宇宙
国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)本委員会第62会期の開催(結果)
令和元年6月24日



6月12日から21日の日程で国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)本委員会第62会期(加盟国:92か国)がウィーンにおいて開催されたところ,概要は以下のとおりです。
なお,我が国からは北野ウィーン代表部大使,柳同次席公使,向井千秋宇宙飛行士(JAXA特別参与),國中JAXA理事(宇宙科学研究所長),鈴木内閣府宇宙開発戦略事務局参事官,山口外務省宇宙・サイバー政策室長等が出席しました。
- 北野大使による一般発言(6月12日)(PDF)
(1)北野大使は,宇宙デブリに関し,加盟国に対し,国連スペースデブリ低減ガイドラインをはじめ既存の国際ルールの遵守を呼びかけると共に,本年から我が国が世界に先駆けて大型宇宙デブリの除去の実証事業を開始した旨述べました。
(2)また,昨年11月に施行された宇宙活動法を説明し,昨年ワーキンググループで一致した21の長期持続可能性(LTS)ガイドラインの実施の重要性を強調しました。
(3)その他,5月27日の日米首脳会談に言及しつつ月探査・有人宇宙活動,はやぶさ2小惑星リュウグウ着陸,宇宙資源活動での国際協力,ISS日本実験棟「きぼう」を活用し途上国の小型衛星を放出するJAXAと国連宇宙部(OOSA)との協力プロジェクトKiboCUBE,本年11月に日本で開催予定のアジア太平洋宇宙機関フォーラム(APRSAF),宇宙のグローバルヘルスへの活用など我が国の幅広い取組を説明しました。 - 宇宙デブリ除去に関する技術プレゼンテーション(6月12日)
COPUOS本委員会の初日に,本会議場において,岡田光信アストロスケール社CEOから,デブリ問題の宇宙安定利用に対する脅威や国際社会による取組の必要性,更には同社の先端的な技術を映像やスライドを活用しつつ説明しました。 - 宇宙デブリに関する日本主催レセプションの開催(6月14日)
国連ウィーン本部において宇宙デブリをテーマとしたウィーン国際機関日本政府代表部主催夕食レセプションを開催し,向井宇宙飛行士及び岡田CEOからそれぞれの経験に基づき宇宙デブリ問題の重要性や日本の先端的な取組などを発信しました。各国代表団等約120名が出席しました。 - 長期持続可能性(LTS)ガイドライン
本件ガイドラインは2010年からCOPUOSの場で議論が行われてきました。
本委員会初日の6月12日,日米カナダ仏の4か国が21のLTSガイドライン実施に関するワーキンググループを科学技術小委員会の下に設置するとの共同提案を行いました。
加盟国間の議論を経て,6月21日,(1)COPUOS本委員会として21のLTSガイドラインを正式に採択すると共に,(2)これらガイドラインの実施及び新たなガイドラインの可能性等を議論する5年間のワーキンググループを科学技術小委員会の下に設置,が決定されました。 - 米国代表団との会談(6月13日)
(1)柳臨時代理大使等は,ペース大統領府国家宇宙会議事務局長,ハリソン国務省上級顧問,ホジキンス国務省宇宙・先端技術部長他米国代表団と会談を行いました。
(2)5月27日の日米首脳会談も踏まえつつ,月面有人探査や宇宙デブリ問題での協力強化について意見交換を行いました。 - ディピッポ国連宇宙部(OOSA)部長との会談(6月13日)
山口室長等は,ディピッポ国連宇宙部部長とOOSA邦人職員の活躍やKiboCUBEをはじめ我が国との協力について意見交換を行い,ディピッポ部長から宇宙デブリ問題を含め協力の拡大について希望が述べられました。 - その他
本委員会において,國中JAXA理事からはやぶさ2のリュウグウ着陸の技術プレゼンテーションを行った他,向井宇宙飛行士から宇宙技術のグローバルヘルスへの活用の重要性の発信を行いました。
6月19日には,本委員会議場において,APRSAFの日本開催に関するサイドイベントを開催しました。
また,会期中,我が国代表団から,宇宙と地球規模課題(水,気候変動,持続可能な開発)や探査,平和利用等について我が国の取組を発表しました。