ウクライナ

平成26年10月17日
(写真提供:内閣広報室)
(写真提供:内閣広報室)

 10月17日(金曜日)16時15分(現地時間)から約30分間,アジア欧州会合第10回首脳会合(ASEM10)出席のためミラノを訪問中の安倍晋三内閣総理大臣は,ペトロ・ポロシェンコ・ウクライナ大統領(H.E. Mr. Petro POROSHENKO, President of Ukraine)と会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。(ウクライナ側:クリムキン外相ほか,日本側:世耕弘成内閣官房副長官ほか同席。)

1 冒頭

(1)安倍総理から,困難な状況下でポロシェンコ大統領がリーダーシップを発揮していることに敬意を表しました。また,日本は一貫してウクライナの主権及び領土一体性の尊重を重視しており,これは,アジアを含む国際社会全体の問題であるとの認識を述べつつ,G7で連携し,ウクライナの安定をしっかり後押ししていく旨述べました。

(2)加えて,安倍総理からは,今月末の最高会議選挙が成功裏に実施されることが重要であり,日本は選挙監視要員の派遣を決定したことも伝達しました。

(3)ポロシェンコ大統領から,安倍総理の経済政策を高く評価し,自分も見習いたいと述べるとともに,安倍総理の可能な限り早い時期のウクライナ訪問を招請しました。さらに,ウクライナのASEMへの正式加盟への支持要請がありました。

(4)これに対し,安倍総理から,日本の経済政策に対する評価に謝意を述べるとともに,ウクライナへの招待に感謝し,検討したい旨述べました。

2 ウクライナ情勢,ウクライナ支援

(1)安倍総理から,停戦合意後も事態を憂慮しているとともに,ロシアに建設的な対応を促すべく,G7の協調を重視し,セクター別制裁に踏み込んだ旨を述べました。同時に,ウクライナにおいても,停戦合意の完全な履行を始めとする情勢の安定化と問題の解決への努力,中長期的観点からの国造りに向けた努力への期待感を表明しました。

(2)また,ポロシェンコ大統領から,日本からの様々な分野における支援やロシアに対する追加的措置に対し,謝意表明がありました。また,戦闘によりインフラが大きく崩壊したドンバス地域に対する追加的な経済的・技術的支援を要請しました。

(3)これに対し,安倍総理から,表明済みの最大約15億ドルの経済支援等を着実に実施するとともに,先般決定した国内避難民のための人道支援決定に加えて,今般,ウクライナの喫緊の課題である東部の復興のための新たな支援として,まずは東部の2州に対して総額約600万ドルの支援を行うこと検討中であるとともに,総額約100万ドルの医療分野の支援を実施することを予定している旨述べました。これに対し,ポロシェンコ大統領は,重ねてこれまでの日本の支援に対する謝意を表明しました。

(4)両首脳は,ウクライナ東部の最新の情勢について意見交換を行いました。

3 二国間関係

(1)両首脳は,原発事故後協力と投資協定交渉の着実な進展を含む二国間関係をしっかりと進展させていくことを確認しました。

(2)ポロシェンコ大統領は,日本企業の投資を呼び込むため,環境の整備に努めたい,また議会選挙後は親欧州,親日の議会,政府が成立するであろうと述べました。

(3)また,ポロシェンコ大統領は,親族が8年間日本で仕事をして日本が好きになったことを紹介し,両首脳は,両国間の人的交流の重要性でも一致しました。


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