ウクライナ

安倍内閣総理大臣のウクライナ訪問

平成27年6月8日

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 安倍晋三内閣総理大臣は,6月5日深夜(金曜日)~6日(土曜日),ウクライナを公式賓客として訪問しました。結果概要は以下のとおりです。

1 日・ウクライナ首脳会談

  • 日・ウクライナ首脳会談
    (写真提供:内閣広報室)
  • 共同記者発表
    (写真提供:内閣広報室)

 6日(土曜日)10時15分から11時50分まで約90分(最初の35分は少人数会合),安倍総理大臣は,ウクライナ大統領府でポロシェンコ大統領と会談を行ったところ,概要以下のとおりです。(ウクライナ側:クリムキン外務大臣ほか,日本側:世耕内閣官房副長官ほかが同席。)

(1)少人数会談

ア 会談冒頭

(ア)ポロシェンコ大統領から,ウクライナの独立以来,初の日本の現職総理大臣の訪問は非常にうれしく,G7の前に会談が持てたことは有意義であり,日本及びG7が力強い立場を示してくれていることに感謝したい旨述べました。

(イ)これに対し安倍総理から,日本の総理大臣として初のウクライナ訪問をうれしく思う,ウクライナ側の温かい歓待に感謝したい,本日の会談を通じ,二国関係を更に発展させたい旨述べました。

イ ウクライナ・ロシア情勢

(ア)ポロシェンコ大統領から,現在のウクライナ情勢,ロシアとの状況,ミンスク合意の履行状況,国内改革の現状等につき説明がありました。

(イ)これに対し,安倍総理から,G7エルマウ・サミットでは,ウクライナ情勢について積極的に議論していきたい,また,G7次期議長国として,本問題の平和的・外交的解決に向けて一層積極的に関与してきたい旨述べました。

(ウ)また,安倍総理から,我が国は力による現状変更を決して認めず,日本は一貫して主権,領土一体性を尊重する形で情勢の改善に取り組んでいる旨述べるとともに,ミンスク合意違反が見られることに遺憾の意を表し,全ての当事者によるミンスク合意の完全な履行の重要性を指摘しました。

ウ ウクライナによる国内改革及び日本の支援

 安倍総理から,ウクライナが強靱性と持続性を持つ国になるためには,大胆で包括的な改革が不可欠であると指摘し,同国が改革の歩みを進める限り,経済・財政,司法・ガバナンス改革,エネルギー等の幅広い分野の支援を継続する旨述べました。これに対しポロシェンコ大統領から,国内改革に向けた強い意思表示があるとともに,日本の支援に対して改めて謝意表明がありました。

(2)全体会合

ア 冒頭

(ア)ポロシェンコ大統領から,昨年10月のミラノでの安倍総理との会談に触れつつ,ウクライナと日本は共通の価値観と関心が数多くあり,また,オデッサと横浜,キエフと京都がそれぞれ姉妹都市であることを指摘し,人的交流も重要であると述べました。さらに,ウクライナにある日本センターの活動をウクライナ政府も支援しており,両国の更なる関係強化・促進への期待が表明されました。

(イ)これに対し安倍総理から,ウクライナ訪問を実現でき,ミラノでの約束を果たすことができてうれしい旨述べました。

イ ウクライナによる国内改革及び日本の支援

(ア)ポロシェンコ大統領から,改革の基礎である財政基盤に対する日本からの財政支援のパッケージは非常に重要であり,産業インフラ復興支援に日本が参加することを期待したい旨述べました。

(イ)これに対し安倍総理から,ウクライナの改革努力を後押しするため,日本は約18.4億ドルの支援を表明している,是非結果を出していただきたい旨述べました。また,安倍総理から,1,100億円の大規模なボルトニッチ下水処理場改修計画のE/N署名を歓迎するとともに,日本が世界銀行と協調して3億ドルの追加支援を表明済みの件についても,ウクライナのエネルギー関連の法案の発効等を待って供与する方針であり,早期実施に向けた努力をお願いしたい旨述べました。

(ウ)さらに,安倍総理から,OSCEの特別監視団(SMM)への日本からの要員派遣決定を伝達し,銀行セクター部門を含めた経済・財政,司法分野の専門家派遣も検討中である旨述べました。

ウ 二国間経済関係・投資協定

(ア)ポロシェンコ大統領から,6月3日にウクライナ最高議会で日ウクライナ投資協定の批准を決定できた旨紹介し,今後この投資協定を利用して日本の多くの企業がウクライナに進出してくれることを歓迎したいと述べました。

(イ)これに対し安倍総理から,経済関係については,2月の投資協定の署名を歓迎する,ウクライナ議会で批准が決定されたことは大変喜ばしい,早期の発効を期待したい旨述べた。併せて,大きな潜在可能性を持つウクライナの経済改革に期待をしている,日本は改革の進捗を見ながらジェトロによる経済ミッション派遣を含め,日本企業のウクライナ市場への更なる進出を後押ししていきたい,早期の投資環境整備をお願いしたいと述べました。

エ エネルギー分野での協力

(ア)ポロシェンコ大統領から,エネルギー分野での近代化・改革は非常に重要である,日本の効率的でレベルの高いエネルギー技術,投資,特に石炭火力発電の日本の高い技術の導入を是非進めていきたい旨述べました。

(イ)これに対し安倍総理から,日本が作成しているウクライナのエネルギー政策マスタープランを,夏を目処に提示をする予定である旨述べるとともに,高効率の石炭火力発電所については協力していきたい,エネルギー分野については円借款の活用についても検討したい旨述べました。

オ その他の分野での協力

(ア)ポロシェンコ大統領から,日ウクライナ原発事故後協力協定合同委員会の開催に向けた協力,ウクライナのASEMへの加盟に対する安倍総理からの支持要請及び農業施設の充実や技術の導入を日本と連携して進めていきたい旨の要望があり,安倍総理から,同委員会の第3回会合の開催に向け,事務レベルでの調整を進めていきたい,ウクライナのASEM加盟については,日本としても支援していきたい,農業施設の充実等に関する協力については,具体的な話を頂ければ検討を進めていきたい旨述べました。

(イ)安倍総理からは,本年4月,日本で超党派のウクライナ友好議連が再結成されたこと,日本政府がフロイスマン最高会議議長の訪日招へいを決定したことを述べ,両国の議員交流を活発化していきたい旨述べました。

(ウ)また,安倍総理から,ウクライナからの要請を受け,ウクライナの外交旅券所持者への査証免除に向けた検討を開始することを伝達し,今後幅広い分野での対話を一層強化していきたい旨述べました。

2 その他

  • ヤツェニューク首相と
    握手を交わす安倍総理大臣
    (写真提供:内閣広報室)
  • フロイスマン最高会議議長と
    握手を交わす安倍総理大臣
    (写真提供:内閣広報室)

 訪問中,安倍総理はヤツェニューク首相及びフロイスマン最高会議議長との会談を行ったほか,無名戦士記念碑への献花,大飢饉犠牲者記念碑へのお供え,「マイダン」慰霊碑への献花,閲兵式への出席,交通警察ハイブリッドカーの視察等を実施しました。

  • 無名戦士記念碑に献花する安倍総理大臣
    (写真提供:内閣広報室)
  • マイダン慰霊碑に献花する安倍総理大臣
    (写真提供:内閣広報室)

(参考)ボルトニッチ下水処理場改修計画の概要

  • 署名式に立ち会う両首脳
    (写真提供:内閣広報室)

 ウクライナに対する円借款案件(約1,081億円を限度)。首都キエフ市にある老朽化が著しいボルトニッチ下水処理場の改修(下水・汚泥処理施設の新設・改修,汚泥焼却炉の導入等)を行うことで,下水処理の改善を図り,キエフ市民の衛生環境・居住環境改善に貢献する計画。


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