人権外交

令和4年7月21日

1 UPR設立の経緯

 国連では、人権分野への対処能力強化を目的として、2006年3月に採択された総会決議に基づき、同年6月までの人権委員会に替えて人権理事会が創設された。

 その後、人権理事会は制度構築を1年かけて行い、2007年6月に制度構築の合意テキストが採択され、「UPR(普遍的・定期的レビュー)」制度が具体化された。2008年4月より審査を実施。

2 UPRの概要

 UPRは、人権理事会の創設に伴い、国連加盟国(193ヶ国)全ての国の人権状況を普遍的に審査する枠組みとして盛り込まれた制度。

  • (1)国連加盟国各国は約4年半のサイクルで全ての国が審査される。審査基準は、国連憲章、世界人権宣言、当該国が締結している人権条約、自発的誓約、適用されうる人権法。
  • (2)審査は、1年間に3回、人権理事会の定期会合以外に開催される作業部会の形で行われる。作業部会における審査においては国連加盟国全てが議論に参加し、人権理事会理事国3か国(くじ引きにより決定。「トロイカ」と呼称される。)が1チームとして被審査国の報告者国となる。NGOも作業部会を傍聴することが可能。
  • (3)各国の審査に要する作業時間は、作業部会における審査に3時間半、作業部会における報告の採択に30分、人権理事会本会合における審査結果の検討に1時間が当てられる。
  • (4)審査結果としての結果文書は人権理事会本会合で採択される。結果文書は、勧告及び(または)結論と被審査国の自発的誓約から構成される。被審査国及び人権理事会メンバー国、及びオブザーバー国(その他の国連加盟国)は、人権理事会本会議が結果文書を採択する前に右文書についての見解を表明する機会が与えられる。その他NGO等関連のある関係者も、同様の機会に一般コメントを述べる機会が与えられる。

3 UPR審査において基礎となる文書

 審査は、下記3つの文書に基づいて行われ、当該文書は審査の6週間前までに用意されなければならない。

  • (1)被審査国は、20ページ以内の報告書を「ガイドライン」(→国連作成の被審査国のためのガイドライン別ウィンドウで開く)に基づき作成し、人権高等弁務官事務所に提出する。
  • (2)人権高等弁務官事務所は、被審査国に関する国際条約機関及び特別手続による報告並びに関連する国連公用文書を編集した文書(10ページ以内)を準備する。
  • (3)人権高等弁務官事務所は、NGO等UPR関係者が同事務所に提出した信憑性と信頼性のある情報を要約した文書(10ページ以内)を準備する。→国連作成のNGOのためのUPRインフォメーション別ウィンドウで開く

4 我が国の審査

第1回政府報告審査(2008年5月)

 我が国の第1回審査に先立って、我が国の人権状況に関する報告書を2008年3月に提出した。なお、審査は2008年5月9日に実施され、審査の結果文書は2008年5月14日に作業部会で採択された。その後、2008年6月、第8回人権理事会本会合で正式に採択された。採択に際し、各国から出された勧告への対応を文書で国連に提出した。また、我が国は、2011年3月の第16回人権理事会において、UPR第1回日本審査のフォローアップを自発的に行った。

第2回政府報告審査(2012年10月)

 我が国の第2回審査に先立って、我が国の人権状況に関する報告書を2012年7月に提出した。なお、審査は2012年10月31日に実施され、審査の結果文書は2012年11月2日に作業部会で採択された。その後、2013年3月、第22回人権理事会本会合で正式に採択された。採択に際し、各国から出された勧告への対応を文書で国連に提出した。また、我が国は、2017年1月、UPR第2回日本審査のフォローアップを自発的に行った。

第3回政府報告審査(2017年11月)

 我が国の第3回審査に先立って、我が国の人権状況に関する報告書を2017年8月に提出した。審査は2017年11月14日に実施され、審査の結果文書は2017年11月16日に作業部会で採択された。その後、2018年3月、第37回人権理事会本会合で同結果文書は正式に採択された。我が国は、採択に際し、各国から出された勧告への対応を文書で国連に提出した。また、我が国は、2020年4月付にて、UPR第3回日本審査のフォローアップを自発的に行った。

その他


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