エルドアン首相率いる公正発展党(AKP)政権が2002年以来継続しているトルコは、周辺諸国に対する積極的な外交(「ゼロ・プロブレム」外交)路線を継続し、国際社会での存在感を高めている。EUへの正式加盟目標などトルコ外交の基軸は変わっていないものの、イランの濃縮ウランのトルコでの保管受入れにつきブラジルと共に合意(テヘラン合意)を結んだ後、イランに対する金融措置などに関する国連安保理決議にブラジルと共に反対票を投じるなど、独自の外交路線をとる場面もあった。
トルコ経済は、2010年の上半期において10%以上の成長率を実現するなど、経済・金融危機の影響から回復方向に向かった。
日本とトルコは、日・トルコ友好120周年を記念した「2010年トルコにおける日本年」において、1月4日にオープニング式典(岡田外務大臣が出席)、5月3日に「日本・トルコ友好祝賀式典」(寬仁親王殿下が御臨席)、9月2日に「エルトゥールル号120年慰霊式典」、11月25日にクロージング式典など、約190の行事をトルコ全土で実施し、日・トルコ両国民の友好発展に大きく貢献した。また、日本はトルコにおけるアフガニスタン警察官訓練を協力して実施することを決めるなど、2010年は両国関係にとって重要な1年となった。