ODAとは? ODA評価

第1回ODA評価ワークショップの開催

平成13年11月9日

1.概要及び主要論点

(1)概要

(イ)11月7、8日、外務省において、「ODA評価東京ワークショップ」が開催され、その成果をまとめた議長による記者発表が発出された。
 本件ワークショップには、アジア15カ国*から援助関係機関のハイレベル及び国際機関(ADB、DAC、UNDP、世界銀行)の評価担当関係者他が約60名、わが国からは、杉浦正健外務副大臣、武見敬三参議院外交防衛委員会委員長、広野良吉成蹊大学名誉教授(議長)ほかが参加した。更に、政府機関関係者、NGO関係者、学生等が傍聴者として出席し、合計約120名の参加を得た。

 *インド、インドネシア、カンボジア、タイ、中国、パキスタン、バングラデシュ、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、モンゴル、ラオス、韓国、シンガポ-ル

(ロ)アジア諸国は、今次ワーキングショップ開催の日本のイニシアティブを高く評価し、今回の会合をフォローするために来年も東京で同様のワークショップを開催することとなった。

(2)主要論点

(イ)ODA評価が重要であり、評価におけるアジア途上国の果たす役割は極めて大きい。また、途上国において評価能力を強化する必要がある。

(ロ)被援助国を評価のフィードバックの仕組みに取込むことが不可欠である。適切なフィ-ドバックなくして、評価の存在理由とその意義は失われる。

(ハ)プロジェクト・レベルの評価に加え、政策・プログラムレベル評価、更には事前評価、モニタリングが重要である。これらの課題について更に議論を重ねることで合意し、負担の軽減のために共通の枠組みやマニュアルの作成が提案された。

2. 意義

(1)我が国のODAがアジアの途上国の安定と発展のために重要な役割を担っていることが再認識されると共に、より効果的ODAのためには評価が一層重要であることが強調された。また、杉浦副大臣や武見委員長から、ODAに対する日本国内の厳しい雰囲気を説明できた点は大きい。

(2)本件ワークショップは、我が国がイニシアティブを取ってアジアの途上国の参加を得て日本で開催されたODA評価関連ワークショップとしては、最初のものであった。ハイレベルの参加を得ると共に、世銀、UNDP、ADB等国際援助機関からも評価専門家(局長クラス)が出席し、ODA評価と途上国が果たす役割について活発な意見交換が行われたのは有意義であった。

(3)途上国からの出席者だけでなく、DAC参加者からも今回の日本のイニシアティブを高く評価するとともに、単に「評価」の分野にとどまらず、他のODAの挑戦(チャレンジ)についても、日本がイニシアティブをとり、アジア地域を取り込んだ議論を是非とも引き続き行って欲しい旨が強く表明された点は注目すべき。

(4)途上国自身が、評価の重要性を認識し、評価において果たす役割(キャパシティービルディング、モニタリング等)を自覚したことは、本件ワークショップの成果の一つといえる。但し、途上国は各国のODA評価の改善のため努力することが期待されており、今後もそれぞれの国内でのフォローアップを見守ることが必要。

(5)本件会合は、昨年9月に開催されたODA評価に関するDAC東京ワークショップを契機として開催されたが、我が国提案を受けて来年も東京において同様のワークショップを実施することが記者発表に盛り込まれた。来年のワークショップをより意義あるものとする準備が必要。その際、国会議員をはじめ多くの援助関係者に参加してもらうことも重要。

(6)一部を除いて議論を一般に公開し、参加希望者をホームページ上で募集したところ、130~140件の参加希望が寄せられ、スペ-スの都合で結果的に関係省庁、研究者、学生、コンサルタント、NGOから延べ約60名が参加した。外務省主催のこの種の国際会議を広く一般公開することは、ODAの透明性の確保の観点から画期的なことであり、ODA評価についての我が国の取組み及び評価一般についての国民の関心の高さが伺われた。

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