女性

令和7年12月5日
GENex

開催日時・場所

 日時:2025年12月10日(水曜日)13時30分~17時30分
 場所:国連大学エリザベス・ローズ会議場(アクセス別ウィンドウで開く
 主催:外務省 共催:国際連合大学 協力:UN Women

コンセプトノート

1 背景

 今年は、第4回世界女性会議において、「女性の権利は人権である」としてジェンダー平等に向けた取組の指針を示した「北京宣言」及び「行動綱領」の採択から30年の節目に当たります。
 この間、国際社会は、ジェンダー平等の実現に向けて様々な取組を行ってきました。2030年までに持続可能でより良い世界を目指す国際目標として2015年に国連が設定した持続可能な開発目標(SDGs)にも、目標5として「ジェンダー平等と女性のエンパワーメント」が掲げられています。
 しかし、今年の世界経済フォーラムの報告書によれば、このままの取組のペースでいくと、世界における完全なジェンダー平等の達成にはあと123年かかるとされており、取組を更に加速することが必要です。
 第4回世界女性会議30周年に当たり、国連女性機関は、SDGsや2024年の未来サミットで採択された「未来のための約束」等を踏まえ、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントに向けた取組を加速するため、2030年までに優先的に行動すべきテーマとして、(1)デジタル革命、(2)貧困からの自由、(3)暴力ゼロ、(4)完全かつ平等な意思決定の力、(5)女性・平和・安全保障(WPS)、(6)気候変動の6つの分野を示しています。そして、これら全ての分野に横断的に関与する主体として、若者が推進力となることが強く期待されています。

2 ジェンダー次世代ネットワーク・プログラム

 こうした中、ジェンダー次世代ネットワーク・プログラムは、日本がアジアを中心に世界と共にジェンダー平等(SDGs目標5)を推進し、多様性と包摂性に富み、新たな課題にも対応できる柔軟で強靱な将来社会を実現することを目的として今年度から外務省が実施している事業です。
 このジェンダー次世代ネットワーク・プログラムは3つの柱があり、その1つとして今回開催するジェンダー次世代フォーラムは、将来のジェンダー平等推進の担い手となる若者にとって、ジェンダー分野に関する国際的な議論の潮流及び課題に対する理解を深める機会となること、そして、若い世代の研究や議論を促進し、その育成を図り、ネットワークを構築することを目的としています。このフォーラムでは、参加する若者自らが考え、今後の行動へとつなげてもらうことを重視し、インタラクティブな形式も取り入れます。

3 第1回ジェンダー次世代フォーラム概要

 第1回となる今年のジェンダー次世代フォーラムには、バフース国連女性機関(UN Women)事務局長を迎え、オープニングにて基調講演を行っていただきます。バフース事務局長には、ジェンダーを巡る国際的な課題及び潮流について共有いただくとともに、若者へのメッセージを語っていただく予定です。
 フォーラムの本体は、3つのセッションで構成されます。セッション1では、女性参画をテーマとしたパネルディスカッションを行います。前述の6つの優先的行動分野のうち、日本は、特に「完全かつ平等な意思決定の力」及び「WPS」にコミットしています。女性の参画は、意思決定において女性の意見を反映させる上で基礎となるものであり、また、WPSの4つの柱の一つでもあります。日本はとりわけ政治及び経済分野での女性の参画が遅れているとされる海外の報告等も踏まえ、このセッションでは各界で活躍する方々に御登壇いただき、御自身の経験を共有いただくとともに、なぜ女性参画が重要か、女性参画推進のために何が必要か、若者が今からできることは何か、について議論いただきます。
 続くセッション2では、ジェンダー次世代ネットワーク・プログラムの下で海外の研究機関に派遣された若手研究者による報告が行われます。ここでは主に、派遣を通じて把握できた国際的なジェンダー研究の潮流について、また、海外研究機関とのネットワーク構築の意義について語っていただきます。
 最後に、セッション3では、女性参画の推進を妨げる要因の一つとも言えるジェンダー・バイアス(性別役割意識)について取り上げます。登壇者の方々から、学校や職場などにおける御自身の経験を共有いただき、ジェンダー・バイアスがもたらす影響、女性の参画推進に向けた改善の必要性、そのために何が必要かについて議論いただきます。
 このフォーラムへの参加を通じてジェンダー平等への理解を深めた若い世代が、民間、学術、市民団体、中央・地方機関、国際機関等で活躍し、様々な施策にジェンダーの視点を反映し、国内外でのSDGs及び男女共同参画社会の推進への貢献へとつながることが期待されます。

一般傍聴者募集(締め切り)

 一般傍聴者の募集は締め切りました。

プログラム(登壇者は随時更新予定)

 13時00分~13時30分 受付

オープニングセッション
  • 開会挨拶:堀井 巌 外務副大臣
  • 基調講演:シマ・バフース 国連事務次長兼UN Women事務局長
セッション1:女性参画をテーマとするパネルディスカッション
  • 長島 美紀 公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン アドボカシーグループリーダー(モデレーター)
  • 英利 アルフィヤ 衆議院議員/外務大臣政務官
  • 咸 多栄 bgrass株式会社代表取締役CEO/CTO
  • アンナ・クレシェンコ Flora株式会社代表取締役
  • 南 知果 一般社団法人Public Meets Innovation代表理事
  • 鷹栖 直輝 積水ハウス株式会社 ESG経営推進本部 ダイバーシティ推進部
セッション2:若手研究者からの報告
  • 児玉谷 レミ 一橋大学社会学研究科ジュニアフェロー(特任講師)
  • 井上 夏実 国際基督教大学教養学部4年生
セッション3:女性参画の推進を妨げるジェンダー・バイアス(性別役割意識)をテーマとするパネルディスカッション
  • 治部 れんげ 東京科学大学准教授(モデレーター)
  • 中田 修平 中田工芸株式会社 代表取締役社長
  • 櫻井 彩乃 一般社団法人GENCOURAGE 代表理事
  • 田中 沙弥果 特定非営利活動法人Waffle理事長
  • 上野 悠 NPO法人#YourChoiceProject政策提言チーム長
クロージングセッション
  • 閉会挨拶:鈴木 綾 国連大学上級副学長・国連事務次長補/東京大学大学院新領域創成科学研究科教授/東京大学総長特別参与

 17時30分 終了予定

オープニングセッション

堀井 巌 外務副大臣

堀井 巌

 東京大学経済学部卒業後、自治省入省。2013年第23回参議院議員選挙において初当選。2017年外務大臣政務官、2023年及び2025年外務副大臣に任命。

シマ・バフース 国連事務次長兼UN Women事務局長

シマ・バフース

 2021年9月に、国連女性機関(UN Women)事務局長に就任。女性のエンパワーメントと権利の推進の分野において、35年以上のリーダーシップ経験と専門知識を持ち合わせている。直近ではニューヨークの国連ヨルダン政府常駐代表、国連開発計画(UNDP)総裁補兼アラブ局長(2012~2016年)を歴任。米国・インディアナ大学でマスコミュニケーションと開発の博士号取得。

セッション1:女性参画をテーマとするパネルディスカッション 登壇者
(モデレーター以下はアルファベット順、敬称略)

長島 美紀 公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン アドボカシーグループリーダー

長島 美紀

 政治学博士。NGOやキャンペーン事業に従事し、現在はプランで女の子のリーダーシップ等に関する調査・政策提言、女の子のエンパワーメント推進等に従事。内閣府男女共同参画推進連携会議有識者議員、W20ジャパンデレゲート共同代表を務める。

英利 アルフィヤ 衆議院議員/外務大臣政務官

英利 アルフィヤ

 米国ジョージタウン大学外交政策学部国際政治学科卒業、同大学外交政策大学院ロシア・東欧・中央アジア研究科修了後、2012年、日本銀行入行。その後、2016年国連事務局本部へ。2023年千葉県第5区衆議院議員補欠選挙において初当選。2024年、第2次石破内閣において外務大臣政務官に任命され、2025年、高市内閣において再任。

咸 多栄 bgrass株式会社代表取締役CEO/CTO

咸 多栄(ハム ダヨン)

 ミッション「“なりたい”を解放する」、ビジョン「仕組みとテクノロジーでバイアスのない選択と評価を当たり前にする」を掲げ、女性ITエンジニア向け支援サービス「WAKE Career」と、採用活動をするだけでフェアな採用ができる採用管理AIエージェント「フェアパス」の両軸で社会構造の課題に挑む。韓国生まれ日本育ち。新卒でSIerに入社し開発・PLを経験後、2022年に起業。女性リーダー支援基金採択、BEYOND MILLENNIALS 2024、Forbes Women in Tech 30 2024選出。

アンナ・クレシェンコ Flora株式会社 代表取締役

アンナ・クレシェンコ

 2017年に国費留学生として来日、2022年に京都大学法学部卒業。2020年にフェムテック起業としてFloraを日本で創業。Forbes Japanの「Next100」、Forbes Asia & Japan30 under 30に選抜。

南 知果 一般社団法人Public Meets Innovation 代表理事

南 知果

 弁護士としてスタートアップ支援やルールメイキングに注力。法律事務所ZeLo所属。2022年~2024年、経済産業省にてスタートアップ政策や女性起業家支援を担当。京都大学法学部・法科大学院卒業、ペンシルベニア大学ロースクール修了。

鷹栖 直輝 積水ハウス株式会社 ESG経営推進本部 ダイバーシティ推進部

鷹栖 直輝

 新卒で電子部品メーカーに人事として7年勤務し、2024年に積水ハウスにキャリア採用入社。ダイバーシティ推進部にて、男性育休、LGBTQ、幸せ調査などを担当。

セッション2:若手研究者からの報告 登壇者(登壇順、敬称略)

児玉谷 レミ 一橋大学社会学研究科ジュニアフェロー(特任講師)

児玉谷 レミ

 一橋大学で博士号(社会学)を取得。軍事・戦争分野におけるジェンダー研究を専門とし、研究活動を行っている。主要著作に「自衛隊の軍事的男性性をいかに論じるべきか」『女性学』31巻などほか多数。2022年度国際ジェンダー学会研究活動奨励賞受賞。

井上 夏実 国際基督教大学教養学部4年生

 国際NGO・自治体での研究を通じて「誰も取り残さず、生きやすさを広げるジェンダーの伝え方」を探求。ローカルなWPS、特に研究者・自治体・市民が協働できる仕組みづくりについても注目している。

セッション3:女性参画の推進を妨げるジェンダー・バイアス(性別役割意識)をテーマとするパネルディスカッション 登壇者
(モデレーター以下はアルファベット順、敬称略)

治部 れんげ 東京科学大学准教授

治部 れんげ

 一橋大学法学部卒、同大学経営学修士課程修了。日経BP社記者、米ミシガン大学フルブライト客員研究員を経て現職。社会規範変化への企業の対応について研究。内閣府男女共同参画 第6次基本計画策定専門調査会委員、日本ユネスコ国内委員会委員など。

中田 修平 中田工芸株式会社 代表取締役社長

中田 修平

 1978年生まれ。アリゾナ大学ビジネス学部を卒業後、ニューヨークにて就職。2007年、中田工芸株式会社に入社。同年に自社ブランドNAKATA HANGERを立ち上げ、東京青山にショールームを開設。2017年に代表取締役社長に就任。ロンドンや香港でイベントを開催し海外進出も積極的に行っている。女性活躍を推進し、働きがいのある組織づくりに注力。

櫻井 彩乃 一般社団法人GENCOURAGE 代表理事

櫻井 彩乃

 ジェンダー平等な未来を創造する次世代の育成(ジェンカレ)や若者の声を政策に反映する活動を展開。男女共同参画推進連携会議有識者議員、政府税制調査会特別委員等を務める。国連女性の地位委員会第60回、第62回、第69回に参加。

田中 沙弥果 特定非営利活動法人Waffle理事長

田中 沙弥果

 2019年一般社団法人Waffleを設立(現NPO化)。
 2024年世界経済フォーラムのヤング・グローバル・リーダーズ2024に選出。
 2025年文部科学省 中央教育審議会 情報・技術ワーキンググループ委員。

上野 悠 NPO法人#YourChoiceProject政策提言チーム長

上野 悠

 愛知県出身。現在は大学で国際関係論を学ぶ傍ら、NPO法人#YourChoiceProject政策提言チーム長として、大学進学やキャリア選択におけるジェンダーギャップ・地域格差の解消に取り組む。

クロージングセッション

鈴木 綾 国連大学上級副学長・国連事務次長補/東京大学大学院新領域創成科学研究科教授/東京大学総長特別参与

鈴木 綾

 カリフォルニア大学デービス校で博士号取得(開発経済学、農業経済学専攻)、政策研究大学院大学で修士号取得(国際開発学専攻)。開発経済学者であり、アフリカやアジアの小規模農家が特にグローバルな食料システムとの関連において抱える課題に着目。開発経済学会創設理事。『Asian Development Review』編集委員。


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