岸田外務大臣
岸田外務大臣の第50回ミュンヘン安全保障会議出席
(平成26年2月1日)


1.概要
(1) 2月1日(土曜日)、岸田外務大臣は、ドイツのミュンヘンにおいて開催されている第50回ミュンヘン安全保障会議(会議の日程は1月31日~2月2日)に出席した。
(2) 今回の会議には、独(ガウク大統領)、米(ケリー国務長官、ヘーゲル国防長官)、英(ハモンド国防相)、仏(ファビウス外相)、露(ラヴロフ外相)、トルコ(ダーヴトオール外相)、イラン(ザリーフ外相)、国連(潘基文事務総長)、EU(ファン・ロンパイ欧州理事会議長、バローゾ欧州委員会委員長、アシュトン外務安全保障政策上級代表)、NATO(ラスムセン事務総長)等、閣僚級を中心に60か国以上、10を超える国際機関の長等要人が参加し、欧州のみならず、各地域及びグローバルな安全保障問題について幅広い議論が行われた。
(3) また岸田大臣はこの機会を利用し、日露外相会談及び日独外相会談を行ったほか、ファビウス仏外相、ブレンデ・ノルウェー外相、キッシンジャー元米国務長官、天野IAEA事務局長を始め、多くの要人と立ち話を行った。
(4) なお岸田大臣は、同会議に際して事務局より発行された「セキュリティー・タイムス」紙に寄稿(和文骨子(PDF)/英文(PDF)
)。「日本は欧州のパートナーと一層緊密に協力していく用意がある」旨を強調した。
2.岸田大臣の総括コメント
(1) 岸田大臣は、1日午前中の「グローバル・パワーと地域の安定」のセッションに参加。「ヨーロッパ、アメリカ、アジア」(パネリストは、ヨシポビッチ・クロアチア大統領、リンゼイ・グラム米上院議員、傳瑩(ふ・えい)中国全人代外事委員会主任、メノン印国家安全保障顧問)のパネルディスカッションを傍聴した後、議論を総括して15分程度の発言を行った。
(2) 岸田大臣は発言の中で、次の50年を念頭に世界の安全保障情勢を俯瞰しつつ、日本のビジョンである「国際協調主義に基づく積極的平和主義」について、我が国の具体的な取組(アフリカ、中東、ASEAN、国連PKO、核軍縮・不拡散、法の支配の強化など)を紹介しつつ、日本が地域と世界の平和と安全にこれまで以上に積極的に寄与していく決意を表明した。
(3) なお、パネルディスカッションにおいて、中国側参加者より、日本の指導者が歴史を否定しているとの発言があった。これに対し、岸田大臣より、日本は歴史を直視し、先の大戦や植民地支配について、反省の気持ちを明確に表明していること、日本は、戦後一貫して、東アジアにおける自由、民主主義、人権、法の支配を擁護し、地域と世界の平和と繁栄に貢献してきており、今後も平和国家としての道を歩んでいく旨述べた。