2024年版開発協力白書 日本の国際協力

4 開発協力人材・知的基盤の強化、発信に向けた取組

(1)開発協力人材・知的基盤の強化

モザンビークでUNICEFが支援する就学前教育プログラムを受けているこどもたちとUNICEFモザンビーク事務所の原田匡剛(教育担当官)(写真:UNICEF Mozambique)

モザンビークでUNICEFが支援する就学前教育プログラムを受けているこどもたちとUNICEFモザンビーク事務所の原田匡剛(教育担当官)(写真:UNICEF Mozambique)

効果的・戦略的な開発協力の実施には、開発課題に高い知見を有する人材の確保・育成および国民の理解と支持が不可欠です。

日本政府は、国連関係機関で勤務する日本人職員数を2025年までに1,000人とする目標を掲げ、大学や国際機関駐日事務所などと連携しつつ、世界を舞台に活躍する人材の発掘・育成・キャリア構築を積極的に支援しています注34。「開発協力を担う人材の育成」(ODAに関する有識者懇談会提言)でも触れられているように、開発協力を担う人材を含めたグローバル人材の育成を喫緊の課題とし、高等教育機関の学生や既就職者などを含む幅広い層を対象に、国際機関の採用制度を説明するセミナーを国内外で開催しています。最近では主にオンラインで実施することにより、海外在住の現職の国際機関職員も登壇し、具体例を交えて紹介することが可能になっています。このほか、動画配信、国際機関の幹部や人事担当者によるセミナーの実施なども行っています。

また、日本政府は、ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー(JPO)派遣制度(詳細は図表V-3「日本人が国際機関職員になるための主な方法」を参照)を通じて、開発協力分野に携わる機関を含む、国際機関で活躍する人材の育成に努めています(国際機関日本人職員の活躍については「国際協力の現場から」、「案件紹介」を、JPO制度で派遣中の国際機関職員のキャリア紹介については「国際協力の現場から」を参照)。外務省は、1974年にJPO派遣制度を開始して以降、これまでに累計2,000人以上を派遣し、2024年には制度開始から50周年を迎えました。2023年度には55人のJPOを派遣しています。このほか、「平和構築・開発におけるグローバル人材育成事業」注35も実施しています。

JICAでは、国際協力キャリア総合情報サイト「PARTNER」注36を通じ、省庁、JICAに加え、NGO、国際機関、企業および大学などの幅広い主体の国際協力に関する情報(求人および各種研修・セミナーなど)を一元的に発信しているほか、人材の登録、キャリア相談などを行っています。また、日本の国際協力に関心を持ち、将来幅広い分野で国際協力人材として活躍したいという意思を有する大学生・大学院生などに対し、インターンシップを実施しています。さらに、国際協力専門員制度により、高い専門的な能力と開発途上国での豊富な業務経験を持つ人材を確保するとともに、人材育成のため、ジュニア専門員の採用や、能力強化研修なども実施しています。

また、JICA緒方貞子平和開発研究所では、開発協力の現場で得られた知見を分析し、その研究結果をJICAの事業にフィードバックするとともに、人間の安全保障に関する報告書・学術書籍の出版やシンポジウムの開催を行うなど人間の安全保障の実現およびSDGsの達成に貢献しています。

図表Ⅴ-3 日本人が国際機関職員になるための主な方法

  1. 注34 : 外務省国際機関人事センター・ホームページ(https://www.mofa-irc.go.jp/)では、国際機関空席情報や国際機関で働くための様々な情報提供をしています。
  2. 注35 : 注40を参照。
  3. 注36 : 国際協力キャリア総合情報サイト「PARTNER」 https://partner.jica.go.jp/
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