2024年版開発協力白書 日本の国際協力

(2)情報公開、国民の理解と支持の促進に向けた取組

グローバル化が進んだ現在、日本と開発途上国は共に支え合う関係にあります。日本のODAは、開発途上国を含む世界の平和と繁栄に貢献し、それにより日本の国益の確保を図る上で重要な取組であり、大きな意義を有しています。ODAが国民の公的資金を原資としている以上、こうした開発協力の意義や取組を分かりやすく発信し、国内の幅広い国民の理解と支持を得ることは不可欠です。また、海外においてもこうした日本の取組を正しく理解してもらうことは、友好な二国間関係や日本の国際社会における信頼を高める上でも重要です。こうした観点から、ODA広報の重要性はますます高まっており、民間企業や地方自治体、NGO等の多様な担い手との連携を進めるためにも、多くの人々に認識していただき、参画を得ていくことが重要です。

日本政府は、ODAに関する広報・情報発信について、次のとおり様々な取組を行っています。

■広報・情報発信の強化

効果的なODA広報を行うために、外務省、JICAは共に連携し取組を進めています。日本国内向けには、ODAホームページやSNS、YouTube動画、メールマガジン、コンテンツ制作、広報イベントの開催、出前講座などを通じて、普段あまりODAに接点のない若者や地方の中小企業関係者などにも届くよう政策広報に取り組んでいます。具体的には、国際協力の現場を舞台としたテレビドラマシリーズの第3弾「ファーストステップ3 世界をつなぐ平和への願い」の制作、「鷹の爪団の 行け!ODAマン」シリーズの制作など、知名度の高い出演者やキャラクターを活用し国民に分かりやすく紹介しています。外務省、JICAのみならず日本の開発協力の関係者が一体となって広報発信する取組として、毎年、国際協力の日(10月6日)の前後に、外務省、JICAおよび国際協力NGOセンター(JANIC)の共催で、日本最大級の国際協力イベント「グローバルフェスタJAPAN」を開催しています。2024年は国際協力70周年記念事業を複数開催しています(具体的な取組の詳細は「開発協力トピックス」を参照)。また、国際協力に携わった人の話を聞くことができる国際協力出前講座などにも力を入れています。

日本国外においては、開発途上国にある日本大使館などで、現地報道機関にODA事業の現場を取材してもらったり、現地語による広報資料を作成したり、供与した機材や建設した施設に日の丸を表示するなど、顔の見える支援に努めています。また、大使や総領事が自らX(旧ツイッター)やインスタグラムで積極的に発信しており、現地の人々の日本のODA事業への理解に努めています。

毎年公表する開発協力白書においては、写真や現場からのコラムなどを充実させることで分かりやすく親しみやすい内容を目指し、統計データを掲載することで実施状況に関する透明性の確保に努めており、また、日本語に加え英語でも発行しています。こうした取組の結果、グローバルフェスタへの参加者や出前講座の件数、動画再生回数など各種広報ツールへの国民の反応は着実に増しており、引き続き一層効果的な広報に努めていきます。

■ODAの実施・評価に関する情報公開

外務省・JICAは、「ODA見える化サイト」注37をJICAホームページ上に設け、ODA事業の概要、成果および事前・事後評価などを随時掲載しています。

また、外務省ホームページでは、新規ODA案件や統計資料などを掲載しているほか、政策・プロジェクトレベルのODA評価の結果なども公表注38しており、より効果的なODAの実施とODAに対する国民の理解および支持の促進に努めています。

■開発協力の推進
外務省職員によるODA出前講座の様子

外務省職員によるODA出前講座の様子

開発途上国に派遣中のJICA海外協力隊と接続する、オンライン型出前講座の様子

開発途上国に派遣中のJICA海外協力隊と接続する、オンライン型出前講座の様子

外務省は、外務省職員が国内の教育機関やNGOなどで、ODAを始めとする国際協力について解説する「ODA出前講座」を開催し、過去10年間において合計318回の講座を開催し、約3.2万人の学生を中心とした参加者を得ました。JICAでも全国15か所の国内拠点がJICA海外協力隊経験者や地域の国際協力関係者、来日中のJICA研修員を講師として紹介する対面型出前講座に加え、開発途上国に派遣中のJICA海外協力隊やJICA職員らが体験談や異文化理解などを伝えるオンライン型出前講座を開催し、2023年度は約1,600回、約14万人の参加を得ました。そのほか、国内拠点で学生の訪問を受け入れる「JICA訪問」、「JICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト」を実施するほか、展示施設「地球ひろば」を提供するなど、国際協力の理解や参加の促進に努めています。

■議論や対話の促進

日本政府は、ODAを活用した支援について、NGOや企業、経済団体などに対する説明会を開催しています。また、国際協力をめぐる動きや日本の取組を紹介する講演などを開催しており、外交やODAに関心を有する国民と対話する場を随時設けています。


  1. 注37 : ODA見える化サイト https://www.jica.go.jp/oda/)
  2. 注38 : ODA評価 https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/kaikaku/hyoka.html
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