国連外交

平成30年9月4日
  • マリア・フェルナンダ・エスピノサ・ガルセス第73回国連総会議長は,9月の就任を前に,8月29日から31日まで,閣僚級招へいにて訪日。
  • 8月30日,河野太郎外務大臣と夕食会を行い,安保理改革,北朝鮮情勢及びSDGs(持続可能な開発目標),ジェンダー等のグローバルな課題について意見交換を行った。
  • 8月31日,安倍晋三内閣総理大臣を表敬し,安保理改革,北朝鮮情勢,ジェンダー及びSDGs等の課題について意見交換を行った。
  • また,国際協力機構(JICA)北岡伸一理事長との会談,上智大学学生との懇談を行ったほか,鎌倉及び藤沢を視察した。

1 主要行事の概要

(1)河野外務大臣主催夕食会

 30日午後7時40分から約70分間,河野外務大臣はエスピノサ第73回国連総会議長と夕食会を行った。

  • ア 冒頭,河野大臣から,エスピノサ氏の次期国連総会議長選出への祝意とともに,エスピノサ議長が国際社会の諸課題の解決に向けて指導力を発揮されるに当たり,日本は総会副議長としてエスピノサ議長を支えていきたい旨述べた。これに対し,エスピノサ議長から,日本政府の招待と河野大臣からの支援表明に謝意が表明された。
  • イ 河野大臣から,安保理改革の重要性を強調しつつ,改革実現に向けた交渉が迅速に進展する必要がある旨伝えた。さらに,河野大臣から,北朝鮮情勢に関し,各国による安保理決議の完全な履行の継続が不可欠である旨述べた。
  • ウ また,両者は,SDGs(持続可能な開発目標),ジェンダーに関する課題及びその他グローバルな課題等,広く意見交換を行い,協力して取り組んでいくことで一致した。

(2)安倍総理大臣に対する表敬

 31日,午前10時35分頃から約25分間,安倍総理大臣は,エスピノサ第73回国連総会議長の表敬を受けた。

  • ア 冒頭,安倍総理大臣から,エスピノサ氏の次期国連総会議長選出への祝意を表するとともに,安保理改革をはじめ,国連が直面する諸課題への取組に,指導力を大いに発揮することを期待しており,日本は総会副議長としてエスピノサ議長に全面的に協力していく旨述べた。
  • イ これに対し,エスピノサ議長から,日本政府の招待に謝意を表明するとともに,国連をはじめとする多国間分野における日本のコミットメントを称賛したい旨述べた。
  • ウ 安倍総理大臣から,北朝鮮情勢に関し,安保理決議の完全な履行を継続することが必要と述べ,拉致問題の早期解決に理解と協力を求めた。
  • エ 両者はジェンダーやSDGs(持続可能な開発目標)の分野において協力して取り組むことで一致した。

(3)その他会談及び視察等

  • ア 30日午後,国際協力機構(JICA)北岡理事長と面会し,SDGs促進のための国連の各種改革について意見交換を行った。両者は,SDGs達成のための新興ドナーを含む国際協力の新しいスタンダード作りの必要性及び現在の国際社会における人間の安全保障の重要性について一致した。また,エスピノサ議長からは,自立を重視するJICAの難民支援に対する期待が表明された。
  • イ 31日午後,上智大学において,女性,平和及び安全についてラウンドテーブルディスカッションを行った。東大作教授をファシリテーターとし,学生達と活発な意見交換を行った。
  • ウ 30日午前,鎌倉の報国寺(茶道体験),鶴岡八幡宮及び高徳院を訪問し,日本の文化・歴史を体験した。また,同日午後,藤沢のサスティナブル・スマートタウンを視察した。

2 日程

8月29日(水曜日)
本邦(東京)着
8月30日(木曜日)
鎌倉及び藤沢視察
JICA北岡理事長との会談
河野外務大臣主催夕食会
8月31日(金曜日)
安倍総理大臣表敬
上智大学学生との懇談
本邦(東京)発

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