国は、アジア通貨・経済危機への対応として、これまでに総額約800億ドルにのぼるアジア支援策を表明しており、99年8月頃までに具体化された約680億ドルのうち、ODAとしては約68億ドルを、主に東南アジアを対象に、経済構造改革・社会的弱者支援としての足の速い借款(セクター・プログラム・ローン等)やノン・プロジェクト無償、新宮澤構想の一環としての国際収支及び社会的弱者支援のための円借款供与を中心に実施している。
(3) アジア支援策の具体的なイニシアティブは以下の通りである。すなわち、98年2月閣議決定された「東南アジア経済安定化等のための緊急対策」、同年4月に発表された「総合経済対策」の下での『アジア支援策に基づく支援』、98年10月に表明した合計300億ドル規模の資金支援を含むアジア通貨危機に対応するための『アジア通貨危機支援に関する新構想』(新宮澤構想。アジア諸国の実体経済回復のための中長期の資金支援として円借款・輸銀融資等150億ドル及び経済改革過程での短期資金需要への備えとして150億ドルからなる。)、98年11月16日、APEC首脳会議において日米首脳が共同で発表した世界的な信用収縮により成長回復のための諸施策に必要な資金調達に困難を来しているアジア諸国を支援するため50億ドルを動員した(我が国貢献分としてアジア通貨危機支援資金30億ドルを活用可能)『アジアの成長と経済回復のためのイニシアティブ』、アジア諸国の経済構造改革支援を目的とした99年度以降3年間で6,000億円(約50億ドル)を上限として供与される『アジア諸国等の経済構造改革支援のための特別円借款』などである。
(4) 具体的支援として、まず、アジア経済危機により影響を受けた東南アジアを中心とする諸国に対し、資金ギャップに対応しつつ各国の構造調整を支援するとの観点から、足の速い借款(セクター・プログラム・ローン等)やノン・プロジェクト無償等の実施、新宮澤構想の一環としての円借款供与やODA以外の公的資金協力としての輸銀融資、日米共同イニシアティヴや特別円借款により、対応してきている。各国においては、マクロ経済の安定と実体経済の回復及び持続的な発展のための資金ニーズが増大しており、このような公的資金フローとともに、民間セクターの国際金融市場へのアクセスを促進することが重要である。
次に、金融セクター改革、中小企業育成・振興などの経済の持続的発展に資する分野における人材育成など中長期的支援を踏まえた支援として、年間で2万人のトレーニングを行う「日・ASEAN総合人材育成プログラム」(97年12月発表)を着実に実施してきている。
また、社会的弱者への支援としては、コメ支援や医薬品支援等の直接支援、セクター・プログラム・ローンの見返り資金やノン・プロジェクト無償(見返り資金を含む)の活用を通じた社会セクター開発、食糧増産援助等を行った(インドネシアに対しては総計75万トンのコメ支援を実施した)。
更に、98年月に小渕外務大臣(当時)が表明したASEAN基金に対する我が国の2,000万ドルの拠出(「連帯基金」)を通じ、アジア経済危機に関する共同研究、ASEAN高等東アジア地域教育強化のための支援、我が国企業と現地企業との連携に対する支援、地域的なプロジェクトの発掘・支援等、複数国あるいは地域全体に裨益しうるプロジェクトや構想に活用することとしている。
(5) 我が国の二国間ODA全体に占める東アジア地域のシェアは、80年代前半には5割前後を維持してきたが、86年以降、南西アジア等他の地域への円借款の支出が進んだことや、無償資金協力の対LLDC援助重視によるアフリカ地域のシェア増加及びタイ、マレイシアの無償資金協力対象国からの「卒業」等により、約3割に低下した。なお、97年のDAC諸国全体の対東アジアへの二国間ODA(支出純額ベース)は総額4017億ドルで、対全世界の124%を占めている。我が国は、対東アジア地域への二国間ODAの484%を占める最大のドナー国である。
(6) 98年の有償資金協力は、経済構造改革支援としてのセクター・プログラム・ローン(社会的弱者支援としての見返り資金の活用)等の足の速い円借款や留学生支援を中心に実施しており、二国間政府貸付等の総額の60.6%を占め22億1,780万ドルであった。なお、我が国実績の上位10ヶ国のうち6ヶ国(中国、インドネシア、タイ、ヴィエトナム、フィリピン、マレイシア)を占めた。我が国は従来から経済インフラ整備や農業分野に対する協力を中心として、この地域の経済発展を支援してきたが、最近は、貧困対策、地域格差是正に資する分野や地球規模の課題である環境分野、人口・エイズ分野などにも協力を拡大している。
無償資金協力についても、98年は、アジア危機対策が中心となり、経済構造改革支援及び社会的弱者支援(見返り資金の活用を含む)としてのノン・プロジェクト無償資金協力、医薬品等購入のための緊急無償援助、コメ支援、留学生支援等が実施され、二国間無償資金協力の総額の23.7%を占め億1,429万ドルであった。なお、我が国実績の上位5か国のうち東アジアが3か国(インドネシア、フィリピン、ラオス)を占めている。近年、対LLDC援助の重視及び東アジア地域自体の経済発展に伴い、東アジア地域のシェアは低下してきており、協力分野は、保健・医療、農業・農村開発等の基礎生活分野、人造り分野が中心となっている。
技術協力は、98年には、「日・ASEAN総合人材育成プログラム」の推進等を中心に、我が国二国間技術協力実績総額の33.0%を占め9億1,667万ドル実施した。なお、我が国実績の上位10か国のうち7か国(中国、インドネシア、タイ、フィリピン、マレイシア、韓国、ヴィエトナム)を東アジアが占めている。60年代後半には東アジア地域のシェアが50%を越えたが、その後は概ね30%から40%台のシェアを続けてきている。技術協力は、60年代後半には東アジア地域のシェアが50%を越えたが、その後は概ね30%から40%台のシェアを続けてきている。協力分野は農業・工業等に加え、近年、行政・環境など幅広い分野における人造りを支援している。
(1) 東アジア地域の位置付け
東アジア地域は、我が国にとり近隣諸国として歴史的に密接な関係を有するのみならず、政治・経済両面において密接な相互依存関係を有する。この地域は、近年経済危機の影響を受けているものの、世界の中で特に目覚ましい成長を遂げた地域であり、その経済発展の回復と維持が世界経済の発展のために重要であること、その一方で、環境問題や社会セクターの問題等の課題についての取り組みを強めていること、依然として貧困に苦しむ多数の人々が存在すること等、援助需要は多大である。
また、域内には経済の離陸に成功し、他の開発途上国を援助する国もあり、そうした国の発展の経験も活用し、より効果的な援助を行っていくことが必要である。97年12月の橋本総理大臣のASEAN訪問の際には、21世紀に向けた日本とASEANの新たな協力の柱として、様々なレベルでの相互交流の拡大・深化、国内改革・民間部門、通貨・金融安定、人材育成、競争力強化等、ASEAN経済への協力の推進、環境・保健・福祉向上・麻薬問題等の地球的規模の諸課題への協力の強化等が表明された。なお、ODA大綱においても引き続き重点地域と位置づけている。
(2) 我が国の東アジア向け援助の基本方針
我が国は、経済を含む多くの面でこの地域と特に密接な関係を有しており、今後とも、所得水準や市場経済の段階、更には社会状況や自然状況の異なる東アジアの多様な状況を踏まえ適切な支援を行う必要がある。
東南アジアの中で近年まで高い成長を示していた諸国については、現下の困難な状況を乗り越え順調な経済発展を回復し、政治社会的な安定を維持し得るよう支援することが我が国にとり重要である。また、依然所得水準の低いインドシナ諸国やモンゴルについては、貧困緩和に取り組むとともに、これら諸国の市場経済への移行及び持続的な成長を引き続き支援していく必要がある。更に、12億を超える人口を抱え、その動向が世界的に大きな影響を与え得る中国については、その改革・開放路線を支援し、国際社会のより一層建設的なパートナーとなるよう促すとともに、国内の地域間格差や環境問題等の是正に重点を置きつつ支援していく必要がある。東アジア地域においては広域的な開発への取組み、地域協力の深化と拡大が進みつつあるほか、他の開発途上国への支援を開始したいわゆる「新興援助国」が登場しており、このような動きを支援していく必要がある。
以上を踏まえ、我が国としては、次の諸点を重視して支援を行う。
1)経済構造調整をはじめとした経済危機克服と経済再生のための支援
2)国民生活及び国内の安定に資するための社会的弱者への積極的支援
3)裾野産業育成や適切な経済・社会運営のための人材育成と制度造り等の支援
4)貧困対策、経済・社会インフラ整備、環境保全対策、農業・農村開発における各国の実績に応じた援助の実施
5)地域における広域的な開発(ASEAN域内協力、APEC地域協力、メコン河流域開発等)の取組及び「南南協力」への支援
(3) アジア通貨危機に応じた援助
アジア経済危機の克服は我が国経済回復にも深く関わる課題であり、経済危機の打撃を大きく受けた社会的弱者への支援、中長期的な経済成長回復へ向けた取り組みが優先課題となっており、経済構造改革等のための支援も、我が国としては引き続き積極的に行っていく。
ASEAN諸国のように急速な経済成長を遂げてきた諸国への援助は、より高度な技術移転や人造りの支援に加え、民間部門活性化への公的資金の活用、環境問題や地域間・階層間格差などの経済開発によってもたらされた歪みの是正、保健・医療等の基礎生活分野に力点を置く。特に、新宮澤構想や特別円借款等を活用した支援策のほか、社会的弱者に対する影響に対しては引き続き支援を行っていく。
(4) 地域の多様性及び発展段階に応じた具体的援助
我が国は、国により経済の発展段階が大きく異なる東アジア諸国に対し、各国の実情に応じ、きめ細かい援助を実施している。
1)インドシナ諸国及びモンゴル(低所得国)
LLDCであるラオス・カンボディアについては基礎生活分野に対する無償資金協力や技術協力が中心となっている。また、両国を含むこれら諸国の市場経済化への移行を引き続き支援している。
2)中国(低所得国)やフィリピン、インドネシア(低中所得国)
有償資金協力や無償資金協力、技術協力により社会開発分野や人造り、経済基盤整備、環境分野などへの幅広い協力を実施している。
3)タイ(低中所得国)
原則として無償資金協力は行わず、貧困対策や地域格差是正などの社会開発分野及び経済基盤整備や環境分野などに対する有償資金協力や比較的高度な技術協力を実施している。但し、98年度は経済危機に対する例外的措置として緊急無償(留学生支援)、ノン・プロジェクト無償を実施した。
4)マレイシア(高中所得国)
有償資金協力について、近年の急激な経済成長に伴って生じた歪みの是正を目的とする案件(環境改善など)を対象に検討を行うこととしている。99年3月及び4月には、新宮澤構想を踏まえ、ほぼ年ぶりに新規円借款を供与した。
5)シンガポール、ブルネイ(高所得国)
96年よりDAC援助受取国・地域リストパートIからパートIIへと移行したことに伴い、技術協力に限り実施しているODAを3年間の経過期間中逓減させてきており、98年度をもって終了した。
(5) 南南協力
我が国は、「南南協力」を積極的に推進している。例えば、我が国は、ASEAN諸国の協力を得てカンボディアにおいて難民再定住・農村開発プロジェクト(いわゆる三角協力)を現在実施しているが、これは、UNDPへの我が国拠出金を活用してASEAN諸国の専門家をカンボディアに派遣し、我が国から派遣される専門家、青年海外協力隊と共同で技術協力を実施するものである。このほか、TICAD(アフリカ開発会議)プロセスを通じ、アジア・アフリカ協力の推進にも力を入れている。また、我が国が移転した技術につき近隣諸国への更なる移転を図る事業として実施している第三国研修制度及び第三国専門家制度は、南南協力支援の一形態であり、これらの事業の拡大を図っていくこととしている。更に、比較的高い発展段階にあるシンガポールとタイのドナー国化を促すために、両国との間で「21世紀のための日本・シンガポール・パートナーシップ・プログラム」を実施している。また、98年5月には沖縄で「南南協力支援会合」を開催し、今後の日本と新興援助国との中長期的な協力基盤の構築を見据えたパートナーシップのあり方を議論した。更に、「国際寄生虫対策」として、タイのマヒドン大学にWHOとも協力して人造りと研究活動のためのセンター設定に向けた検討を行っており、周辺諸国の人材研修等、アジアにおける同構想の推進拠点としている。
(6) APECにおける取り組み
「前進のためのパートナーシップ」(PFP)は、APECにおける経済技術協力をより効果的に推進するため、メンバー間の対等なパートナーシップに基づく協力のメカニズムとして、94年にインドネシアで開催されたAPEC閣僚会議において我が国が提唱し採択された。我が国としてはタイ及びマレイシアの協力を得つつ、1)基準・適合性評価、2)工業所有権、3)競争政策の3分野で具体的プログラムを5年にわたり実施することを提唱し、96年度に第1回目のプログラムをそれぞれ実施し、97年度についても更にAPEC閣僚会議メンバーのニーズに合致する形で実施した。
(7) ODA大綱原則の運用状況
東アジア地域においても、我が国はODA大綱の原則に従って援助を実施してきている。すなわち、民主化、経済自由化・開放政策といった好ましい動きに対しては、大綱の原則に照らして我が国自身の援助を強化するとともに、これまでにインドシナ総合開発フォーラム閣僚会合、カンボディア復興国際委員会(ICORC)、モンゴル支援国会合、カンボディア支援国会合(第1回)をそれぞれ主催する等、これら諸国に対する国際的支援の枠組みの構築においても主導的な役割を果たしている。
中国に対しては同国の核実験実施を受け、95年8月、核実験停止が明らかにならない限り、対中無償資金協力を原則凍結するとの措置を採ったが、96年7月より中国が核実験のモラトリアムを実施していること等を踏まえ、97年3月より無償資金協力を再開している。その後は、改革・開放政策に基づく近代化努力の継続、国連人権規約への署名、国防白書、人権白書の発表等、好ましい動きが見られる。国防費についても、対GNP比はむしろ逓減化傾向にある(絶対額は増加)が、今後の動向を注視していく必要がある。ミャンマーに対しては、アウン・サン・スー・チー女史の自宅軟禁解除等に見られる同国の事態の進捗に鑑み、95年7月、援助の原則停止の方針を一部見直し、民主化及び人権状況の改善を見守りつつ、当面は既往継続案件や国民に直接裨益する基礎生活分野(Basic Human Needs:BHN)の案件を中心に、ケース・バイ・ケースで検討の上実施することとした。なお、スー・チー女史率いる国民民主連盟(NLD)の独自国会召集宣言およびその予防措置としてのミャンマー政府によるNLD関係者の大量拘束との図式には、特に98年9月以降も変化が見られない。
(8) 環境対策支援
東アジア地域には、急速な工業化を進めてきた結果、産業公害や都市への人口集中による都市生活環境の悪化、更には自然資源の減少、劣化が進行している国が見られる。これらの問題は、開発途上国の人々に多大な悪影響を及ぼすだけでなく、地球全体に少なからぬ影響を及ぼしうる。我が国は、開発途上国の環境保全に資する援助を積極的に推進しており、居住環境改善(上下水道、ゴミ処理等)、森林保全、公害対策(大気汚染対策、水質汚染防止)、省エネルギー等の分野を対象に協力を行ってきている。具体的には、中国・インドネシアに「環境センター」を設置し、環境モニタリング手法の確立、環境行政分野の人材育成、公害防止技術の研究及び技術普及等を通じ、相手国の環境問題対処能力の向上に貢献しているほか、インドネシアに生物の多様性保全に資する「生物多様性センター」への協力を行っている。
また、95年6月には官民合同のハイレベルの環境ミッションを中国に派遣したほか、日中環境協力に関係する中央政府諸機関、援助実施機関、地方自治体、民間団体が参加する包括的な対話の場として、「日中環境協力総合フォーラム」の設置が合意され、96年5月にその第1回会合が北京で、97年11月に第2回会合が東京で、それぞれ開催された。
97年9月に行われた日中首脳会談においては、1)中国国内のモデル都市において、大気汚染対策を中心とした環境対策を集中的に実施し、環境対策の成功例づくりを図る「日中環境開発モデル都市構想」と、2)中国国内100都市におけるコンピューター整備をとおし、環境情報の収集・把握を図る「環境情報ネットワーク」の整備の2つを柱とする「21世紀に向けた日中環境協力」について合意されている。(詳細は中国の項参照)97年来のインドネシア及び近隣諸国での森林火災による煙害は周辺諸国に影響を及ぼしており、右への対応はASEAN地域全体の問題となっている。我が国は森林火災の予防体制強化のための技術協力プロジェクト等を実施しており、98年9月には、プロジェクト形成調査団を派遣した。また、ASEAN各国やドナー国・関連国際機関と連携を図りつつ、専門家による国際セミナーを開催した。
(9) 人口・エイズ
人口・エイズ分野について我が国は、「地球規模問題イニシアティブ(人口・エイズ)」として94年度から2000年度までの7年間に30億ドルを目途として、ODAによる積極的な協力を行っていくこととしている。東アジア地域においては、タイをエイズ協力、フィリピン、インドネシアを人口・エイズ協力の重点国としており、これ以外の国も含め今後積極的に協力を推進することとしている。99年10月現在、「母と子の健康手帳プロジェクト」(インドネシア)等を実施中である。
(10) 子供の健康(ポリオ根絶に対する援助)
我が国は、日米コモンアジェンダの一環として「子供の健康」の向上のための支援を行ってきており、特に、ポリオの根絶につき、東アジアを中心とする西太平洋地域において必要な協力額の3分の1を供与する最大のドナーである等、積極的な対応を行ってきた。その結果、西太平洋におけるポリオ根絶は最終段階にある。98年度は、モンゴルにおいてWHOとの連携によるポリオワクチン供与を実施したほか、カンボディア・ラオス・ミャンマーで子供の健康無償(HRRI(High Risk Response Immunization))に必要なポリオワクチン、NID(National Immunization Days)用ワクチンの供与等)、中国に対してSUID(Sub National Immunization Days)・コールドチェーン機材(高温に弱いワクチンを低温輸送するための機材一式)等の供与を実施した。
(11)途上国の女性支援(WID)
95年9月、北京で「第4回世界女性会議」が開催され、我が国は、教育、健康、経済・社会活動への参加、の3つを重点分野とする「WIDイニシアティブ」を発表した。東アジアにおけるWID関連事業は近年増加しており、特に母子保健・家族計画・女性の職業訓練の分野で多くの協力を実施している。また95年2月のインドシナ総合開発フォーラム閣僚会合の共同ステートメントにおいて、インドシナ地域での開発を促進するためにはWIDに配慮すべきことが謳われていることを受け、96年1月ハノイにおいて「インドシナ地域WIDセミナー」をESCAP及びUNDPと共同で開催し、さらに、同セミナーの結果を踏まえた国別ワークショップをヴィエトナム(96年月)、ラオス(同6月)、カンボディア(同11月)で開催した。さらに、セミナー及びワークショップでの提言を踏まえた調査、プロジェクト形成を実施しているところである。
(12)地域間格差是正に資する援助
東アジア地域では、都市部における優先的な工業化・都市化政策により都市への機能及び人口集中が極端に進んでおり、そのため都市と地方農村との所得・生活水準の格差、人口流入による都市のスラム化等が問題となっている。地方における農林水産業をはじめとする地場産業振興、生活基盤の整備、雇用機会の創出等が、人口の都市流出を食い止め、地方経済・生活基盤の確保・強化につながることから、従来より我が国は地方のプロジェクトへの協力や地域総合開発に対する調査協力等一国内の地域的配分にも留意して援助の実施に努めてきている。今後とも各国における地方開発計画等も踏まえ、地域格差是正に資する援助に一層留意する必要がある。
(13) 民活インフラ支援
世銀試算によれば1995~2004年の東アジア大洋州地域における経済インフラ整備に対する投資必要額は1兆3~5千億ドルと見積もられているが、この資金に対しては開発途上国自身の公的支援や先進諸国の援助のみでは対応が困難である。このような状況の下で、途上国は先進諸国の民間の資金・ノウハウを導入することにより、多くの経済インフラを効率よく整備する、いわゆる民活インフラ整備への取り組みを活発化している。
その一方、インフラ整備事業には民間だけでは負うことのできない種々のリスクが存在している。そこで、我が国としては、持続的な経済成長を支援する観点から、民活インフラ整備が円滑に実施されるよう必要な支援策を講じていく必要があるところ、事業環境の整備のための政策協議の実施、事業の成立を支援するためのODAの活用などの施策を積極的に推進することとしている。
なお、既に東アジア地域においては、インドネシア、フィリピン等に本件に関する政策対話を行うミッションを派遣しており、また、「バンコク地下鉄建設計画」(タイ)などの具体的な案件も実施されるなど、この分野における協力は世界において最も進んでいる。
(14) 各種援助形態の有機的連携
援助を実施する際に、相手国の経済発展段階や開発需要に即して、これら援助形態を有機的に組み合わせて実施していくことが全体としての効果を高めることとなる。環境研究研修センターや職業訓練センター等に見られるような無償資金協力によるセンター建設とプロジェクト方式技術協力による人造り協力が相乗効果を発揮する等の特定プロジェクトの場合に加え、インドネシアにおいて行われてきたアンブレラ協力のような特定セクターの目標達成のために、種々の援助形態により、同セクター内の複数のプロジェクトを計画的、総合的に実施している場合もある。また、新たな連携として、パッケージ協力がある。これは、我が国の技術協力の各スキームを連携し、相手国の提供しうる手段を含め、総合的・有機的に活用しようとする考え方であり、93年4月フィリピンの初等・中等教育(理数科)分野への協力より実施してきている。
表-2 東アジア地域に対する我が国二国間ODA実績
(支出純額、単位:百万ドル)
暦年 | 1988 | 1989 | 1990 | 1991 | 1992 | 1993 | 1994 | 1995 | 1996 | 1997 | 1998 | 累計 | ||
O D A |
贈 与 |
無償資金協力 | 313.04 (21.1) |
389.51 (25.0) |
311.61 (22.7) |
378.97 (24.9) |
396.74 (22.9) |
448.63 (22.2) |
639.49 (26.6) |
793.43 (26.7) |
475.12 (19.8) |
428.85 (21.3) |
514.29 (23.73) |
7,672.40 |
技術協力 | 519.98(36.5) | 533.26(36.0) | 626.75(38.1) | 626.56(33.5) | 758.44(35.6) | 949.07(36.5) | 978.26(32.4) | 1,153.45(33.4) | 1,027.01(32.3) | 887.21(29.4) | 916.67(32.95) | 11,113.49 | ||
贈与計 | 833.02(28.6) | 922.77(30.4) | 938.36(31.3) | 1,005.52(29.6) | 1,155.18(29.9) | 1,397.69(30.2) | 1,617.76(29.8) | 1,946.88(30.3) | 1,502.12(26.9) | 1,316.07(26.1) | 1,430.96(28.91) | 18,785.89 | ||
政府貸付等 | 2,088.22(59.4) | 2,222.83(59.4) | 2,275.59(58.0) | 1,969.80(36.0) | 3,371.69(73.0) | 2,488.70(70.2) | 2,109.48(49.6) | 2,251.65(54.6) | 1,224.55(44.1) | 629.92(40.0) | 2,217.80(60.65) | 34,744.69 | ||
政府開発援助計 (ODA計) |
2,921.23(45.5) | 3,145.59(46.4) | 3,213.96(46.3) | 2,975.33(33.5) | 4,526.87(53.4) | 3,886.39(47.6) | 3,727.23(38.5) | 4,198.53(39.8) | 2,726.67(32.6) | 1,945.98(29.4) | 3,648.76(42.40) | 53,530.59 |
(注) ( )内は各形態別の全世界合計(東欧を含む)に占める東アジア地域の割合(%)。
図-2 東アジア地域及び全世界に対する我が国二国間ODAの形態別構成(98年、支出純額)
表-3 東アジア地域に対する我が国二国間ODAの形態別・国別・年度別実績
(1) 有償資金協力
(単位:億円)
国名 |
94年度 |
95年度 |
96年度 |
97年度 |
98年度 |
累計 |
インドネシア |
(1) 1,579.66 |
(1) 1,700.67 |
(1) 1,900.50 |
(1) 2,152.48 |
(1) 2,304.80 |
(1) 34,322.73 |
ヴィエトナム |
- |
(4) 1,280.00 |
(5) 810.00 |
(4) 850.00 |
(6) 880.00 |
(7) 5,202.34 |
カンボディア |
- |
- |
(8) 8.03 |
- |
- |
(12) 23.20 |
シンガポール |
- |
- |
- |
- |
- |
(10) 127.40 |
タイ |
(4) 823.34 |
(5) 616.53 |
(4) 1,183.81 |
(3) 1,059.47 |
(4) 1,475.62 |
(4) 16,654.12 |
フィリピン |
(3) 1,242.38 |
(2) 1,485.44 |
(3) 1,242.80 |
- |
(3) 1,570.11 |
(3) 17,725.72 |
マレイシア |
(5) 615.18 |
- |
- |
- |
(5) 1,076.95 |
(5) 7,540.32 |
ミャンマー |
- |
- |
- |
- |
- |
(8) 4,029.72 |
ラオス |
- |
- |
(7) 39.03 |
- |
- |
(11) 90.83 |
東南アジア合計 |
4,260.56 |
5,082.64 |
5,184.17 |
4,061.95 |
7,307.48 |
85,716.38 |
韓国 |
- |
- |
- |
- |
- |
(6) 6,455.27 |
中国 |
(2) 1,403.42 |
(3) 1,414.29 |
(2) 1,705.11 |
(2) 2,029.06 |
(2) 2,065.83 |
(2) 22,608.73 |
モンゴル |
(6) 47.53 |
(6) 44.93 |
(6) 58.27 |
(5) 42.98 |
- |
(9) 299.87 |
合計 |
5,711.51 |
6,541.86 |
6,947.55 |
6,133.99 |
9,373.31 |
115,080.25 |
(注)1.「年度」は、交換公文締結日による。
2.「金額」は、交換公文ベースで、債務繰延を含む。
3.○の中の数字は東アジア地域における順位。
4.旧南ヴィエトナムに対する援助304.30億円を含む。
(2) 無償資金協力
(単位:億円)
国名 |
94年度 |
95年度 |
96年度 |
97年度 |
98年度 |
累計 |
インドネシア |
(5) 70.84 |
(4) 67.19 |
(5) 71.17 |
(2) 93.27 |
(1) 208.84 |
(2) 1,896.64 |
ヴィエトナム |
(7) 56.72 |
(3) 89.08 |
(3) 80.35 |
(4) 72.97 |
(2) 81.86 |
(6) 772.65 |
カンボディア |
(3) 118.21 |
(5) 64.19 |
(4) 71.78 |
(7) 41.84 |
(3) 78.23 |
(8) 547.47 |
シンガポール |
- |
- | - | - | - |
(12) 31.17 |
タイ |
(10) 0.99 |
(9) 1.87 |
(9) 2.56 |
(10) 2.87 |
(9) 22.59 |
(3) 1,614.28 |
フィリピン |
(2) 155.44 |
(2) 103.23 |
(1) 107.31 |
(1) 105.43 |
(6) 61.11 |
(1) 2,115.95 |
マレイシア |
(9) 1.03 |
(10) 1.04 |
(10) 1.26 |
(9) 5.70 |
(10) 0.84 |
(10) 118.82 |
ミャンマー |
(1) 130.42 |
(1) 158.99 |
(2) 0.97 |
(8) 41.22 |
(7) 52.92 |
(4) 1,592.60 |
ラオス |
(8) 46.47 |
(7) 56.88 |
(6) 54.47 |
(3) 91.24 |
(4) 74.77 |
(7) 662.66 |
東南アジア合計 |
540.12 |
542.47 |
469.87 |
454.54 |
581.16 |
9,352.24 |
韓国 |
- | - | - | - |
- |
(11) 47.24 |
中国 |
(4) 4.81 |
(8) 4.81 |
(8) 0.67 |
(5) 68.86 |
(5) 62.30 |
(5) 1,112.84 |
モンゴル |
(6) 59.05 |
(6) 58.25 |
(7) 48.03 |
(5) 50.46 |
(8) 52.75 |
(9) 442.09 |
合計 |
377.64 |
605.53 |
538.57 |
573.86 |
696.21 |
10,954.41 |
(注)1.「年度」は、交換公文締結日による。
2.「金額」は、交換公文ベース。
3.○の中の数字は東アジア地域における順位。
4.旧南ヴィエトナムに対する援助134.60億円及び旧北ヴィエトナムに対する援助85.00億円を含む。
(3)技術協力
(単位:億円)
国名 |
94年度 |
95年度 |
96年度 |
97年度 |
98年度 |
累計 |
インドネシア |
(1) 122.23 | (1) 120.31 | (1) 115.39 | (1) 123.09 | (1) 109.27 | (1) 2,074.41 |
ヴィエトナム |
(6) 23.75 | (6) 32.40 | (6) 33.52 | (5) 42.22 | (6) 46.36 | (7) 220.54 |
カンボディア |
(10) 11.05 | (9) 14.86 | (7) 23.66 | (7) 27.08 | (9) 18.50 | (12) 30.82 |
シンガポール |
(11) 5.22 | (12) 3.90 | (12) 3.02 | (12) 2.89 | (12) 2.37 | (8) 13.62 |
タイ |
(2) 81.02 | (2) 79.78 | (3) 95.07 | (3) 89.05 | (2) 102.52 | (2) 1,618.49 |
フィリピン |
(3) 79.59 | (3) 74.63 | (4) 78.51 | (4) 75.82 | (4) 77.83 | (3) 1,296.46 |
ブルネイ |
(5) 2.17 | (13) 1.96 | (13) 1.80 | (13) 1.32 | (13) 0.75 | (13) 39.28 |
マレイシア | (5) 49.11 | (5) 41.73 | (5) 37.89 | (6) 40.05 | (5) 46.57 | (5) 832.57 |
ミャンマー |
(12) 3.98 | (11) 5.99 | (11) 4.93 | (10) 6.33 | (10) 7.68 | (9) 191.09 |
ラオス |
(8) 18.52 | (8) 19.65 | (9) 16.21 | (9) 18.27 | (7) 29.84 | (10) 180.88 |
東南アジア合計 |
396.64 | 395.21 | 410.00 | 426.12 | 441.69 | 6,798.15 |
韓国 |
(9) 13.05 | (10) 10.05 | (10) 8.54 | (11) 4.65 | (11) 3.42 | (6) 239.94 |
中国 |
(4) 79.57 | (4) 73.74 | (2) 98.90 | (2) 103.82 | (3) 98.30 | (4) 1,089.47 |
モンゴル |
(7) 22.72 | (7) 23.37 | (8) 18.13 | (8) 19.33 | (8) 24.65 | (11) 141.79 |
合計 |
511.98 | 502.37 | 535.57 | 553.92 | 568.05 | 8,269.35 |
(注)1.「年度」は、交換公文締結日による。
2.「金額」は、JICA経費実績ベース。
3.○の中の数字は東アジア地域における順位。
4.旧南ヴィエトナムに対する援助を含む。
表-4 東アジア地域に対する我が国無償資金協力の分野別実績
(1) 全体内訳 |
(単位:億円) |
年度 |
一般 | 水産 | 緊急 | 文化 | 小計 | 食糧 (KR) |
食糧増産 (2KR) |
総計 |
96 | 441.48 (22.9) |
16.16 (15.1) |
6.61 (6.5) |
5.21 (20.8) |
469.46 (21.7) |
24.99 (18.7) |
44.00 (14.6) |
538.45 (20.7) |
97 | 452.76 (23.3) |
- (-) |
80.67 (63.5) |
4.15 (16.6) |
537.58 (24.4) |
19.00 (12.4) |
47.50 (17.3) |
604.08 (23.0) |
98 | 476.43 (25.3) |
- (-) |
119.13 (57.8) |
3.60 (15.6) |
599.15 (27.2) |
35.67 (25.0) |
61.40 (23.6) |
696.22 (26.8) |
(注)1.「一般」には、「一般プロジェクト無償」、「経済構造改善努力支援(ノン・プロジェクト)無償」、「債務救済」及び「草の根無償」が含まれる。
2.( )は、金額の全世界合計に占めるシェア(%)。
(2) 一般無償内訳 |
(単位:億円) |
年度 | 医療・保健 | 教育・研究 | 民生 環境改善 |
農林業 | 通信・運輸 | 債務救済 | その他 | 合計 |
96 |
25.84 |
50.59 (25.7) |
48.91 (14.1) |
48.73 (51.0) |
84.50 (21.0) |
83.02 (27.3) |
99.89 (28.3) |
441.48 (22.9) |
97 | 56.71 (25.6) |
41.90 (17.9) |
54.59 (13.4) |
33.33 (51.8) |
118.74 (30.6) |
42.96 (15.4) |
104.53 (29.9) |
452.76 (23.3) |
98 | 57.68 (24.0) |
48.38 (26.5) |
51.40 (20.8) |
31.97 (44.2) |
90.62 (24.6) |
44.35 (13.2) |
152.03 (35.0) |
476.43 (25.3) |
(注)1. 「一般」には、「経済構造改善努力支援(ノン・プロジェクト)無償」及び「草の根無償」が含まれる。
2. ( )は、金額の全世界合計に占めるシェア(%)。
表-5 東アジア地域に対する我が国技術協力の年度別・形態別実績
年度 | 経費総額 (億円) |
研修員受入 (人) |
専門家派遣 (人) |
調査団派遣 (人) |
協力隊派遣 (人) |
93 | 466.63 (35.0) |
3,936 (45.2) |
1,513 (51.9) |
2,948 (38.6) |
191 (18.7) |
94 | 511.98 (36.4) |
4,205 (44.0) |
1,583 (52.9) |
3,325 (43.0) |
177 (15.8) |
95 | 502.37 (37.2) |
4,590 (44.6) |
1,565 (51.4) |
3,332 (38.7) |
180 (15.0) |
96 | 540.00 (37.3) |
4,614 (43.0) |
1,574 (52.1) |
3,871 (43.3) |
198 (19.2) |
97 | 559.48 (38.0) |
4,657 (41.0) |
1,583 (52.5) |
3,605 (40.6) |
178 (15.7) |
98 | 568.05 (39.0) |
12,485 (63.6) |
1,682 (49.6) |
3,293 (41.1) |
192 (16.7) |
累計 | 8,334.80 (40.4) |
88,491 (49.7) |
28,149 (53.4) |
64,541 (47.8) |
3,687 (19.4) |
(注)1.JICA実績ベース。
2.( )は、全世界に占める南西アジア地域のシェア(%)。
表-6 東アジア地域に対する我が国技術協力の分野別人数実績(98年度までの累計)
(単位:人)
研修員受入 | 専門家派遣 | 調査団派遣 | 協力隊派遣 | |
計画・行政 開発計画 行政 公共・公益事業 公益事業 運輸交通 社会基盤 通信放送 農林・水産 農業 畜産 林業 水産 鉱工業 鉱業 工業 エネルギー 商業・観光 商業・貿易 観光 人的資源 人的資源 科学・文化 保健医療 社会福祉 その他 |
1,673 12,560 1,309 5,274 4,289 3,605 8,146 1,799 1,551 1,678 989 7,072 1,726 3,068 399 21,129 769 7,391 3,331 733 |
652 1,632 810 2,605 1,959 1,136 3,895 919 1,430 600 571 2,025 414 385 39 2,794 829 4,656 472 326 |
3,660 2,172 3,464 9,314 6,820 2,050 9,331 716 2,275 893 2,945 5,739 4,177 349 496 2,806 490 3,038 331 3,475 |
12 213 33 21 156 132 674 220 64 118 11 540 12 6 - 850 141 408 1 75 |
計 |
88,491 | 28,149 | 64,541 | 3,687 |
(注)JICA人数実績による。
表-7 東アジア地域に対するDAC主要援助国の二国間ODAの推移
国名 | 93年 | 94年 | 95年 | 96年 | 97年 |
日本 | 3,886.4(49.1) | 3,727.2(39.0) | 4,199.2(40.3) | 2,726.7(33.2) | 1,946.0(29.7) |
ドイツ | 729.1(17.1) | 785.9(19.0) | 981.8(20.4) | 626.4(13.8) | 710.2(19.5) |
フランス | 345.3(6.0) | 478.3(7.2) | 429.1(6.7) | 323.8(5.6) | 205.3(4.3) |
オランダ | 22.1(1.3) | 16.7(1.0) | 33.8(1.5) | 18.0(0.8) | 29.4(1.4) |
米国 | 268.0(4.1) | 228.0(3.1) | 110.0(2.0) | -30.0(-0.4) | 25.0(0.5) |
豪州 | 264.6(37.2) | 319.4(38.7) | 373.1(40.2) | 306.6(36.0) | 280.6(36.2) |
スエェーデン | 134.2(10.5) | 97.0(7.1) | 90.7(7.6) | 139.1(10.0) | 112.4(9.3) |
その他 | 1,254.8(-) | 1,113.6(-) | 823.9(-) | 734.3(8.0) | 707.9(8.5) |
全DAC諸国計 | 6,904.4(18.7) | 6,766.0(16.4) | 7,041.6(17.4) | 4,844.8(12.4) | 4,016.6(12.4) |
(注) ( )内は、各DAC諸国の二国間ODAの総計(東欧を除く)に占める東アジア地域のシェア(%)
表-8 南西アジア地域に対するDAC主要援助国の国別二国間のODA実績(97年)
(支出純額、単位:百万ドル)
- | 日本 | ドイツ | フランス | オランダ | 米国 | 豪州 | スエェーデン | その他 | DAC合計 |
インドネシア |
496.9 232.5 -140.6 61.6 3.1 468.3 576.9 319.0 0.2 -258.9 14.8 78.0 78.6 |
115.2 40.1 14.3 17.0 -4.4 35.3 381.9 56.6 0.0 6.4 1.4 14.0 16.6 |
12.6 63.9 9.5 27.1 2.0 8.2 50.1 12.2 0.1 0.9 1.9 0.6 14.8 |
-48.8 19.1 0.2 11.5 0.2 6.1 7.7 22.4 0.0 2.0 1.2 1.8 4.2 |
-51.0 48.0 -44.0 30.0 0.0 8.0 0.0 15.0 0.0 0.0 0.0 12.0 2.0 |
78.6 41.3 0.0 24.0 0.0 13.9 36.0 42.9 0.0 2.9 1.7 1.7 14.3 |
18.7 15.8 -0.0 3.0 0.4 9.9 35.4 16.5 0.0 2.2 0.1 0.2 1.2 |
1.3 35.7 0.0 23.0 0.0 5.4 6.8 16.7 0.0 0.1 0.1 0.8 15.5 |
790.5 585.5 -158.3 226.0 1.6 600.8 1,228.6 567.3 0.3 -243.7 23.6 118.1 164.8 |
合計 |
1,946.0 | 710.2 | 205.3 | 29.4 | 25.0 | 280.6 | 109.5 | 112.4 | 4,016.6 |
(注) 合計には、「その他」、「分類不能」が含まれている。
表-9 東アジア地域に対するDAC諸国のODA実績
ODA NET |
(支出純額、単位:百万ドル) |
暦年 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | うち日本 | 合計 |
95 |
日本 4,199.2 日本 2,726.7 日本 1,946.0 |
ドイツ 981.8 ドイツ 656.4 ドイツ 710.2 |
フランス 429.1 フランス 323.8 豪州 280.6 |
豪州 373.1 豪州 306.6 フランス 205.3 |
オーストリア 184.9 スウェーデン 139.1 英国 139.1 |
4,199.2 2,726.7 1,946.0 |
7,043.2 4,844.8 4,016.6 |
政府貸付 |
(支出純額、単位:百万ドル) |
暦年 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | うち日本 | 合計 |
95 |
日本 2,252.4 日本 1,224.5 日本 629.9 |
ドイツ 482.3 ドイツ 173.9 ドイツ 318.0 |
フランス 228.0 フランス 138.7 スペイン 93.0 |
オーストリア 166.9 スペイン 82.5 フランス 72.6 |
スペイン 101.2 オーストリア 68.1 オーストリア 56.6 |
2,252.4 1,224.5 629.9 |
3,038.1 1,458.2 976.9 |
無償資金協力 |
(支出純額、単位:百万ドル) |
暦年 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | うち日本 | 合計 |
95 |
日本 793.4 日本 475.1 日本 428.9 |
豪州 172.8 スウェーデン 123.6 スウェーデン 106.2 |
ドイツ 148.3 豪州 111.9 豪州 104.4 |
フランス 91.6 ドイツ 106.1 ドイツ 92.5 |
英国 77.4 デンマーク 87.9 デンマーク 89.6 |
793.4 475.1 368.6 |
1,503.8 1,412.6 1,173.3 |
技術協力 |
(支出純額、単位:百万ドル) |
暦年 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | うち日本 | 合計 |
95 |
日本 1,153.4 日本 1,027.0 日本 887.2 |
ドイツ 351.3 ドイツ 346.3 ドイツ 299.8 |
米国 246.0 豪州 194.7 豪州 176.2 |
豪州 200.3 米国 130.0 米国 141.0 |
フランス 109.5 フランス 118.5 フランス 90.3 |
1,153.4 1,027.0 887.2 |
2,356.4 2,108.2 1,869.3 |
表-10 東アジア地域に対する国際機関のODA実績
ODA NET | (支出純額、単位:百万ドル) |
暦年 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | うち日本 | 合計 |
95 |
IDA 877.7 IDA 1,074.4 IDA 947.3 |
ADB 336.3 ADB 235.3 ADB 363.9 |
CEC 207.2 CEC 213.6 CEC 203.3 |
IMF 150.0 IMF 189.0 WFP 185.4 |
UNDP 143.1 UNDP 131.7 UNDP 166.6 |
346.1 319.3 257.9 |
2,060.5 2,163.3 2,124.3 |
政府貸付 |
(支出純額、単位:百万ドル) |
暦年 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | うち日本 | 合計 |
95 |
IDA 877.7 IDA 1,074.4 IDA 947.3 |
ADB 265.3 ADB 233.2 ADB 363.6 |
IMF 150.0 IMF 189.0 IFAD 33.5 |
IFAD 5.4 IFAD 23.2 IMF 11.0 |
- - - |
0.0 0.0 0.0 |
1,298.4 1,519.8 1,374.6 |
無償資金協力 |
(支出純額、単位:百万ドル) |
暦年 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | うち日本 | 合計 |
95 |
CEC 199.7 CEC 206.8 CEC 196.4 |
ADB 71.0 WFP 75.6 WFP 185.4 |
WFP 69.3 UNHCR 60.4 UNHCR 35.8 |
UNHCR 58.3 ADB 2.1 ADB 0.3 |
- - - |
0.0 0.0 0.0 |
398.3 344.9 417.9 |
技術協力 |
(支出純額、単位:百万ドル) |
暦年 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | うち日本 | 合計 |
95 |
UNDP 143.1 UNDP 131.7 UNDP 166.6 |
UNICEF 87.8 UNICEF 80.9 UNICEF 89.7 |
UNTA 69.9 UNTA 24.1 UNTA 39.7 |
UNFPA 28.0 UNFPA 23.2 UNFPA 23.4 |
CEC 7.5 CEC 6.9 CEC 6.9 |
27.4 31.9 5.7 |
363.7 298.7 331.9 |