地球環境
緑の未来イニシアティブ
緑の未来協力隊
「緑の未来協力隊」とは
地球環境問題に対する懸念が高まる中,1992年にブラジルのリオデジャネイロで開催された「国連環境開発会議(地球サミット)」は,今日の国際環境政策の幕開けとなる画期的な会議でした。その20年後の2012年,同じリオデジャネイロで開催されたのが国連持続可能な開発会議(リオ+20)です。「持続可能な開発と貧困撲滅の文脈におけるグリーン経済」が主要な議題に掲げられ,官・民併せて約3万人が参加したリオ+20では,成果文書「The Future We Want(我々の求める未来)」がとりまとめられ,グリーン経済の重要性や持続可能な開発目標(SDGs)の策定など,持続可能な開発の実現に向けて,今後の国際的取組を進展させる上で重要な成果が得られました。
日本は,これまでも持続可能な開発への取組を外交上の重要課題の一つとして位置づけ,地球規模の議論を主導してきました。リオ+20においても,持続可能な開発のために全ての関係者が力を合わせる必要性を訴え,積極的に議論に参加しました。また,その具体的な処方箋として,「環境未来都市」の世界への普及,世界のグリーン経済への移行,強靱な社会づくりの3本柱から成る「緑の未来イニシアティブ」を発表しました。これは,我が国が特に経験と知見を有し,国際社会から我が国の貢献が期待されている分野に焦点を当てて策定したものです。
イニシアティブの2本目の柱であるグリーン経済はリオ+20の主要テーマでもあり,今やグリーン経済への移行は,全ての国が手を携えて取り組むべき課題となっています。世界全体でのグリーン経済移行実現のためには,途上国における取り組みが鍵となります。しかしながら,途上国における環境政策や環境技術,あるいはそれらに深く関連する水,農業,エネルギー分野における人材は圧倒的に不足しています。このような現状を打開すべく,この分野において優れた知見,経験,技術を持つ日本が,途上国における人づくりを後押しするために編成するのが「緑の未来協力隊」です。「緑の未来」イニシアティブでは,3年間で1万人規模の「緑の未来協力隊」を新たに編成し,途上国に派遣することで,環境分野での人材育成に協力していくことを発表しました。具体的には,環境,水,農業等の分野を対象に,開発途上国それぞれの事情を踏まえ,JICAの青年海外協力隊などの皆さんにその役を担っていただく予定です。
「緑の未来協力隊」は,下記のとおり2012年12月に立ち上がり,第一陣が12月末から翌年1月にかけてアジア・アフリカ等の任地に向け出発しました。日本政府は,本ホームページ等を通じ,「緑の未来協力隊」の活躍ぶりを,広く発信していきます。
「緑の未来協力隊」立ち上げセレモニーの実施
2012年12月17日,アジア・アフリカ諸国などの任地に向けて出発する緑の未来協力隊第一陣(計73名)の代表者13名が玄葉外務大臣のもとを訪れ,立ち上げセレモニーを行いました。セレモニーでは大臣より,持続可能な開発分野において日本が世界をリードするため,緑の未来協力隊が日本の「顔」として貢献することを期待すると激励し,ハンドブック,バッジ,隊員証を手渡しました。協力隊代表者からは,途上国の持続可能な開発に貢献していることを自覚して活動を行っていくとの意気込みが示されました。
フォーラム「グリーン経済を考える」-「緑の未来協力隊」発足に際して-の開催


2012年12月20日,「緑の未来協力隊」の発足を記念し,「グリーン経済」に向けたオールジャパンの取組を加速させるべく,外務省とJICAの共催により,フォーラム『「グリーン経済を考える」-「緑の未来協力隊」発足に際して-』を開催しました。政府,民間企業,学会,NGO等様々なセクターから約120名の参加を得,「グリーン経済」とは何なのか,なぜ重要なのか,そしてグリーン経済への移行に向けて世界や日本はどのように取り組んでおり,またこれから取り組んでいくべきかを多方面から議論するパネルディスカッションを行いました。