宇宙

国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)法律小委員会第56会期

平成29年7月3日

 3月27日から4月7日まで,国連ウィーン国際センターにおいて,国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)法律小委員会第56会期が開催されたところ,主要点の概要は以下のとおり。

1 宇宙資源の探査・開発・利用における潜在的な法的モデルに関する意見交換

 今会期から新規議題として「宇宙資源の探査・開発・利用における潜在的な法的モデルに関する意見交換」が追加され,米国,ルクセンブルク等より,宇宙資源開発に関する国内立法の意義や必要性について積極的な姿勢が示された。

 特に米国は,「米国商業宇宙打上げ競争力法」は,米国市民による宇宙資源開発活動が国際宇宙法を含め米国が負う国際義務に従うことを定めたものであり,宇宙条約第6条の義務(注)に従って民間事業者による宇宙資源開発活動を監督する意図で制定されたものであるとの姿勢を示した。

 一方,複数の国より,米国等の動向は一方的な措置であり,宇宙資源に対する私的財産権を保護する宇宙条約違反の可能性があることから,国際的な枠組が必要であるとの立場が示された。

我が国からは,本議題のもと,以下のステートメントを実施した。

議題「宇宙資源の探査・開発・利用における潜在的な法的モデルに関する意見交換」における日本国ステートメント(仮訳)

 我々は平和的目的のための宇宙空間の探査及び利用の進歩が全人類の共同の利益であることを認識し,宇宙資源を探査,採掘,利用する活動は,人類の宇宙活動の更なる進展のみならず,地上における持続可能な成長にとっても潜在的に大きな影響力を有すると考える。このことから我々は,世界各国において民間事業者が,中長期的視野のもとで,この大型プロジェクトを具現化しようと努めている現状についても認識するところである。

 一方で我々は,この種の活動に強固な基盤を付与するために,関係者間での慎重な議論,検討及び適切な調整を要する国際法上の諸問題に留意する必要がある。

 日本は,宇宙資源を探査,採掘,利用する将来の活動が適正かつ実践的に,また国際法に従った形で発展していくため,全ての関係者が相互に緊密な協調を図ることが重要と考える。

(注)宇宙条約第6条では,自国の民間事業者による宇宙活動を「許可及び継続的監督」の下に置くことを要求している。

2 宇宙の平和的探査と利用の協力に関する国際メカニズムのレビュー

 議題「宇宙の平和的探査と利用の協力に関する国際メカニズムのレビュー」のもとに設置された作業部会(WG)において,国際協力メカニズムのレビューが国際協力の更なる強化に資するという認識のもと,各国より共有された国際協力の事例や教訓に基づき,活発な議論がなされた。右議論を受け,青木節子議長(慶應義塾大学教授)が事務局と作成したWG最終報告書案が本年のCOPUOS本委員会に提出されることとなった。右WGの開催は本年が最終年であり,これまでの青木議長の貢献に対する議場全体からの拍手により締めくくられた。

3 宇宙活動のための法的拘束力のない国連文書の実施に関する情報交換

 我が国発案で追加された議題「宇宙活動のための法的拘束力のない国連文書の実施に関する情報交換」について,次年度も本議題が継続されることが合意された。また,昨年,我が国が作成・配布し,国連宇宙部のウェブサイトにて掲載・管理されることとなった「法的拘束力のない国連文書の履行方法に関する各国の情報提供を纏めた便覧」について,本年もオーストリアからの更新情報が提出された。

4 我が国の宇宙活動・国際協力の紹介

 我が国の主な宇宙活動として(1)大西卓哉宇宙飛行士の国際宇宙ステーション(ISS)における長期滞在ミッション(115日間)の遂行,(2)前会期以降のロケットの打上げ,(3)ジオスペース探査衛星「あらせ」(ERG)の打上げ,(4)宇宙ステーション補給機「こうのとり」6号機(HTV6)の打上げ,(5)第23回アジア・太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF-23)の開催,及び(6)本年12月の第12回衛星航法システムに関する国際委員会会合(ICG-12)の開催予定について紹介を行った。


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