ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)
よくわかる!ハーグ条約
1 ハーグ条約ミニ解説
- 第1回 ハーグ条約、不法な連れ去り、留置について(平成30年8月15日)(PDF)(118KB)
- 第2回 ハーグ条約の適用について(平成30年8月22日)(PDF)(122KB)
- 第3回 インカミングケースとアウトゴーイングケースについて(平成30年8月29日)(PDF)(106KB)
- 第4回 返還の対象になる子どもについて(平成30年9月5日)(PDF)(120KB)
- 第5回 子どもの常居所地国について(平成30年9月12日)(PDF)(122KB)
- 第6回 返還が決まった子どもはどこに戻るのか(平成30年9月19日)(PDF)(118KB)
- 第7回 子どもを連れて出入国するときの注意点 渡航同意書について(平成30年10月3日 令和6月2月14日改訂)(PDF)(122KB)
- 第8回 弁護士紹介について(平成30年10月10日)(PDF)(147KB)
- 第9回 法律扶助制度について(平成30年10月17日)(PDF)(112KB)
- 第10回 翻訳支援について(平成30年10月31日)(PDF)(201KB)
- 第11回 ADRについて(前編)(平成30年11月7日)(PDF)(126KB)
- 第12回 ADRについて(後編)(平成30年11月14日)(PDF)(147KB)
- 第13回 出入国記録の開示請求について(平成30年11月21日)(PDF)(131KB)
- 第14回 申請受付後の流れについて(平成30年11月28日)(PDF)(138KB)
- 第15回 面会交流について(平成30年12月5日)(PDF)(79KB)
- 第16回 面会交流支援について(平成30年12月12日)(PDF)(138KB)
- 第17回 面会交流の取り決めの方法(平成30年12月20日)(PDF)(92KB)
- 第18回 面会交流の内容について(平成30年12月26日)(PDF)(244KB)
- 第19回 中央当局の役割について(平成31年1月9日)(PDF)(141KB)
- 第20回 ハーグ条約に関する大使館・総領事館の支援(平成31年1月16日)(PDF)(149KB)
- 第21回 ADRについて(続編1)(平成31年1月23日)(PDF)(149KB)
- 第22回 裁判手続について(1)(平成31年1月30日)(PDF)(131KB)
- 第23回 裁判手続について(2)(平成31年2月6日)(PDF)(156KB)
- 第24回 日本での返還裁判における弁護士の要否について(平成31年2月13日)(PDF)(163KB)
- 第25回 委任状について(平成31年2月20日)(PDF)(69KB)
- 第26回 子の所在特定等について(1)(平成31年2月27日)(PDF)(56KB)
- 第27回 子の所在特定等について(2)(平成31年3月6日)(PDF)(70KB)
- 第28回 ウェブみまもり面会交流について(平成31年3月13日)(PDF)(596KB)
- 第29回 外国の中央当局(平成31年4月23日)(PDF)(177KB)
- 第30回 申請書類について(平成31年4月25日)(PDF)(187KB)
2 よくある質問
Q1 どのような場合にハーグ条約に基づいて子の返還を求めることができますか?
A1 16歳未満の子が、監護の権利を侵害する形で、それまで住んでいたハーグ条約の締約国から他の締約国に不法に連れ去られ又は留置された場合に(両国は連れ去り等の時点で締約国である必要があります。)、ハーグ条約に基づいて子の返還を求めることができます。詳しくは、「3 日本の中央当局に対する援助申請」を御覧ください。
Q2 1年以上前に子の連れ去りが起きた場合、ハーグ条約の適用対象となるのでしょうか?
A2 子の国境を越えた不法な連れ去りが、1年以上前に起きた場合でも、ハーグ条約に基づいて子の返還を求めることはできます。ただし、子の不法な連れ去りから1年経過した後に司法当局等が手続を開始した場合に、子が新たな環境に適応していることが認められれば、子の返還は命じられない可能性があります。
Q3 (元)配偶者が無断で子を日本から海外へ連れ去ったのですが、どうしたら良いでしょうか?
A3 子が連れ去られた先の国がハーグ条約締約国である場合には、ハーグ条約に基づき、子を日本へ返還するための支援や子との交流を実現させるための支援を日本や海外の中央当局に対し申請することができます。日本の中央当局(外務省ハーグ条約室)への申請方法の詳細につきましては、返還援助申請のてびき及び面会交流援助申請のてびきを御覧ください。
Q4 日本にいる子との交流ができません。どうしたらよいでしょうか?
A4 日本以外のハーグ条約締約国にいる親が、日本にいる子と交流を行うことができない場合には、子との交流を行うことができなくなった時期にかかわらず、ハーグ条約に基づき、子との交流を実現するための支援を日本やお住まいの国の中央当局に対し申請することができます。日本の中央当局(外務省ハーグ条約室)への申請方法の詳細につきましては、面会交流援助申請のてびきを御覧ください。
なお、子との交流を実現するための支援は、子の国境を越えた移動がない場合(たとえば、日本で暮らしていた親子の一方の親が日本から他のハーグ条約締約国に移住し子との交流ができなくなった場合)でも、申請することができます。
Q5 日本へ子を連れて帰りたいのですが、再度元の居住国に戻った場合逮捕される危険性はあるのでしょうか?
A5 もう一方の親権者の同意なく子を国外へ連れ出すことが誘拐罪等に問われ、逮捕されることもあります(米、英、仏、豪等)。もう一方の親の同意がとれない場合は、子を連れて日本に帰ることについて、現地の弁護士等に相談する等、滞在国の法制度を御確認ください。
Q6 配偶者に暴力を振るわれるので、子を連れて日本(又は海外)に帰国したいと思います。DVがあっても子を元の居住国に戻さなければならないのでしょうか?
A6 ハーグ条約では、原則として子を元の居住国に返還することになっていますが、子の返還を求める親が子に対して暴力を振るうおそれや、もう一方の親に対して、子に悪影響を与えるような暴力等を振るうおそれ等子の心身に害悪を及ぼすこととなる重大な危険(子の返還拒否事由)があれば、裁判所の判断で、返還の拒否が認められることがあります。なお、子の返還拒否事由があったとしてもハーグ条約の適用対象外となる訳ではなく、当事者は裁判等に対応する必要が生じる可能性があります。また、子の返還拒否事由を主張する当事者は、それを裏付ける資料を裁判所に提出する必要があります。
Q7 DV被害者に対する配慮や支援はあるのでしょうか?
A7 外務省ハーグ条約室では、ハーグ条約の実施にあたって専門家を職員として採用してDV被害者の方に対する適切な対応(PDF)に努めています。たとえば、当事者の希望に応じて、専門家が対応したり、国内のDV被害者支援団体を紹介したりします。また、在外公館においては、DV等の被害について、御相談に応じた支援の紹介等を行いますので、まずは御相談ください(Q8参照)。
Q8 家庭内での問題を抱えている方に対して在外公館はどのような支援をしてくれるのでしょうか?
A8 日本の在外公館では、家庭問題への対応を拡充し以下のようなサービスを行っています。詳しくはお近くの在外公館に御相談ください。また、在外公館で入手できる具体的な情報提供支援の一覧が在外公館における情報提供・支援に掲載されておりますので、併せて御参照ください。
- 家族法や渉外民事専門の弁護士(可能な場合には日本語が通じる弁護士)、通訳・翻訳者、調停機関、親子交流支援機関、DV被害者支援団体等の紹介
- 安全が懸念される場合の現地関係機関への通報・要請
- 家庭問題に関する在外公館への相談内容の記録の作成及び要請がある場合の相談者への提供
Q9 日本の中央当局は子の連れ去り問題の友好的な解決を実現するためにどのような支援をしてくれるのでしょうか?
A9 日本の中央当局では、当事者間の連絡の仲介、外務省の費用負担による裁判外紛争解決手続(ADR)機関の紹介、弁護士紹介制度の案内、面会交流支援機関の紹介等の支援を行います。また、経済的な困難を抱えた方は、弁護士費用等の貸付制度である民事法律扶助制度も利用できます。民事法律扶助制度の詳細については、日本司法支援センター(通称:法テラス)のHPを御覧ください。
Q10 日本の中央当局は、子を連れ去られた親や子との交流を妨げられている親のみを支援するのですか?
A10 日本の中央当局は、子の利益を最優先に、中立的な立場から、両当事者に対して支援を行います。したがって、一方の当事者のみを代理することはありません。支援の内容は、申請者及び子の同居者の方に送付する書面の中でも詳しく説明していますので、書面を受け取られた方は、必ず内容を御確認ください。