経済協力開発機構(OECD)

令和6年5月2日
岸田総理大臣がOECD閣僚理事会開会式で議長国基調演説を行う様子 OECD閣僚理事会開会式で議長国基調演説を行う岸田総理 (写真提供:内閣広報室)

 現地時間5月2日午前11時30分(日本時間2日午後6時30分)から、岸田総理大臣、上川外務大臣、新藤経済財政担当大臣及び森屋内閣官房副長官出席の下、OECD閣僚理事会(MCM)の開会式が開催されました。コーマンOECD事務総長による開会挨拶に続いて、岸田文雄内閣総理大臣は、議長国を代表して「変化の流れの共創」とのテーマで約10分間基調演説を行ったところ、概要は以下のとおりです(スピーチ原稿別添)。

  • 今なお続くロシアによるウクライナ侵略や中東を巡る新たな惨禍など、多くの紛争が起きている、また、深刻化する気候変動や相次ぐ自然災害も大きな課題である。
  • こうした国際社会の変化は、インフレ、エネルギーや食料の供給途絶、サプライチェーン分断のリスクなど世界経済にも影響している。同時に、我々が目にする時代の変化や困難は、より豊かな暮らしを実現するためのチャンス でもある。「変化の流れの共創」の精神の下に結束し、国際社会が直面する危機を乗り超えることが重要である。
  • OECDの強みは、2000人を超えるエコノミストを擁し、その豊富なデータと分析力を活かし、各国の政策形成に貢献していること。日本も、「対日経済審査報告書」をはじめ、OECDの専門性と知見を活用している。今後もより良い政策形成に向け、OECDと効果的に連携していく。
  • 閣僚理事会は、価値観を共有する国々が集い、グローバルで先進的な課題を議論する機会であり、日本は議長国として、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の形成に向けて、自由貿易・投資、経済的強靱性・経済安全保障、気候変動・生物多様性・環境汚染、持続可能な開発、デジタルなど多様な分野での議論を深め、共通の認識を得るべく、昨年G7議長国として得た経験や成果も踏まえ貢献する。
  • デジタルはOECDが最も強みを発揮できる分野の一つであり、OECDはAI原則の策定など国際的議論を主導してきた。広島AIプロセスの成果も踏まえ、安心、安全で信頼できるAIの実現に向けた議論を進める。
  • 日本のOECD加盟から60年が経ち、国際社会が多極化や分断と紛争に直面する中、OECDにも変化が求められている。「共通の価値」を持つOECDが、東南アジア地域をはじめ、世界の様々な地域の非加盟国へアウトリーチしていくことが重要である。
  • 価値観の一方的な押しつけではなく、OECDが成長・発展に向けた「伴奏者」となるべく、「共創」の考えに基づき相手に寄り添うことが重要である。
  • 日本は数少ないアジアの加盟国として、OECDとアジア地域の架け橋となり、OECDが将来に亘って世界経済を主導するための貢献を果たしていく。
(参考)別添

 基調演説全文(和文(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く


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