外交青書・白書
第2章 地域別に見た外交

4 中部アフリカ地域

(1)カメルーン

カメルーンでは、北西州及び南西州の英語圏地域において治安上の様々な問題が発生している。ビヤ大統領の指揮の下、同国は2019年に開催された英語圏地域の状況に関する国民対話に基づき、英語圏地域の安定化の課題に取り組んでいる。12月6日には、英語圏地域も含めた形で地方分権化を推進するため、州議会議員選挙が初めて実施された。

2020年、日本とカメルーンは外交関係樹立60周年を迎えた。日・カメルーン関係は良好であり、スポーツ交流、開発協力などの様々な分野で協力が進展している。

(2)コンゴ民主共和国

コンゴ民主共和国では、11月、赤道州において6月以来発生していた第11次エボラ出血熱の流行が終息した。チセケディ大統領は、民主同盟軍(ADF。ウガンダ系反政府組織)3を始めとする武装勢力の活動により治安上の大きな課題が生じている東部地域の安定化に取り組んでいるほか、汚職対策を含む国内の各種改革を推進している。

日・コンゴ民主共和国関係は良好であり、2020年、両国は外交関係樹立60周年の節目を迎えた。日本は、長年にわたりコンゴ民主共和国の国立職業訓練機構を支援し産業人材育成を通じた同国の経済発展に貢献している。また、日本が検査施設の拡充や感染症対策専門家の育成を支援してきている国立生物医学研究所(INRB)は、同国のエボラ出血熱や新型コロナ対策の中核を担っている。

(3)中央アフリカ

中央アフリカでは、トゥアデラ大統領の下、武装勢力との間の和平合意に基づき、平和と安定に向けた取組が進められている。諸野党や一部の武装勢力から大統領選挙の延期が要求され、一時治安情勢が悪化したものの、12月27日に大統領選挙第1回投票が実施され、トゥアデラ大統領が再選された。

日・中央アフリカ関係は良好であり、2020年、両国は外交関係樹立60周年を迎えた。日本は、国際連合開発計画(UNDP)と連携し、上記大統領選挙に際して2億4,800万円の支援を実施するなど、同国の制度構築に貢献している。

(4)ガボン

政治情勢の不安定な中部アフリカ地域の中にあって、ガボンでは内戦や戦争が生じておらず、同国の政治情勢は安定している。アリ・ボンゴ大統領は、石油依存の経済からの脱却を目指し、木材加工分野などの強化を含め、経済の多角化に取り組んでいる。7月の内閣改造によりオスカ・ラポンダ内閣が発足し、初の女性首相が誕生した。

日・ガボン関係は良好であり、2020年、両国は外交関係樹立60周年を迎えた。日本は、感染症対策や環境保全分野を中心に協力を実施している。

3 ADF:Allied Democratic Forces

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