ODAとは? 国際協力とNGO(非政府組織)

2002年度 農業分野NGO研究会報告書

※NGO:非政府組織(Non-Governmental Organizations


第6回・東京:評価会

 平成14年度に実施したプログラム全体の反省をし、年度初めに掲げた3ヵ年の目標と照らし合わせ、達成できたこと、できなかったことの見直し、および今年度の成果を踏まえて、来年度に取組むべき問題について、本研究会への参加者で集まり検討する。



各ワークショップからの報告
協議事項
    (1) 当初の3ヵ年計画の目的との照合・実績評価
    (2) 今後の課題・来年度の研究会のテーマ
質疑応答


とき 2003年1月14日(土曜日)
ところ 国際協力事業団(市ヶ谷)


ワークショップ報告


 それぞれの回の報告を参照のこと。



協議事項


(1) 当初の3ヵ年計画の目的との照合、実績評価

 JANARDでは2001年度から2003年度の3ヵ年の目標として「持続可能な農村活性化をめざすNGOの能力向上をめざし以下の4項目を掲げている。
1) 各団体におけるプロジェクト運営の質をさらに向上させ、複数の団体の協力によるプロジェクト実施に備えること
2) 持続可能な農業技術を通して農業生産性を高めるなど、現場レベルでの成果を生み出すための知識・技術を習得すること
3) 住民参加協力/手法をフィールドにて獲得することで、ニーズ把握、それに即したプロジェクトの実践を行う力を補強すること
4) ネットワークの更なる強化・拡大を図ること


 こうした3ヵ年の目標に基づき、今年度は以下のような取り組みを行った。
1) 昨年度に引き続き、住民参加の手法であるPRAをネパールにて学習し(昨年度はインドにて)、参加グループのなかではそれぞれが活動するプロジェクト現場(ネパールやフィリピンなど)で実践するケースが増えている。
2) 持続可能な農業技術に関する知識を得るだけでなく、今年度は千葉県の有機農業グループの協力を得て、ぼかしなどの技術を使った堆肥づくりの現場を訪問するなど、より実践的な学習を行うことができた。
3) JANARDに参加するグループが地方での研究会開催を通じて、設立当初の14団体(2000年12月)から29団体(2002年4月現在)に増え、ネットワークが着実に広がっている。

(2)今後の課題・来年度の研究会のテーマ

 来年度の具体的な目標については以下を検討している。
1) PRA指導者養成
2) 農村経営についてより専門的な知識や手法を学ぶ。国際機関との連携も視野に入れる。
3) メンバー団体によるコンソーシアムをつくり、連携プロジェクトの実践をめざす。
 これらを確認した上で以下のような意見交換を行った。
グループ間の連携強化
●JANARDに参加しているグループ同士の交流がもっと必要ではないか。現場でどのような活動を行い、どのような問題を抱えているのかをより深いレベルで意見交換を行うのが望ましい。

●持続可能な農業・農村とは何か、何をめざすのかについてJANARD自身のビジョンをより鮮明にするよう議論を深めること

情報交換の強化
●ぼかし」の作り方などの適正技術を英訳したものなど、具体的に役立つ資料・文献に関する情報交換をグループ間でより活発に行うべきである。 また、既に東南アジアなどで行われているアヒル農法などユニークな実践例なども文献紹介されているのでデータベース化してはどうか。

研究会に望むこと
●研究会は時間的な制約もあり、具体的な農業技術の実習を毎回、行うことは難しいかもしれないが、来年度の研究会で1回か2回はそれにテーマを絞ったものを企画してはどうか。

●農業技術だけでなく、農村全般に関する経営に関する専門的な知識を深めること(専門性の獲得)

●参加者のレベルがあまりに違い過ぎるので、初級編~上級編に分けて研究会を設定してはどうか。

●半日のワークショップでは専門的な講義には時間的に不足。合宿形式あるいは連続講義形式を考えてはどうか。具体的には次の二つのテーマを提案する。
1) パーマカルチャー初中級編
2) アヒル農法による稲作栽培
現在、岡山県にて実験を行っている研究者を講師に招いてはどうか。



参考文献


PRA関連
  「入門社会開発:国際開発ジャーナル社、1995」
「続・入門社会開発:国際開発ジャーナル社、2000」
「社会調査ハンドブック:日本経済新聞社」
「農村開発調査入門:菅野哲哉、アイ・シー・ネット株式会社」
「第三世界の農村開発:ロバート・チェンバース、明石書店、1995」
「参加型開発と国際協力―変わるのはわたしたち:ロバート・チェンバース、明石書店、2000」
Participatory Training Methodology ―A Process and Content for Empowerment:M.C.Raj、REDS」
PCM関連
  「参加型開発の方法論レジュメ:PCM手法を通して参加型プロジェクトを考える:源由理子
「小規模社会開発プロジェクト評価:アーユス、NGOプロジェクト評価法研究会編、国際開発ジャーナル社、1995」
「開発援助のためのプロジェクト・サイクル・マネジメント:財団法人 国際開発高等教育機構、1993」
NGO関連
  「未来・学び・NGO:新評論、2001」
「被抑圧者の教育学:パウロ・フレイレ、亜紀書房、1979」
「NGOの時代:熊岡路矢、めこん、2000」
「医者 井戸を掘る アフガン旱魃との闘い:中村哲、石風社、2001」
開発関連
  「国際開発の地域比較:狐崎知己、2000」
「エンパワーメントの女性学:織田由紀子ほか、有斐閣、1995」
「地球文明の未来学」ヴヴォルフガン・ザックス2003、新評論
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